昭和元禄落語心中(1) (KCx)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063805147

感想・レビュー・書評

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  • 八雲師匠とっても好き。全体的な雰囲気として、薄暗く、後暗いかんじが好みだった。時代が昭和っていうのもいい。落語心中ってそういう意味かあ…。「死神」「野ざらし」「居残り」、聞いてみたいな。

  • 刑務所出て真っ直ぐ八雲師匠に弟子入りした男の話。
    途中から師匠の若い頃の話になり、主人公は全然出てこない。

    知らない落語がたくさん出てきて面白いです。
    何がどう難しいのか、など解説もあるので分かりやすいです。技術的な解説は読まなくても話は分かるし。
    3巻まで読了。
    続きが気になります。

  • 弟子を取らない主義の大御所落語家・八雲師匠が刑務所上がりの与太郎をどういう訳かポンと弟子にしてしまういきなりさと言い、人間関係の裏事情が大雑把な所と言い、これからどう見せてくれるのかが気になりますなあ。ところで八雲師匠の艶っぽさは落語というか歌舞伎の女形のようで、そこはかとなくBL臭漂う気がするのは気のせい?

  • キャラクターが濃い。
    とにかく、それぞれがインパクトあり。
    古典文楽の類いは面白いと思っていたが、ちょっと
    『落語ってなんなの?』
    と気になるような作品。

    描写は綺麗。線も綺麗。
    色々なジレンマや衝突のある人々の、落語への想いやらしがらみやら
    そんなごちゃごちゃした所へ、トーン、とおバカさん(悪い意味ではなくて)が入った事で
    どう変わるのか、変わらないのか、気になる作品。

  • 刑務所から出所した青年が、かつて慰問に訪れた落語家に惚れ込み、その落語家の弟子になりたいと頼み込むところから物語ははじまる。作者はBL系の漫画を描いていた人らしく、確かに男同士の呼吸を描かせると、それは引き込まれるような上手さがある。


    この漫画は、落語の世界を描いているのだけれども、話の基本的な筋はシンデレラストーリーだと思う。大名人八雲に選ばれる人と、選ばれない人たち。そして、八雲自身もかつて選ばれなかった過去を抱えている。そういう、選ばれる選ばれないという関係と、落語という斜陽芸能に生きる男たちの姿が、「色香」を充満させて描かれているので、これが面白くないわけがないと思うのだ。


    あと、与太郎がバカなのがイイね!こういう話はバカが中心にいてこそ、面白味が出てくる。

  • 話題作とは聞いていたけど、ようやく3巻まで読んでみました。

    こ れ は キャ ラ で 読 め る な。

    もー与太郎がちょー可愛い。
    でっかい子ども可愛い。素直可愛い。
    みんなに愛される姿も見ててなごむ。

    おっしょさんがちょー素敵。
    今はやりの枯れ専?に目覚めそう。
    美しいおじさますぎる!
    姿勢がいいとか、「あたし」呼びとか、色気ある落語とか。

    絵は古めかしい感じだけど、お話も面白い。
    そして後半から主人公を喰うお師匠さん(笑)
    主人公はお師匠さんだったのか?と思うほど、
    ずーっとお師匠さんの話。
    でもまたそれが苦しくていい。
    若いころもかっこいい。

    発売遅そうだけど続きが楽しみ。

  • 満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎。娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。昭和最後の大名人・八雲がムショで演った「死神」が 忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに…!?昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け!!


    @レビュー ネタバレなし@@
    皮肉屋でどこか腹黒い魅力のあるおじさま・八雲師匠と、可愛い大型わんこ系弟子・与太郎、ちょっとひねくれた芯の強いアネさん・小夏などなど、個性的な登場人物が目白押しな昭和元禄落語心中。

    私は上方落語だったものの落研にいたので、おお!ちゃんと"落語"だ!と思うところが多々あって興味深かったです。師匠の話し方がちゃんと江戸噺家さんのしゃべりだったり、江戸しゃべりらしく"ひ"の発音が"し"だったり、それぞれ着ている人の個性が感じられる着物だったり、色んなところに着眼して見てみるとおもしろい作品でもあります。

    登場人物たちがそれぞれが色んな過去や悩みを抱え、落語をするときに通じてそれを昇華していくその片鱗が見えた1巻目でした。

    絵も線が細くて可愛らしさとかっこよさがあいまった絵で、八雲師匠が落語をやるシーンではなんとも艷っぽくてすごくよかった!デフォルメ顔も可愛いです!

    そして、なにより、考えさせられることも多い漫画で「人だけじゃなくて、風景とかもだんだん無くなっていって、落語にでてくる吉原や長屋も知らないひとが出てくるようになる」っていう八雲師匠の台詞をみて、確かになぁと思いました。

    過去に、自分が落語をする際にわからない言葉や名前が出てきて調べたりしたことがありました。「なにこの言葉?知らない」と。そう思うと、時が経つにつれて昔から親しまれていたものもどんどん廃れていってしまうんだなぁと悲しくなりました。

    落語もいつか廃れてしまうのか。そんな危惧は作中の八雲師匠や萬月さんだけでなく、落語を愛する人ならば誰しもが感じているのではないかと思います。演じる側にも状況やニンが変わったことなどを伝えるだけの力量が必要です。また、見る側にも想像力や知識は必要不可欠で、それが豊かであればあるほど笑うことができ、落語を楽しむことができる。その両方があってこそ成立する落語は高尚な笑いだと思います。そんな、昔から続く素晴らしい伝統の笑いが、この先何年経っても愛され続けることを願ってこの漫画をおすすめます。

    こういった漫画などからそういったものに興味をもって接してくれるような人が増えるといいなぁと心から思います。

    巻末には寄席の楽しみ方のコラムもあります!ぜひ、これを読んでから実際の寄席に足を運んでみてはいかがでしょうか?^^

  • 粋で鯔背に活きを担げ。
    言葉尻だけ捉えりゃ上々、情状孕んで義理人情。
    これにて幕開け、幕引きゃ後日

    言葉と絵柄で魅せる落語。
    楽な娯ではない優美な言葉遊びに惚れ惚れ。

  • ・落語にわかmyブームに伴い、友達からもらった本。
    ・助六と八雲が(ルックス的に)坂本龍馬と高杉晋作に見えてしまうのは、
    私だけ・・?
    ・作者の愛がある漫画はいいなあ。

  • 素晴らしい、のひと言。

    出所した与太郎が弟子入り志願でむかった先は昭和最後の名人、有楽亭八雲のもと。
    弟子をとらない主義の八雲だかなぜかすんなり与太郎を受け入れる。
    早逝の名人助六の忘れ形見、小夏も絡めた三人の人間模様を描いた第一巻。

    三浦しをん『船を編む』の表紙挿画の人かな。

    いったいどこにこの才能が埋もれていたのか。見出した者を賞賛すべきか、見出せなかった者を嘲笑すべきか。

    すべからく評価されている現状を見るにつけ、まだまだこの国も捨てたものじゃないと思う今日この頃。

    85点(100点満点)

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著者プロフィール

漫画家。2008年、短編『窓辺の君』でデビュー。2010年より初の長期連載『昭和元禄落語心中』を「ITAN」(講談社)にて執筆開始。2014年第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第38回講談社漫画賞・一般部門を受賞。2017年手塚治虫文化賞の新生賞を受賞。同作完結後は三浦しをん原作の『舟を編む』をコミカライズ連載中。そのほかBL作品を多数発表。

「2017年 『落語の入り口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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