鉄の骨 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 790
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770972

感想・レビュー・書評

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  • 痛快!面白かった〜、流石池井戸潤さん!

  • ゼネコンの談合を扱った経済小説。スピード感があって、一気に読めた。著者の小説に有りがちな悪大官が出てこなかったのもよかった。主人公の恋人を奪っていくエリート銀行マン園田、実は裏のある悪いやつなんじゃないかと疑ってたが、そんなでもなくてよかった(ホ)。

    不正で甘い汁を吸うのは許せないが、赤字覚悟で競争せざるを得ない入札の厳しさ、身に詰まされるなぁ。

  • 池井戸潤は おもしろい。エンターテイメントである。
    読んでいるうちに 引き込まれていく。
    それぞれが 魅力的な 人物として 描かれる。

    入社 4年目の 平太。
    若いのに 物怖じしない 素直さがある。
    会社員であると言う制約を理解しながら、行動する。
    平太の恋人 萌。銀行に勤める。
    学生の価値観と銀行の価値観と違って来ることに戸惑う。
    揺れ動く、女心。それを 思い切らせるのが 園田の母親。
    いやぁ。母親は 強くて、したたかで、読み取る能力がある。
    その先輩の 西田。仕事ができるし、飲んだくれる。
    平太のいい上司である。
    平太は不思議な縁で知り合う。
    フィクサーの 三橋萬蔵が 平太の母親と若かりし頃の知り合い。
    この 萬蔵が 存在感があり、平太に 素直に心を開く。
    そして、シナリオをつくるのが 尾形。
    やはり、このオトコの 先を見る目が すばらしい。

    テーマは しがらみ。
    世の中 しがらみから 抜け出せないのだ。
    それを突き破るものは、何なのか?

    日本は 談合というシステムがあるが
    中国には 談合がなく 権力者の汚職から始まる。
    なぜか、談合が 健全に見えてしょうがない。

  • 中堅土建業の一松組に入社して4年目の富島平太は、現場中心の建設課から一転、社内で談合課と呼ばれている業務課への異動を命じられた。
    経営不振の会社のために公共事業を落札しようと奔走する平太たちは、地下鉄工事の入札を巡って、ある大物政治家の息がかかった談合仕切り屋と関わっていくことになる。
    談合や政治家の裏金といった、ともすると重苦しくて読むことの難しい内容を、まっすぐな性格の平太やそれをただす彼女の萌の目線から描くことで大変読みやすいものとなっている。

    • ほうじ茶さん
      happykyoさん、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。
      それなのにフォローとコメントまでいただき、どうもありがとうございます。
      池井戸さんの...
      happykyoさん、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。
      それなのにフォローとコメントまでいただき、どうもありがとうございます。
      池井戸さんの本は、今回初めて読みました。
      とても読みやすく、私の周りの読書好きの方が勧めていたわけが分かりました。
      ドラマは第一話を見逃がしてしまったので、観てはいませんが、原作本の方で楽しみたいと思います。
      こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
      2013/08/27
    • happykyoさん
      ほうじ茶さん さんへ

      直木賞受賞作の「下町ロケット」もスカッと気持ち良い読了感で感動しますよ♪
      是非、お薦めしま~す♪

      こちら...
      ほうじ茶さん さんへ

      直木賞受賞作の「下町ロケット」もスカッと気持ち良い読了感で感動しますよ♪
      是非、お薦めしま~す♪

      こちらこそ宜しくお願いします。
      2013/08/29
    • ほうじ茶さん
      happykyoさん、コメントどうもありがとうございます。
      池井戸さんといえば、『下町ロケット』ですよね。
      まだ文庫化されていないようなので...
      happykyoさん、コメントどうもありがとうございます。
      池井戸さんといえば、『下町ロケット』ですよね。
      まだ文庫化されていないようなので、発刊されたらぜひ読みたいと思っています。
      楽しみが増えて嬉しいです。
      (^^)
      2013/08/29
  • 本の厚さにちょっと身構えたけど、そんなの全然!
    「談合?何??」っていうレベルで、初めて聞く言葉の全く知らない世界の話なのに面白くて、分かりやすい。
    勉強にもなって、なんだか一石二鳥な気分です♪

  • 談合は必要なのかそうでないのか。
    正当な入札だけではなりたっていかないのかと疑問に思いつつ、この会社はどうしていくんだろうと引き込まれて読み進んだ。
    いかにコストを下げるか、何か他に方法はないのか、受注するための努力も涙ぐましい。
    会社愛がないとやってられない、そんな気持ちになった。

  • 「正義感」とは一体何でしょうか?
    この小説の読者は、きっと壁にぶつかり悩むと思います。


    大きな組織の中のひとりの社員として取らざるを得ない苦肉の立場から、
    主人公の葛藤と心情の変化が360度の角度から見事に描かれています。


    特に、新社会になる人に是非おすすめしたい一冊ですし、
    私自身にとって常に原点にしていきたい至上最高の作品だと思っています。

    • HNGSKさん
      おひさしぶりです。あやこです。
      鉄の骨、わたしも読みました。主人公が社長じゃなかった分、感情移入のできる作品でしたね。社会人って世知辛い、け...
      おひさしぶりです。あやこです。
      鉄の骨、わたしも読みました。主人公が社長じゃなかった分、感情移入のできる作品でしたね。社会人って世知辛い、けれど、ここで、やっていくしかないんだーって思わされました。
      2012/09/12
  • 下町ロケットを読んでから池井戸さんの本に結構はまっている。
    これは吉川英治文学新人賞を受賞しているらしい。

    で、話としてはゼネコンの談合問題をいつものごとく「まっすぐな」主人公が挑んでいく。
    でも、この人の「まっすぐ」は世の中の不条理なこともわかったうえで、それでどうするか、だからいいんですよねー。
    談合そのものの是非、というより、「問題に立ち向かう人間」の強さ弱さがわかるんですよね。

  • 図書館 2009年
    一松組の現場管理の平太は業務部に移動
    公共事業の入札の苦労を目の当たりにする…

    《感想》
    池井戸さんは業務部にいた、と言っていい位の臨場感
    地検のやり取りも同じくそう思った
    談合や重たい雰囲気の話や、母親が危なくなる話が続くのだが、平太は入社3年目、性格もいいし、悪いものに染まってないから、彼の場面は和んだ感じだった
    最後は一松組だけ逮捕者が出ず独り勝ちをする(常務が内通者だから)
    建設業全体を敵に回していないか?続編があったら、常務は殺されてしまうのではないか、といらぬ想像力を掻き立ててしまうほどのめり込んでしまった
    非常に良かった

    《池井戸作品 総評》
    気になっていた池井戸作品を読み終えた
    全体的に読みやすかった
    金融や銀行を織り交ぜた複雑さを読み解くことが、興味もあるし面白く感じた
    読書も勉強も、少し難しいレベルに挑戦するとやりがいが出て続けられるという
    こういう作品に出会っていきたいな

  • 走れ平太

    650ページほどある作品でしたが、一日で一気に読めました。
    会社のために死ぬか、正義を貫いて死ぬか
    二転三転する状況に読む手が止まりませんでした。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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