最果てアーケード (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 143
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931021

感想・レビュー・書評

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  • 凄く良かった。相変わらず空気感がすごく好きだ。何度も読みたいと思う

  • この本を読んで「ジャワマメジカ」に興味を持ち
    上野動物園に見に行きました。
    まっくらやみの中で暮らしていました。

  • 小川洋子作品の中で、『薬指の標本』をよく覚えている。本作も、そういう系統の本かと思い、手に取った。

    一言でいうと"喪失"の物語、だろうか。
    使用済みの絵葉書、義眼…誰が買うの?という品を扱う店ばかりが集まるアーケード。品を必要とする人以外には、忘れ去られてしまったかのような場所で、誰かの思い出を慈しみ、静かに生活する人々。

    品物に秘められた物語だけを各章で綴っていくような、そんな単純な作りではなくて、各章を重ねる中で、そのアーケードに暮らす人の息遣いが静かに聞こえてくるような作りになっているのがよい。

    "私"の飼い犬、べべがとても可愛らしい。
    そんなべべも、"私"が成長するにつれて年をとり、アーケードにならぶ品物と同じように、そこを訪れる人々、流れる時間をゆっくりと見守っている。

  • 短編集かと思ったら連作。
    偏愛家たちがたくさん登場する賑やかな作品でした。

  • 世界で一番小さいアーケードで見つけた心に沁みる物語です。「レース屋」「義眼屋」「ドーナツ専売店」「紙店」「ドアノブ専門店」「勲章店」があって、一番奥には中庭と1Fが読書休憩室、そしてその2Fにアーケードの大家さんとその娘が住んでいました。娘は、愛犬ぺぺと一緒に、それぞれの店の品物をお客さんの自宅に配達する役目を担ってて、この物語の主人公です。表紙の三つ編みの少女がそうです。短編10話、それぞれが微妙につながってて、何とも言えない味と余韻を醸し出しています。「輪っか屋」と「百科事典少女」特に良かったです!

  • 読み始め…15.11.23
    読み終わり…15.11.28

    久しぶりの小川洋子さん....振り返ってみると
    なんと2年ぶりでした。

    ノスタルジックな風情漂う空間の 摩訶不思議世界は小川ワールドならでは。大好きです。

  • レース屋さん、義眼屋さん、輪っか屋さん…
    最果てアーケードの店主たちと、そこに訪れるわけありのお客さんたち。
    主人公の生まれ育ったアーケードのひっそりとした懐かしい空気にひき込まれ、最終章で涙が出そうになった。

    どんなに時が流れても、悲しみを癒すことのできる静かな場所がここにはある。

  • 使用済みの絵葉書、義眼、徽章、発条、玩具の楽器、人形専用の帽子、ドアノブ、化石……。「一体こんなもの、誰が買うの?」という品を扱う店ばかりが集まっている、世界で一番小さなアーケード。

    そこは誰にも気づかれないまま、何かの拍子にできた世界の窪みのようなアーケード。
    自分を必要としてくれる人に巡りあう事を店主と一緒にずっと待ち続ける商品たち。そんな彼らの元に、愛するものを失った人々が色んな思いを抱えて訪れる。
    それを見守る配達係の「私」と犬のべべ。「私」にも色々ありそうで目が離せない。

    私も毎日30分だけその不思議な商店街を訪れた。静かで優しくて幸せだけど、迷子になったようにどこか不安で寂しい、どう説明すればいいのかわからないこの世界。起きているのに深い眠りの中にいるような毎日だった。

    本当にこの世界はあるのか?「私」のラストをどう捉えればいいの?誰かと語りたいような、自分の心にそっとしまっておきたいような、小川洋子さんの世界には毎回悶々とさせられる。

    • あいさん
      杜のうさこさ〜ん、こんばんは(^-^)/

      いつもコメントありがとう(*^^*)♪

      毎日30分というのは、1章読むのにちょうど3...
      杜のうさこさ〜ん、こんばんは(^-^)/

      いつもコメントありがとう(*^^*)♪

      毎日30分というのは、1章読むのにちょうど30分だったのです(笑)
      杜のうさこさんなら毎日15分かもしれないね♪

      そうそう、小川さんは独特だよね。
      なんとも言えない雰囲気にちょっともやもやが残る物語。
      アーケードにあるステンドグラスがこの物語の不思議感を増してるからアーケードなのかな。
      でも、訪れたと書くなら商店街の方がいいかも。
      いつかこの商店街を訪れたらまたお話しましょう(*^^*)♪

      うさちゃんの特集見なかった。
      残念だなぁ。
      最近うさちゃんを飼う人が増えてきて嬉しいんだ!
      特集を見た人がうさちゃんの可愛さをわかってくれたらいいなぁ。
      私の事思い出してくれてありがとう!
      2016/03/17
    • nejidonさん
      けいたんさん、お久しぶりです(^^♪
      昨年ブクログで本棚をリニューアルされてから、
      すっかり使いにくくなってしまい、遠ざかっていました。...
      けいたんさん、お久しぶりです(^^♪
      昨年ブクログで本棚をリニューアルされてから、
      すっかり使いにくくなってしまい、遠ざかっていました。
      また(四苦八苦しながら・笑)ゆるゆるとレビューを載せていきますので
      よろしくお願いします。

      小川洋子さんのこの作品、懐かしいです。
      ひとつひとつの編が印象的で、ラストで一気に繋がるのが素晴らしかったですね。
      悲しいけれど、美しい。素敵な一冊だと思います。
      2016/05/30
    • あいさん
      nejidonさんへ♪

      お久しぶりですね(^-^)/ コメント嬉しいです♪

      ブクログのリニューアルでは、皆さん戸惑われたみたいで...
      nejidonさんへ♪

      お久しぶりですね(^-^)/ コメント嬉しいです♪

      ブクログのリニューアルでは、皆さん戸惑われたみたいですよ。
      私は元々よくわかっていなくて、間違ったり失礼があったりするかもしれませんがよろしくお願いします。
      ブクログでお話できる人が少ないのでnejidonさんがレヴュー再開してくれて本当に嬉しいです♪
      月1冊絵本を読むことにしました。
      参考にさせてください。

      小川洋子さんいいですよね。
      悲しいけれど、美しい本当にそうですよね。
      不思議な心地よい世界でした。
      まだまだ読みたい本がたくさんあります。
      2016/05/30
  • 帰郷の際、買ってきた本。小川さんテイストが濃い、素敵な本だった。

  • 【蘇鉄の実に群がる紫のヤドカリ】

    たとえば、本に最初から挟まれている栞にハンプティ・ダンプティの一節が書いてあって、見つけたそのときは少し意識を向けてもすぐに忘れてしまうだろう。

    凄く明確に覚えていることがあるのに、輪郭があやふやで、現実に本当にあった事を証明できない事がある。

    死を認識できない人が居るように、生を認識していない人も居て、その人は酷く淡い色でそこに確かにいる。何をするでもない、思い出を水につけてふやかしている。

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著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小川洋子の作品

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