成長から成熟へ ――さよなら経済大国 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207132

感想・レビュー・書評

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  • レビュー省略

  • 天野祐吉さんという人は広告業界の中心にいた人、という程度の認識しかなかったので、大量生産&大量消費の先導者かと勝手に想像していたのだが、その実は正反対で自らの未明を恥じた。
    味のある文体で大量消費社会に対する違和感を独特の視点で見つめ、昭和の時代の消費者意識や空気なども妙に実感を伴って伝わってくる。メーカー勤務の立場から言えば著者の主張に全面的に賛成するものではないが、エッセイとしては良質だ。

  • 2015.03.08 僕が広告会社にあこがれた学生時代、そして入社したてのころ、天野さんの広告批評は全盛だった。真っ黒になるほど読んだ号もたびたびあった。バイブルだった。2013年、天野さんは逝った。あのころと比べると広告はすっかり陰を潜めてしまったが、僕は何とかこの世界で生きている。こころより感謝したい。

  • やや老害感のある言説だが、過去どのように日本が動いてきたかを知るには非常によいと思った。ぎらぎらを極めた大人が語る、てめーがいうな、感満載の脱成長論。

  • もの売りのために作成される広告を扱う人が至る結論が脱消費社会。
    我々は貧乏ヒマあり国を目指せるのだろうか?

    脱成長を謳うフランスの経済学者の弁 「今の消費社会は、成長経済によって支えられているが、その成長は人間のニーズを満たすための成長ではなく、成長を止めないための成長だ」

  • [ 内容 ]
    六〇年にわたり広告の最前線に立ち会った著者が語るその内幕と功罪。
    そして成長至上主義が限界を迎えたいま、経済力や軍事力のモノサシで測れない成熟した社会のために広告ができることを提言する。

    [ 目次 ]
    プロローグ 世界は歪んでいる
    第1章 計画的廃品化のうらおもて(電球の寿命は一〇〇〇時間?;それはヘンリー・フォードから始まった ほか)
    第2章 差異化のいきつく果てに(アメリカ・アメリカ・アメリカ!;人生は広告を模倣する? ほか)
    第3章 生活大国ってどこですか(「広告批評」の創刊;広告を広告する ほか)
    エピローグ 新しい時代への旅(くたばれ中央集権;広告はどうなる ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 天野祐吉さん。
    大好きなコラムニストでした。
    「広告という窓から世の中をのぞいてきた
     ぼくの私的な日記みたいなものです」
    ということだったので、読ませてもらいました。
    「成長から成熟へ」、これを自分自身と、
    自分の環境に取り入れていきたいと思ったのが、
    読後の感想です。

  • この有限な惑星で成長がいつまでも続くと信じているのは、単なる馬鹿と似非エコノミスト。十数年に及ぶ高度成長を経て、日本は既に十分豊かな社会になっていると著者は訴える。従来の産業主義の延長線上に経済成長を遂げるためには、それに見合った需要がなければならない。無論そんなものはどこにもない。カンフル剤的公共事業と外需に依存する経済発展構造は、資産バブルを起こし破綻の後は暗く長い停滞を齎すだけであった。重度成長病の彼奴らへのコピーが秀逸。「500ワットの電球から100ワットのLED電球への転換」。ん~うまい。

  • 広告という視点から、戦後~現代までの人と社会の変化が描かれています。物を買わせるための広告についての考察や、政策と広告の関係など、興味深かった。
    今後のあり方として、ビンボー暇あり社会、という表現はなかなかよいと思った。

  • 取りこぼしてきた広告の変貌を、ひとりの人生から頂戴するような一冊。
    別品か。確かにいいな。

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著者プロフィール

天野祐吉(あまの・ゆうきち)
コラムニスト。1933年東京生まれ。1979年に「広告批評」を創刊。2009年同誌終刊後、「天野祐吉作業室」を設立。主な著書に『広告論講義』(岩波書店)、『広告五千年史』(新潮選書)、共著に『広告も変わったねぇ。』(インプレスジャパン)、『可士和式』(天野祐吉作業室)など。

「2012年 『クリエイターズ・トーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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