世界の果てのこどもたち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062939027

感想・レビュー・書評

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  • 最後は良い話に終わったけど、なかなか重たい話が続いて、読みながら辛かった。
    いまもウクライナなどの戦地では、こういう話が実際あるんじゃないかと思ってしまったな。

  • 「珠子、茉莉、美子――3人の少女は、戦時中の満州で出会った。何もかも違う3人は、とあることから確かな友情を築き上げる。やがて終戦が訪れ、3人はそれぞれの道を歩み始める。日本、中国で彼女たちはどう生きたのか。そして再び出会うことはあるのだろか――。2016年本屋大賞第3位」

    「作家はたくさんの証言や残された書物から、戦争をとらえ直し、物語の力で伝えようとしている。被害も加害も一人の人間の中にあり、国に翻弄されてもなお、自分の中に他者を持ち、強制することもできると。それが希望だと思う。」

  • 成長と共に描かれているが、序盤は幼い子供目線の為か戦争の描写も淡々と刺さる。

  • それぞれの場所で生まれ、
    それぞれの生き方をしてきた3人の少女の物語。

    読んでいてつらい場面もたくさんありましたが、
    今を生きる私たちだからこそ
    知っておかなければならないことも
    たくさんあると改めて感じました。
    私たちが生きている時代には、
    様々な人が築いてきた過去があるからこそ
    成り立っているということを忘れてはならないと
    感じました。

  • 戦争の話か…と少し敬遠していたけど、読んでみたら、子どもが大人になることを描いた小説で、その子どもたちが生きた時代が戦争の時代だった。
    幼い頃に、少しの時間を満州で共有した珠子と美子と茉莉。その時の「子ども」たちは、今の「子ども」たちと根本のところは何かが大きく違うわけでもなかったと思う。無邪気で、ただ遊ぶことが好きで、大人の作る時代の中であまりに無力だった。
    それでも、その後の大きな時代の流れの中で、それぞれが懸命に生きていこうとしていた。

  • 3人の女の子が第二次世界大戦末期を生きる話

    現在、起きている戦争や虐殺

    80年経っても、何も変わらなくて、嫌になる

    満洲引き揚げの話を、これだけ詳しく知ったのは初めてだった

    作者の「やったら、必ず、やりかえされる」という思いが至るところから伝わってきた

  • ー52

  • 珠子、茉莉、美子―。三人の出会いは、戦時中の満洲だった。生まれも境遇も何もかも違った三人が、戦争によって巡り会い、確かな友情を築き上げる。やがて終戦が訪れ、三人は日本と中国でそれぞれの道を歩む。時や場所を超えても変わらないものがある―。二〇一六年本屋大賞第三位の傑作。

  • 重く、冷たく、苦しく、辛い。

    「戦争に振り回された」、そんな言葉じゃ軽い。人々にとって戦いは戦争だけではなく、その後の混沌かつ激動な時代を如何に生き抜くかという点にあった。特に戦争で家族や故郷といった居場所を無くした子どもにとっては熾烈な課題であり、生きる力が弱い分悲惨だった。だけれども、そんな中でも友情の記憶は、彼女ら3人の子どもを支える朧けな道標となっていた。

    久々に重い話を読みました。読んでいて心がしんどかったですが、読んで良かったと思っています。

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著者プロフィール

徳島県に生まれ高知県で育つ。高校在学中に坊っちゃん文学賞を受賞。筑波大学で民俗学を学ぶ。創作、昔話を再話し語る。昔話集に『女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし』『ちゃあちゃんのむかしばなし』(産経児童出版文化賞JR賞)、絵本に「女の子の昔話えほん」シリーズ、『つるかめつるかめ』など。小説に『きみはいい子』(坪田譲治文学賞)『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』『神の島のこどもたち』などがある。

「2023年 『世界の女の子の昔話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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