- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062820004
感想・レビュー・書評
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混迷した世界の中で、新しい秩序へと向かう重要な役割を果たす国2つ。一つは英国で、もう一つが日本。英国が大西洋を挟んでヨーロッパと米国を、日本は太平洋をはさんで米国とアジアを結ぶ「橋」となることが求められると、私たち日本人に残したメッセージがコンパクトに分かりやすく書かれています。
日本の強みとしては、「日本ほど見事に西洋化した国は他に例がなく、一方で非常にメンタリティの異なる中国ともうまく折り合っていける、きわめてユニークな特長を持っている」で、「日本が獲得してきた国際社会でのポジション」を上手に活用できるかが成否を分ける要因と指摘。
その中で、知識労働者の生産性を高めるために、個の能力だけでなく集団として機能することが大事だとしています。しかもドラッカーは、集団のことを”グループ”ではなく、”チーム”という言葉を使っている。1+1が2ではなく、3にも4にもなる、相乗効果が働かせることができるかが肝ですね。そのために集団学習の必要性が益々高まっています。ワークショップやファシリテーションがどれだけ世の中に浸透するでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本として、今後何をやっていくべきか?大きな視点と個人の視点、両方でアドバイスがある。
ドラッガーが死後、すでに5年程度経過しているが、その神通力は未だに色あせないと感じさせる一冊。
より本質的に、遠い未来から日本を俯瞰してみることができる。
もっと、がんばろう。おれ・ -
10.10.1 落合家蔵書
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長らく読まれないまま本棚にしまってあった1冊。週末に何となく片づけていたら出てきた。一気に読了。
日本からの取材に応じて語ってくれたものをまとめた1冊で、日本に対して厳しくも温かいメッセージが綴られている。
日本の置かれた立場は厳しいが、きっと新しい形で日本は成功し、世界の中でも重要な地位を持ち続けていくということを言ってくれている。
「新しい秩序へと向かう、混迷した世界の中で、重要な役割を担う二つの国があります。
一つはイギリス、そしてもう一つは---------、他でもない、あなたたちの国・日本です。」
この震災の後もそうであり続けると信じたい。
まだまだ日本にしかできないことはたくさんあるはずだ。 -
ピーター・F・ドラッカー。名前は知っていたが、自分の仕事と直接結びつかないこともあり、著書を読んだことはなかった。2005年11月に亡くなったというニュースを知った後、一冊位は読んでみるかという気になっていたところで、本書が出版されたので、読んでみた。
日本向けの本ということで、現在の世界情勢と日本の置かれている状況、そして今後について書かれている。聞き慣れない経営・経済の専門用語で出てくるわけでもなく、自然に読み進めることができた。
著者を称える形容詞はいろいろとあるようですが、そこまで言われる理由が垣間見られた気がし、他の著作も読んでみたいと思った。
本書の評価についてはドラッカー信奉者の中にも異論があるようだが、私にとっては次の一冊に繋がる一冊だった。 -
ドラッカーが死んでしまった。ショックです。なのでこの本は予約してまで購入しましたが、内容が軽すぎる。とくに「ドラッカーの遺言」などという大きな名前をつけるのならば、それ相応の内容が望まれると思う。ただし、死の直前のインタビューが出ているので、ドラッカーファンとしては楽しめます。
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"印象に残った言葉は…
チャンスに目を向けるべきだ。機会重視型の発想を。
成果を得る為にどんな強みを活かして、何をしなければならないのか?" -
経営学のカリスマ、ピーター・ドラッカーへのインタビューをまとめた本。ドラッカー氏が亡くなる5か月前ほどに行われたそうだから、まさに遺言となったようだ。彼は2005年に亡くなっているが、予言めいたものを残しており、そのいくつかは2018年の現在までに現実になっている。本書は日本人がインタビューをしたため、日本人に向けたメッセージもある。彼は日本の経営者とも多くの仕事をし、親日家だったようだ。
「おっ」と思える斬新なメッセージもある。彼が提唱しているのは、変化に強くあれ、ということと、そうなるためには日々学び続けなければならないということである。
経済記者による後書きは、直訳調で読みづらかった。また、途中に差し込まれている写真が本文と全く関係ないだけではなく、美しくもなく意味不明だった。
簡潔で分かりやすいので、ドラッカーの入門には有意義な本だと思う。 -
約10年ぶりに読み返した。やっぱりドラッカーは自分事として響きまくる。特に第4章「日本が進むべき道」
「情報経済が主軸となる新時代の世界経済のもとで、最も苦労する国は日本である。つねにイノベートを追求し、新しい価値を生み出すことでしか、日本が生き残る道はない(p99)」 -
20世紀最大の経営思想家にしてビジネス界のカリスマ、ピーター・ドラッカー。これから世界はどこへ向かうのか、日本企業は今後どう進むべきか等々、氏が語った最後のメッセージを紹介する。
第1章 世界はどこへ向かっているのか
第2章 日本の“いま”
第3章 “仕事”に起こった変化
第4章 日本が進むべき道
第5章 経営とは?リーダーとは?
第6章 個人のイノベーション -
(2006/11/13)
はてはて,多分最も新しい,本なのでしょう.なんせ,遺言なんですから.
2005年にドラッカーはなくなりましたが,その前にいっていたこと.
特に日本人記者の質問に答えるインタヴューてきなものをまとめた物になっている.
来るべき時代と日本のこれからについて語っています.
あいかわらずの洞察と不確かな予言は避ける謙虚さ.
日本はアメリカと中国(もしくはアジア文化圏)の架け橋たれ,と語っています.
ちなみに,アジアの未来として中国を中心としてまとまる形か,それ以外であるかどちらかだと語り,
後者の方になるべきだと語っています.
中国中心になったばあいは,中国によるアジア支配を意味すると.
後者になるように頑張りましょう,日本人
ASEANやインドとの関係がキーかな.
ドラッカーはホントに博識です.
「日本と中国ほど民族性の異なる国は無い」
んだそーです.やっぱりそういう意味でも,アジアは中国を中心にではなく,EUみたいに多極的な形でまとまれるようにならなきゃね.
そして,やっぱりドラッカーならではの主張
「これからは資本を持つことが強みにはならない.知識労働者をいかにマネジメントできるかが重要」
との事が再度説かれていました.
「徹底的に情報技術で遅れている日本.それを何とか逆転しないと未来は険しい.」
基本ソフトでも応用ソフトでも,輸入品ばかり使っている日本.
しかも,日本語対応化されていて,一般人は輸入品を使っていることに気付いていない.
どうしたら,逆転できるんだろうか? -
何をしたいか、ではなくすべきか。
自分の短所より長所を探り、確立し、発展させる。知のイノベーションを続ける。 -
1ページ5~6行の簡潔な言葉。簡潔で判り易い言葉なので、読みやすくどんどん読み進みますが、気になった箇所は自分の頭で考えきらないと何も残りません。
■中国を軸に据えたアジアの再編は間違いです。アジアは中国に支配されるでしょう。各国それぞれが個別に革新していく姿が望ましいです。
■英語力と情報技術知識とローコスト労働力を持つインド、大量のローコスト労働力と大量の消費者を持つ中国は今後もっと台頭するでしょう。
■日本が直面しているのは危機ではなく、時代の変わり目です。
■時代が変わったことを認め官僚制度、保護政策を捨て、意識改革に取組むべきです。
■西洋と東洋のバランスを上手に取り、両者の架け橋になることが日本の役割であり、強みです。
■アジアとアメリカを結ぶ日本、ヨーロッパとアメリカを結ぶイギリス、この2国がメインパワーを保ち続ける鍵。
■知識つまり戦略の生産性向上が国際競争力になります。
■問題重視型思考に囚われるな。機会重視型の発想を持て。
■カリスマ性に不快感を抱け。リーダーの登場を恐れよ。不世出の存在など迷信だ。ヒトラー、ムッソリーニ然り。
■重要なのは、個々人が革新し自らの未来を啓くことです。
■経営は飽くまで組織の一器官にしか過ぎません。政治も然りです。
■有能なリーダーは先頭に立つ必要はありません。何をやりたいかでなく、何をする必要があるかを問い続ける姿勢が重要です。
■自分の得手、不得手を熟知し、不得手なことは恥じずに認め自ら手掛けないことです。
■個人のイノベーション促進には、欠点克服に時間をかけるより長所を伸ばすことが近道です。
■海外に目を向け、視野を大きく広げてください。 -
われわれ日本人へのエール。
2005年。ドラッカーが亡くなった年の貴重なインタビュー集。我々日本に託したメッセージが多く、日本人へのエールとして受け取りたい。情報化がもたらすもの。世界、アジアの向かう先。知的労働の将来。個人のイノベーション。ページ数は少ないがメッセージのひとつひとつはとてつもなく重い。 -
私たちはいま転換期に生きています。ところが、多くの人々はそのことを理解していません。変化は予測できず、理解することも困難です。
絶えざるスキルアップを達成するために最も重要となるのは、自分の強みを把握することです。自分が何を得意とするのかを知り、磨きをかけていく。弱点の克服は限界があり、結局は時間の無駄となってしまうことが多い。
日本の若い世代の人たちは20代から遅くとも30代前半までに少なくとも2-3年は日本を離れて他国で働く経験を積むことをお勧めする。
歴史はルーズベルトをたたえ、トルーマンを過小評価するきらいがあるが、実際の序列は反対にすべきである。トルーマンはやりたいことへの誘惑に打ち勝ち、国難を切り抜けるべく、やるべきことをすることを決断した。
2005年、ドラッカー。 -
2005年7月からのインタビューをまとめた本著は同年11月11日に他界したドラッカーの遺作となっている。考えようによっては日本に向けた薫陶の極みといえる一冊。
日本に起こっている事態は危機ではなく変化であり、個人が真に知的労働者たり得ることで変化を阻む保護政策と言語の壁を突破することが、日本=世界のメインパワーであり続ける条件であると述べられています。
面白いのは、マネジメントの大家なのに「部下を管理することについては20代で自分には無理だと分かったので、以来70年間部下は持ったことはない」と述べている点でしょうか(もっとも“パートナー”という表現で、同じ職場の人物を表現していますが)。
事業をマネジメントする意味を真摯に説き続け、美しい表現と温かいユーモアで、人に伝わってこそ成功であることを自ら示し続ける、真にリベラルな知性に触れられたという充実感を得ました。 -
ドラッカーからのラストメッセージとして、簡潔な文章のなかに彼の考えのエッセンスが示されている。特に、マネジメントについてのべた部分は、さすがと思えることばかり。彼の本を読んでいくときの指針ともいえる。さすがにこれだけで理解しようとするのは無理で、彼の著作を振り返って読む必要があると思う。
また、ドラッカーへの追悼文として掲載されている「ドラッカー~人類への贈り物」は、ドラッガーの人となりや人生を知るガイダンスにもなっている。
彼は自分の長所を最大限に活かしてきたのだなとも思った。また、これを読んで今度は、ファシズムが台頭する中での抵抗の書でもある処女作『経済人の終わり』を読みたくなった。
情勢の部分は、やや今日の状況からすると古くなった感じがあるのと内容が簡潔過ぎるので、★4つ。 -
強みをいかせ
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「マネジメントの巨人」、ピーター・F・ドラッカーの死の直前に行われたインタビューをもとにまとめられた、ドラッカー最後の名言集である。ピーター・F・ドラッカー関連の本は初めて読んだ。以下、個人的に残しておきたいポイントを列挙しておく。
・経営の本質を見定めるための3つの質問は以下の通りである。
①「あなたの事業は何か? 何を達成しようとしているのか?何が他の事業と異なるところなのか?」
②「あなたの事業の成果を、いかに定義するか?」
③「あなたのコア・コンピタンス(独自の強み)は何か?」
・「生まれついての能力」を信じない
・有能なリーダーに共通する習慣の一つめは、「やりたいことから始めない」ということ。彼らはまず、「何をすべきか」を問う。
・二つめの習慣は、「何をすべきか」を考え抜いた後に、その中のどれが「自分の仕事なのか」を問うこと。
・三つめの習慣は、「不得手なことは、けっして自ら手がけない」ことを徹底している点。
・知識社会においては、狭い領域で物事を考えるのではなく、継続的に視野を広げていくことが重要。 -
シンプルな言葉で語られており、メッセージが受け取りやすい。5年以上前の作品ながら、まるで2012年の世界が見えているかのような内容(実際に見えていたのかもしれないが)が綴られている。グローバル化は言葉とインターネット(情報)が源泉となっている事を認識する事。自分から動き、行動を変え、価値を発揮していく事。社会的地位ではなく、時代に応じた価値を発揮出来る人間を目指していく事が大切である事を感じさせられた。
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日本のこれからの成長が世界にとても重要となってくる。
インターネットによる情報のグローバリゼーション。そしてこのグローバリゼーションによって、英語が欠かせないスキルとなる。なぜなら、英語を読める事は、最新の有益な情報収集に必須のものであるからだ。
経営とは、「どんな成果を、どの強みを活かして、どんな方法で出すか」ということである。
自分の長所を見つけ、それを伸ばすこと。長所は今までの人生の中で、行ってこたことの中にある。自分が成功出来た事、出来なかった事。それを早い段階で見つけ伸ばす事が重要。
苦手なことを克服しようとすることよりも、長所を伸ばす事の方に力を入れた方が良い。 -
晩年まで、日本も中国もインドもしっかり目を向けていたことに驚く。
そして日本に向けた言葉
「自身の歴史を知らない」
「労働の質(知的労働における生産性)」
はよく覚えておかなければ。 -
4回読みなおして
線引いて
過去の経験と照らし合わせていました。
ノートに書いてパソコンに残しました。
印刷して 教室に張り付けました。
読むとホッとします。 -
200頁強のハードカバーだが、内容は50頁程度の薄い内容に無理矢理見出しをつけて引き延ばした構成になっている。興味深い言葉は書いてあるが、それに対しての理論がほとんど書いてない。おそらくドラッカーの本を何冊か読んだ人であればより理解しやすいのであろうが、初めて読む人には内容が無い本だと思う。おすすめではない。
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短いセンテンスでこれからの日本の事などがまとめられている。晩年であってもするどい洞察力は素晴らしい。
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個人のイノベーションの重要性