- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065226759
作品紹介・あらすじ
1年生のときからずーっと通知表に「できる」とだけ書かれてフツーなことにコンプレックスを感じている朝陽(あさひ)も、「よくできる」がいっぱいの優等生の叶希(とき)も、体育以外は「もうすこし」ばっかりの大河(たいが)も、みーんな心の中では思っている。
「通知表なんて、ただの紙切れじゃん。あんなので、ぼくらの何がわかるの?」
「通知表があるから、よけいにやる気がなくなるんだ」
「あたしだって、通知表なんて、いらない!」
たしかに、そうだ。思えば通知表って何であるんだろ? あれを見たって、どこをどう直せば成績が上がるのかなんてわからないじゃないか!
そういえば朝陽のお父さんが言っていた。会社では、部下が上司の成績をつけることがあるんだって。
「ねえ、先生の通知表をつけようよ」
朝陽の一言から、クラス一丸となって担任のハシケン先生の通知表作りが始まった。でも、人に成績をつけるって、こんなに難しいことだったのか!?
感想・レビュー・書評
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通知表がずーっとできるだけの朝陽。
体育以外まるでダメな大河。
なんでもできる成績優秀な叶希。
一見なんの共通点もないこの3人だが、ある共通点がある。それは、通知表が嫌いということ。
そんな3人はあることを思いつく。
それは…先生に通知表をつけるということ。
おかしいように思えるが、朝陽の父の会社では、部下が上司に成績をつけるらしい。
それなら生徒が先生に通知表をつけるたっていいじゃないかということで、先生の通知表作りを開始するが…。
面白かったです。
通知表をつけるのは意外と難しんだなと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
令和6年光村4年下の巻末この本読もうに掲載される本なので、読んでみました。
主人公は一年からずっと「できる」(ふつう)の評価しかない、真ん中の四年宮永朝陽。担任は橋本健太(ハシケン)先生。朝陽が通知表のことを考えはじめ、友達や何人かで先生の通知表をつけようと考えたり、そもそも評価って何だろう?と悩んでいたら賢い姉から絶対評価と相対評価を教えてもらったりします。途中まではわりと予想通りな展開ですが、最後にいよいよ通知表の発表のあたりは、色々考えさせられたり、大人目線だからかもしれないけど、かなり共感して、心動かされました。
工藤純子さん、恋する和パティシエール位しか読んでない。ぐるぐるの図書室なども読まねば。 -
朝陽の通知表は1年生から4年生2学期まで、ずっと真ん中の「できる」に丸がついていて、「それって「ふつうの人間です」という証明みたい」と感じている。それぞれ通知表について思うところのある友達と話すうちに、担任のハシケン先生にも通知表をつけようと思い立つ。
通知表の意味、人が人を評価する事について考える。学級会での話し合いの様子、先生の評論の項目もいい。読後感は爽やか。 -
子供と読みました。
物語としてはまずまずですが、教員の資質や通知表について考えさせられるお話でした。これを読めば、通知表に一喜一憂してしまうお子さんや親御さんは減るのではないでしょうか。
通知表を嫌がる子供たちが、「先生の通知表をつけよう」ということになり(ちょっと無理矢理な展開)、通知表について考え、先生を観察し、評価する。でも、その評価では自分たちの考えが伝わらない、と評価の理由も伝えた上で先生に通知表を渡します。その先生がとてもいい先生で。
いい先生と出会えるかどうかって、子供にとってはとても大事。でも、いい先生でも、悪い先生でも、公立学校の教員は公務員だから年功序列で報酬は決まってるんですよね…。 -
成績、全部普通。何も長けていることがないと言われているようでいや。という主人公。
成績表の見方は子どもにも大人にも、ごほうびや叱責の基準として扱われることが多いけど、変化してきている基準の仕組みや「評価すること」の難しさ、相手を見る観点など、本人の気づきや周りを巻き込むことで見えてくるものがある様子が興味を惹いた。 -
通知表ってなんであるの?そんな疑問から先生の通知表をつけることになった朝陽たち。人を評価するってなかなか難しい。
「よくできる」も「もう少し」もなくて、「できる」だけの通知表は、ふつうであることの証明みたい。なるほど、確かにと思った。お姉ちゃんの、あるものを変えたり始めたものを終わらせるのは難しいっていうのすごくわかる。だからみんなそのままなんとなく続けてる。生きてるとそういうものにたくさん出会う気がする。
先生へ通知表をわたすときはグッときた。おもしろかった! -
2024.03.29
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通知表っていったい誰のためのもの?なんのためにあるの?貰って嬉しいのは誰?
なんてことから先生にも通知表を付けよう、と考え始めて、クラス全員で担任の先生の通知表を作ることになった朝陽達。
そう言われれば通知表って何?って考えさせられた。
未来へ繋がる評価でなくてはならないはずのものなのに、本当にその機能を果たしているだろうか?
数字で表せない評価は個人的な感情が混ざり込んで来ないものなんだろうか?なんて色々考えさせられた。
子ども達にも読んでほしいけど、通知表をつける先生達にも読んでほしいなあ。 -
通知表の判断の仕方は先生によって違うということにはたしかにーと思った。話の内容もよかった。でも生徒が先生に言い過ぎなのではないかと思った。
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成績表の評価、ホントによくわからないよね。なのに、受け取る本人も親もあれで一喜一憂させられる。あの結果は、その本人のごくわずかな部分の、他人が思っている評価でしかないんだと、親になってはじめて気がついたから、この本には共感しかなかった。
この本のテーマは、とても具体的で、鋭いところをついている。