新参者 (講談社文庫)

著者 : 東野圭吾

• 講談社 (2013年8月9日発売)

感想・レビュー・書評

[kamitakoさんの感想 · 2019年2月25日]

今までの中では一番楽しめたかも。捜査には関係のなさそうなところを明らかにしていき、それぞれの動機が様々なものを人を紡いでいく。翻訳家の友の章が一番グッときました。

[あかりさんの感想 · 2018年1月23日]

それぞれ事件に関係ないと思われていることが、実は少なからず関係していて、それが結果いい話だったり、そうではなく悲しい話であったり、とても読み応えがあって面白かった！
警察の人がみんな加賀みたいな人だったらいいのになぁ。
この作品のように、事件に関わった人の心が少しでも救われたらもっと良い世の中になるのに。

[白鳥麗子さんの感想 · 2024年4月18日]

加賀恭一郎シリーズ、第８作。
ある殺人事件を軸に、短編でいくつかの家族の話で繋がっている作品でした。
それぞれの家族に、普段はおもてには出さない思いがあり、歪みあっているようで、実は陰ではこっそり感謝していたなど、人情溢れる話がよかったです。そんなひとつひとつを加賀さんが調べ上げ、事件解決後も、その家族を立ち直らせるきっかけをつくってあげることも。
「何者でもありません。この町では、ただの新参者です。」とは、さすがです。
読みやすくて、相変わらず緻密な捜査をする加賀さんにワクワクし、犯人もその動機もわかり、すっきりととても面白かった。

[kazubook21613さんの感想 · 2023年9月18日]

久しぶりの東野圭吾。

題名が冴えないのでどんなもんかと思って読み始めた。少し作りすぎているきらいはあるが、イヤハヤ素晴らしい作品でした。

一つの殺人事件の捜査の中で、小さな矛盾や謎が加賀の地道な聞き込みで小気味よく解けていく。ただ犯人と動機だけは全くわからないまま物語は進んでいく。

人の優しさや人情に溢れるエピソードの積み重ねに、一体どうやって犯人検挙という落とし前をつけるのだろうと思っていたが、見事に最後には回収される。加賀の捜査は真に見事の一言に尽きる。

最後の最後で上杉刑事にも活躍の場が与えられて物語に余韻と深みをもたらしている。

[こなっちゃんさんの感想 · 2023年7月14日]

下町を舞台に風情溢れる人間模様。親子、夫婦、師弟それぞれの葛藤が描かれ、肝心の事件は本筋ではない。一見、犯人ぽく見えるのは人の優しさゆえ。新参者の加賀刑事がそれぞれの事情も、事件も飄々と解決していく様にスッキリとした気分になります。バラバラの話も繋がってくるところはいつもながらお見事です。大好き度❤️❤️

[にしやんさんの感想 · 2023年6月23日]

日本橋に異動した新参者の刑事、加賀恭一郎が事件解決に挑む。人情味溢れた加賀刑事の対応と、
点と点で繋がれるストーリーに引き寄せられました。

[あやかさんの感想 · 2021年11月3日]

刑事、加賀さんの人柄が素敵！！
短いストーリーがいくつかあり、少しずつ犯人に近づいていくところも面白いし、その短いストーリーの中で人間関係のいざこざやすれ違った思いを解決していくところもよい。
最後は犯人が見つかって解決。…ではなく、さらにもう一工夫あって、温かい気持ちになれるところもよい。
こういうミステリー、好きです。

[康平さんの感想 · 2021年1月31日]

加賀恭一郎の人間性に拍手

「事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です」

惚れる

[ケイトさんの感想 · 2020年5月5日]

かわいがることと大切にすることは違う
守ったつもりがもっと悪い方向へ背中を押しただけだった

登場人物が多くて短編のような長編

[ゆきてんおうせいさんの感想 · 2024年2月11日]

めっちゃ面白かった！
人情の町・人形町周辺が舞台。
短編だけど話が繋がっていて、長編を読んだような満足感があった。
ベースは殺人事件の真実を追っていくのだけど、各登場人物のほっこり人情エピソードが散りばめられているので、普段ミステリーを読まない人にもおすすめ。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。