ギャングース・ファイル 家のない少年たち (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062931045

感想・レビュー・書評

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  • 憎むべき「悪」であった犯罪者と呼ばれる少年や青年たちの裏の姿…本当の姿?を知ることができた、ある種衝撃を受けた作品。
    生まれつきの悪なんて本来はいないのかもしれない。生まれた環境でその人の一生は左右される。その事実を突きつけられた気がした。
    決して犯罪は許されることではないけれど、社会問題を見る目が変わる。
    読んで知って終わりにしたくはない。

    登場人物たちからは、すごく、人間くささを感じた。

  • 漫画ギャングースの原案ルポ。
    ギャングースは途中からなんとなく読んでいたが、いろいろ思い出したし、補完されたことも多い。
    それにしても、取材対象となった少年たちの境遇の悲惨さ。舞台となった当時から20年近く経っても変わらないどころか酷くなっている。
    山本譲司さんの名前がここでも出てきた。「累犯障害者」読まねば。
    辻村深月さんの解説も良かった。

  • 非常に鮮烈に、ギャングのリアルを切り取っている。
    こういった一般人が知り得ないノンフィクションものだと、信じられるのは文体を通した作者の人格だ。
    しかるに、鈴木大介には自己顕示欲があまりないように見える。
    純粋に不良少年少女が気になり、その姿を活写している。
    だから、安心して俺はこの中身を楽しむ。

    アウトローと、そうでないわれわれ一般人はおそらく交われない。なるべくしてなったアウトローとは、共有できる価値観が極めて少ないからだ。そしてその価値観のズレは、時として暴力となって我が身を襲う。
    しかし、アウトローのビジネスもまた、われわれの世界と同じアタマと度胸の世界である。逃げ場はない、楽な人生はないのだ。

    ところで、文章はそううまくないが、「カラフルな人間たち」という表現は、刹那性と虚無感、暴力性を含んでいてとてもよい。

著者プロフィール

1973年千葉県生まれ。文筆業。子どもや女性、若者の貧困問題をテーマにした取材活動をし、代表作として『最貧困女子』(幻冬社新書)などのあるルポライターだったが、2015年、41歳のときに脳梗塞を発症し高次脳機能障害が残る。当事者としての自身を取材した闘病記『脳が壊れた』『脳は回復する』(ともに新潮新書)が話題に。他にも、夫婦での障害受容を描いた『されど愛しきお妻様』(講談社)『発達系女子とモラハラ男』(漫画いのうえさきこ。晶文社)、当事者視点からの実践的な援助ガイドを試みた『「脳コワさん」支援ガイド』(日本医学ジャーナリスト協会賞受賞。医学書院)、当事者と臨床心理士との対話を記録した『不自由な脳』(山口加代子氏との共著。金剛出版)などの著書がある。

「2021年 『壊れた脳と生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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