荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)

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  • 集英社
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感想 : 241
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207804

感想・レビュー・書評

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  • 『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な
    荒木飛呂彦さんの『漫画の描き方』暴露本です。
     
    以前の『山岸洋一先生の脳診断』を受けた際に
    小説を書く際に参考にしてみては?
    ということでおすすめいただいたものです。
     
     
    小説を書いていて自分自身
    『キャラクタづくりが下手』
    と思っています。
     
    しかし、この本に載っている
    荒木飛呂彦さんの方法を使えば
    おもしろいキャラクタを作れるかも
    という気になってきています。
     
    『キャラクタ作り』のコツ以外にも
     
    ・導入部分の描き方
    ・ストーリーの作り方
    ・『世界観』や『テーマ』の重要性について
    ・効果的な『アイディアノート・メモ』のまとめ方
     
    等々、漫画ではなく小説を書く際にも
    参考になることが満載です。
     
    『執筆』をされる方は
    ぜひ一度読んでみてください。

  • ジョジョの奇妙な冒険シリーズをいまさらになって読み、熱くのめりこんでしまった勢いでぽちりと押しました。

    しかし、荒木せんせの暴露してくださった企業秘密は、とてもとても当たり前の事ばかり! いや、漫画を描く上でのひとつの方法というか、荒木せんせの選んだ道筋であって、蜘蛛を描くために蜘蛛をバラして体液を味わう、とか画期的な漫画の描き方が載っているというわけではないのです!!

    荒木せんせは「地図」と本書を表しました。なるほど、山で遭難しないための地図。言い得て妙です。
    ただ、きっとこの地図よりもいいルートを開拓する人もいれば、あえて山道を進んだほうがきっと早いに違いない! と考える人もいる。実際に「地図」通りに進んでいこうとする人が、登山よりも漫画ではあまりいないのかもしれない。

    でも、普通に考えてど素人が適当に「あっちの道の方がいい気がするの~」と山道突き進んだって、遭難する可能性が高いのは一目瞭然。
    なるべく遭難しないために、「どう考え、実践し、軌道修正を繰り返したか」をこの本で学ぶべきなのではないかと感じるのです。

    なんだか高尚なビジネス書みたいになってきましたが……漫画もある意味ビジネスにちがいない、だって「企業秘密」だし!!

    そう、ビジネスの本質(?)「ひとを楽しませて対価を得て、自分もなにかで楽しみ対価を払い、循環させる」ということに気付かせてくれたのです!!

    ……本題がずれていきそうですが、まあ、それだけ漫画を描く上で役立ちそうなことも載っているし、ほかにも効きそうな考え方や面白い観点が学べる良書ってことなんです!

    ぜひ、荒木せんせを知らない方も読んで見てください!

  • 荒木先生のファンや少年漫画家を志す人だけじゃなく、娯楽作品を作る人見る人すべてにオススメしたい本。

    アイディアの組み立て方から作画まで、多くの内容がコンパクトにまとめられていて面白い。
    ご本人が実感して身につけたことが書いてあるので、そのまま役に立つのはもちろん、既存の作品や世に出た自分の作品を見て、どこが読者をつかんでどこが足りなかったのか、見抜ける能力も才能であり大事なんだろうなというのがわかります。

    ここで書かれてる「王道」は基本的には少年漫画のセオリーだけど、プラスにプラスを重ね続けるという物語のあり方は娯楽作品に共通するんじゃないだろうか。途中で停滞したりプラスマイナスゼロの話って、確かに面白くするのは極めて難しそう。

    キャラクターが死ぬところは書きながら泣いてしまうこともあるとか、編集者や読者の感情と真摯に向き合っているところとか、この方の人柄が作品にも表れているんだと感じます。

    とにかく、すごく面白かったッ!

  • 王道漫画の描き方解説。
    考え方から実践法までわかりやすく読みやすい。
    なぜこれがおもしろいのか、世間では人気なのかなど、成程と思うところがたくさんあった。

    個人的には先生のネームが衝撃的でした…笑。

  • 漫画家を目指す(かもしれない)読者に向けての心構えを説いた本。予想以上にしっかりした内容で、漫画家に限らず普通の仕事についても十分に通用する「術」(テクニック)が紹介してある。

    いくら作り手が苦労した作品であっても、読まれなければ話にならず、そのためには編集者の目に止まる工夫が必要。ではヒット作に共通する要素は何か...という分析や、漫画家として生計を立てるための収支計算、長期連載のためのペース配分といったシビアな計算と、手書きのライブ感や、キャラクタへの愛着、満足のいく作品ができたときの高揚感といった情熱がほどよいバランスで語られており、「天職」に就けた人の喜びが感じられる。

    著者自身の作品についての自信を感じるが、傲慢な印象を受けないのは、編集をはじめとするいろいろな人や「漫画の神様」に対する感謝の姿勢が根底にあるからだと思う。

    「どこかにいるかもしれないこの本を必要とする誰か」に向けての指南書。
    同じものを作るための「マニュアル」ではなく、自分の立ち位置や目的地を知るための「地図」。

    面白かった。

  • 「ジョジョの奇妙な冒険」の作者が明かす漫画の描き方ハウツー本。
    大変、面白く読みました。
    漫画だけでなく、あらゆる創作に役立つノウハウが盛りだくさん。
    漫画の基本四大構造は「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」なのだそうです。
    これは漫画に限った話ではなく、映画や演劇、エンターテインメント小説などでも同じではないでしょうか。
    プレス絵と言葉が入って漫画が成り立ちます。
    荒木先生が「漫画は最強の『総合芸術』」と呼ぶ所以です。
    第3章「キャラクターの作り方」で実物が紹介されている「身上調査書」は、創作に携わる人には大いに役立つものと思われます。
    姓名、年齢、性別といった基本事項はもとより、性格、趣味、特技、将来の夢、さらには視力・色力、手術経験なんて項目もあり、いかに荒木先生が徹底してキャラクターを作り込んでいるかが分かります。
    少年漫画の物語は基本的に起承転結で話が展開します。
    それともうひとつ大事な「鉄則」があるそうです。
    それは「主人公は常にプラス」ということ。
    つまり、主人公は困難に直面しても、それを打破して常に成長していく存在でなければいけないのです。
    これが「ヒットするための絶対条件」なのだとか。
    私はレビューの冒頭で「あらゆる創作に役立つ」と書きましたが、たとえば純文学なんかは救いのない話が多く、「主人公は常にプラス」は当てはまりません。
    これは漫画(特に少年漫画)に特有の原則といえるかもしれません。
    それにしても、こんなに惜しげもなく「企業秘密」を明かしちゃっていいのでしょうか。
    読者にとっては実に贅沢な本です。

  • 本当に漫画家のために描かれた漫画家の本。
    一般人が読んでも十分おもしろい。
    ポイントは、荒木飛呂彦のストイックさであり、その姿勢こそが人間賛歌だというところ。研究しつくし、発展を重ねる天才。この生き方が人間としての到達点でもあると思える。
    この人の生き方こそが人生の「王道」なんだろう。

  • 奇抜なストーリーや世界観と思われがちだけど本当に漫画の王道を歩んでるんだなと思った。普通にためになると思う

  • 荒木飛呂彦が描いた実際の原稿や
    ネームを見ながら本人の解説が読める、
    というのがこの本の醍醐味。

    このコマはこんな効果を狙った、など
    ははぁ、と思うところが色々。

    全体を通しては、
    漫画家としての基本を書いている感じ。
    漫画家ってやっぱりここまでのことを
    してるんだなーすごいなー、と思う。

  • 帯にあるように、著者の漫画家としての経験や学びから得た、響く漫画を描くための「王道」を指南する書。マニュアルでなく、迷わず進むための地図として。

    1:読んでもらえる導入の描き方(5W1H、予告)
    2:漫画の基本四大構造
      ①キャラクター(人間の基本的な欲望が動機)
      ②ストーリー(起承転結、つねにプラスへ)
      ③世界観(読者は世界観にひたりたい)
      ④テーマ(テーマは作者の人生哲学)
    3:基本四大構造をむすぶ「絵」
      リアル化とシンボル化

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