知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
4.09
  • (173)
  • (206)
  • (90)
  • (14)
  • (4)
本棚登録 : 2026
感想 : 165
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880480

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こういう本があってもいいと思う。しかし、多数の意見をより集めて競わせても、そこに弁証法的な結論が現れるとは限らない。

  • 「知性の限界」高橋昌一郎
    哲学思考ディベート。無色。
    講談社現代新書。

    2冊目も流し読み…ですがやっぱり面白い。
    もともと本屋でこちらを手にとって、先に1冊目があるということで「理性の限界」「知性の限界」と読みました。
    スルメのように、ちょっと読んだだけでもイイ味出してる、さらに読み込んだら味わい深い、そんな哲学本。

    本書では、ウィトゲンシュタイン、ポパー、ファイヤアーベントを軸に取り上げながら、
    ・クワインの不可測性…「ウサギ」が〈その動物〉を指示するかどうかは語り得ない
    ・ナイトの不確実性…統計・確率で予測不可能な"起業家への投資リスク"が存在する
    ・カントの不可知論…純粋理性が陥らざるを得ない4つのアンチノミーは、認識の形式が〜
    などなどを取り上げています。

    立ち向かって考えないと!と感じたのは、方法論的虚無主義者の言う、「何でもかまわない」『理性よ、さらば』。
    そして、形而上学に帰ってくるという、なんというスリリングさ!「形而上学者」なんて見たとき笑ってしまった。

    2冊続けて読みしめるのがオススメ。たぶん、本棚に入っていれば、折に触れて拾い読み返しできる良書です。(5)

  • ☆4
    色とりどりの知的刺激が魂を揺さぶる、とても面白い本だよ!

    ウィトゲンシュタインが言う「言語的問題」にとても共感したよ。
    私たちは、考える時に道具として「言葉」を使う。すると、ある言葉の定義が人間にとって普遍的なものでない限り、言葉によって考え出された理論は人間にとって普遍的な真理となるはずはないのではないか、というのが私のかねてからの疑問だった。
    そこに明快な見解が示されており、更には自己矛盾まで含んでいるなんて!ここがこの本で一番興奮した部分かな。

    他にも、帰納法の落とし穴やバタフライ効果など興味津々な話題あり、ビッグバンから原子が創られ人間に至るまでの途方もない数の偶然に愕然とするよ。
    最後にはエヴァンゲリオンを彷彿とさせる「宇宙的意識」なんて考え方にも足を突っ込むことができる。巻末の参考文献から、自分の興味をどんどん広げていきたいと思ったよ!

  • サピアウォーフが出てて少しテンション上がった。使う人によっては人の認識を揺らがせて洗脳するための入門書になりそうだなぁと思った次第

  • 言語と思考の関係性辺りを中心にした哲学のお話。シンポジウムを模した展開で読みやすい。内容が内容だけに、興味がある人にはもの足りず、まだ興味を持ててない人が読んで面白いかと言うとそうでもない気がする。ヘンペルのパラドクスを知れたのは良かった。

  • 対話形式でかつ、ユーモアに富んでいて、面白かった。

  • 「理性の限界」に続く限界シリーズ第二弾。目から鱗度はやや落ちる。

  • 前作<a href="http://mediamarker.net/u/akasen/?asin=4062879484" target="_blank">理性の限界</a>で選択(不可能性)・科学(不確定性)・知識(不完全性)の限界について語り、今回は言語(不可測性)、予測(不確実性)、思考(不可知性)の限界。
    前著で大枠を語り尽くしたせいか、はたまた不確実性の名著<a href="http://mediamarker.net/u/akasen/?asin=4150503583" target="_blank">『歴史はべき乗則で動く』</a>を読んでいたせいか、前作ほどの新規性やインパクトはない。
    しかし、散りばめられたカントとウィトゲンシュタインの認識と論理と哲学の話は強烈で、概論のみのこの内容ですら、日常が、認識がゲシュタルト崩壊する。この辺りの存在と世界の認識の話は仏教哲学に通じるところがありそうな気もする。ひょっとして、知性の限界は哲学と宗教にあるのだろうか。その一端を掴むための一冊。

  • 哲学に関する面白い議論をいくつか集めたものを対話形式?で論じたものだった。高校倫理をかじっただけの私のような人には目から鱗な話題も多い。ただ科学には限界がある、ということはたびたび書かれるがではどういう態度をとることができるか、とか著者の意見とか、肝心なことが書いてなかったのが残念。あと二章で一章の議論がなかったことになっているような。議論に余計な口を挟む人の存在が面白くないし邪魔。

  •  科学の限界。あらためて科学が宗教でしかないことの明示。これだけでも読んだ甲斐があるというものです。

全165件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

國學院大學教授。1959年生まれ。ミシガン大学大学院哲学研究科修了。専門は論理学、科学哲学。著書は『理性の限界』『知性の限界』『感性の限界』『フォン・ノイマンの哲学』『ゲーデルの哲学』『20世紀論争史』『自己分析論』『反オカルト論』『愛の論理学』『東大生の論理』『小林秀雄の哲学』『哲学ディベート』『ノイマン・ゲーデル・チューリング』『科学哲学のすすめ』など、多数。

「2022年 『実践・哲学ディベート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高橋昌一郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
マーク・ピーター...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×