新参者 (講談社文庫)

著者 : 東野圭吾

• 講談社 (2013年8月9日発売)

感想・レビュー・書評

[しゅんさんの感想 · 2023年11月12日]

ミステリー系小説にも関わらず最後には人情味のある作品になっています。

また、探偵や刑事が犯人を追い詰めるわけではなく、当事者の周りにいる人にアプローチしていくことで読者に犯人を示すスタイルがとても読んでいて面白いと感じました。

加賀の台詞にもあったように犯人を見つけるというのはあくまでも通過点で事件の真相を知ることに重点が置かれていて最後まで飽きずに読むことができる作品だと思います。

[けよしさんの感想 · 2023年11月7日]

　まさに江戸情緒たっぷり、でてくる人みんな、髷のかつら付けててもおかしくないお話しでした。
　初め短編集かと思ってたら、３つ目くらいでこの人、前にも殺されてたなと気付いて、ようやくわかった次第です。
　ゆったり、おもしろく読めました。時代小説のお好きな方にもおすすめします。

[autumn522akiさんの感想 · 2021年12月19日]

日本橋警察署に赴任してきた警察官が、日本橋で発見された女性の殺人事件に立ち向かう警察小説。加賀恭一郎シリーズの8作目。

東野圭吾の良いところが目いっぱい出ている作品です、これは面白い！
警察官が足で稼いだ捜査が、少しずつ真相に迫るいわゆる警察小説ですが、人形町という町や人々が主役になっており、全編にわたって人情味あふれるミステリーになっています。

もともとは短編で発表された小説らしいですが、綺麗にまとまったお話しになっています。いつもの東野圭吾らしく大衆的な文章で、どんどん読み進められます。

なによりこの小説が素晴らしいのは、捜査を進める中で人形町に住む人々に、ささやかな幸せを運んだり、問題や悩みを解決していくお話しが展開されることろです。加賀恭一郎の人情味あふれる人間性が良く表現されていて、それでいて超切れ者。かっこよすぎだろうと。ほかの作品も読んでみたくなりました。

温かい気持ちになりたい人には、是非お勧めしたい一冊でした。

[みんみんさんの感想 · 2022年7月7日]

再読。
この作品の凄さをしみじみ感じた。
煎餅屋、刃物屋、民芸品屋…日本橋という江戸情緒残る街、そこで暮らす人情溢れる人々。

日本橋の「新参者」として、被害者に関わった人々に聞き込み、糸を手繰り寄せるように真実に辿り着く。

一章ごとに謎が解けていくストーリー構成にも驚嘆。
何よりそれぞれの章にホロリとさせられる(T_T)

前作「赤い指」同様に親と子の在り方に考えさせられる結末が待ってましたm(_ _)m

自分にも子供が2人…
　「かわいがることと大切にすることは　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　違うんですよね」
この言葉が身に染みます(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥｀)


なぜ所轄に飛ばされた謎も判明してスッキリ！
何気にあの愛はどうなったんだ？加賀！
バレリーナいつ出るんだ！
知りたくてウズウズしてます(´Д` )

[もっちさんの感想 · 2024年1月12日]

再読
加賀さんの洞察力と推理が人形町界隈を優しくする？感じ
犯罪は許せないけど、なんかスッキリする展開になってます
シリーズ最初から読んで、やっとやっぱり面白いと思えました

[りさんの感想 · 2023年2月17日]

加賀恭一郎シリーズ8作目。
とても面白かった。
連作短編のようになっていて、舞台となる人形町の商店で働く人にそれぞれ焦点を当てた全９章。読み始めはそれぞれの繋がりが分からないけれど、読み進めるうちに、こことここが絡み合うのか！とパズルのピースがハマったような爽快感があった。

それにしても折角夢の翻訳家としての一歩を踏み出したのに、息子の彼女を取り違えて妊娠していると勘違いした挙句、そのお金の工面のために闇を暴きそうになって殺されてしまった峯子の可哀想なことといったら…同情してしまう(T . T)

[ゴンさんの感想 · 2021年11月6日]

シリーズ物だった為買った一冊。

短編の話だと思ったら、すべて一つの事件に絡んでいるみたいな話だった。

シリーズ8弾目
主人公の刑事の洞察力の凄さが際立った。

一つの事件を調べていくうちに出てくる小さい謎や事件に関係ないと思われる事柄を解決し、事件を解決に持っていくという構成は、スッキリするし、こうゆうのは初めて読んだ気もする。

主人公の事件の捜査は、ただ事件解決の為に推理し動いているだけでなく、捜査に関係してきた人達の心を救うみたな感じがして好感が持てる。

だんだんシリーズにハマってきた。
次の話も楽しみになった小説でした。

[Tomさんの感想 · 2019年12月25日]

それぞれの登場人物が章の題名になっている。加賀刑事は殺人事件の捜査でこれらの人物と接触していき犯人に辿り着く。被害者が妊娠している女性を息子の嫁と勘違いして、安産を願いながら亡くなったところが悲しくもあった。

[pa-yanさんの感想 · 2023年11月18日]

社内で隣の席の人におすすめの本を聞いたら、
新参者と容疑者xの献身とのこと。

早速書店で見たら、
ガリレオシリーズは知っていましたが、
新参者もシリーズだったのですね…！
しかも第８弾…！笑

シリーズを最初から読むのも、
お財布的にも時間的にも（ほかに積読が山盛り苦笑）
厳しかったので、内容を全く知らない「新参者」を手に取りました。
（容疑者xの献身の映画は見たことがあったので）

加賀恭一郎という刑事が、
一つの殺人事件の謎を解き明かすために
周囲に聞き込みを行うなか、
他の謎を解き明かしていきます。
その謎もまた、相手を思うが故だったり、
誰かのための嘘だったり。

知っている地域が舞台になっていたため、
余計に読んでいて楽しめました。

最後にすべてが回収され、
一つにつながり事件が解決されていくのは、
さすがでした。面白かったです。

[さえさんの感想 · 2023年9月10日]

殺人事件に、意図せず関わってしまった人々の心も救ってくれるような加賀の言葉、思いに胸が熱くなる。
舞台が小伝馬町とか人形町というからか、なんとなく時代物の捕物帖のような人情物の雰囲気も感じられた（私だけかな？）。
この作品、シリーズ中一番好きな作品でした。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。