荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207804

感想・レビュー・書評

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  • 荒木先生が、漫画界の後進のために、持てる漫画創作の技術を解説してくれます。

    特筆すべきは、解説の仕方が非常に具体的なところです。キャラクターを作るための身上調査書を開示したり、世界観を作るためのサンプルを列挙するなど、天才の思考の一端を垣間見ることができます。

    素晴らしい内容なのですが、記載内容に一点だけ明らかな誤りを発見しました。
    『ジョジョリオン』で「初めて女性のおっぱいも描いています」とありますが、実際は『ゴージャス☆アイリン』で既に描いています。

  • 創作をするという視点で読むと、凄く良本でした。
    個人的に参考になった点は以下のところ。

    ・主人公に読者が感情移入できるように書く(どういう目的を持ってストーリーの中にいるのかを序盤で読者に伝える)
    ・主人公の動機は読者の共感や興味を得るものにする
    ・キャラの身上調査書は大事
    ・キャラクターと設定がきちんとできていれば、キャラは勝手に動く
    ・説明してはいけない。表現する
    ・読者が本を読む最大の動機は「その著者が書く世界観に浸りたい」=世界観の作り込みが大事(細かいところまでリサーチする。実際に自分が体験するのが良い。手抜き禁物)
    ・良い作品を読んだ時は「なぜ良かったのか」を考えるクセをつける
    ・取材やインプットをする為にも、〆切を守ったり一定のリズムで書き続けることが大切
    ・一度書いたものは忘れる
    ・「自分はこれを書くんだ」というテーマをきちんと心に決める
    ・「売れるテーマ」から考えるのは間違い
    ・自分が「これだ」と思うテーマならどんな「テーマ」であっても、作者自身の心を打つ「キャラクター」や「ストーリー」にのせていけば、絶対に面白い作品となって読者に受け入れられる。

    自分の創作に活かしたいと思います。

  • 荒木飛呂彦が漫画を描くときにに何を考え、どのように描いているのか、本人が詳細に語っている書籍。

    ほかの漫画や創作物をかなり細かく分析して、その分析を自分の漫画に落とし込んできたことがよくわかる。
    また自分の漫画におけるルールがしっかり定まっていて、だからこそ荒木作品は安心して読めるのだと感じた。
    何十年もトップを走り続けている作家であっても、いまだに悩んで分析を続けながら創作しているということが知れてよかった。

  • 2022.5.27 読了
    ジョジョのような天才的な視点を持った漫画の作者でさえ緻密にストーリーとキャラクターを構成していることを痛感した。
    背後にあるのは徹底的な漫画コンテンツの分析であり、試行錯誤を行う姿勢であり、純粋な漫画への興味である。

  • 「グノーシア」と言うSFの世界観に人狼のシステムを絶妙に落とし込んだゲームがある。
    その開発者の1人が参考になったと言っていたのがこの本。
    自分自身「ジョジョ」が大好きで何度も読んだので即購入、即読了。

    漫画術、とは書いてあるものの、全てのエンタメ作品に当てはめられる「王道の面白さ」について、ジャンプ漫画だけじゃなく、孤独のグルメやテルマエ・ロマエ等の動画作品も沢山具体例として登場させつつ解説している。

    数多ある漫画の中でも群を抜いた唯一性、オリジナリティを持つジョジョシリーズがどんな狙いの元描かれているのかが分かる。

    エンタメ作品を楽しむための新しい視点をインプットしてくれる本だと思う。
    加えて、面白いものを見出すための思考も得られる。
    アニメでも、映画でも、エンタメ作品を愛する人なら一読の価値がある本。

  • 以前コミティアで担当さんについてもらって一本ネームを描いたことがあります。まぁ当たり前に箸にも棒にもかからなかったのですが、この時に漫画家の凄さの片鱗を感じました。書いてあることは至極王道ですが、それを実践できる人は本当にすごいです。荒木さんの真面目さと努力が伺える本です。推しは4部。

  • 漫画を描きたい人に向けた本でした。
    迷ったときに戻ってこられる地図。
    いろいろな大事な要素が詰まって漫画ができるんだなぁと知ることができた。
    好きな漫画を違った視点からもう一度読み直してみたいと思った。
    荒木先生のまだ先へ先へ進もうという思いもみられて、これからもますます荒木先生の漫画が楽しみになりました。

  • ジョジョを見てみようと思った

  • 2019年10月8日読了。荒木飛呂彦が「漫画の王道」を説く本。当方長年のジョジョファンだが自分で漫画を書きはしないが、この本は非常に興味深く読んだ。以前小説家の友人が「本物は出し惜しみをしない」と言っていたがその定義でいうと荒木氏はまさに本物、漫画の4要素やデッサンのポイントや自分が心がけている「編集者にウンと言わせる」工夫など惜しげもなく披露していると感じる。多分彼の仕事場に「漫画を教えてくださいッ!」と飛び込んだら(仕事がなければ)一日中漫画の書き方を教えてくれるんじゃないかな…?彼が自分の漫画を「異作ではなく王道」というのは面白いが、他の漫画にない要素・特徴を持つことが王道、と考えればまさに王道ど真ん中の作品、と言えるのか。

  • 常にストーリーはプラスプラスでいかなくちゃいけないとか、戦いにおいて安易に力が覚醒したり誰かが助けに来たりしてはいけないとか、かなり心に刺さることが書いてあった。何より実例が豊富なので分かりやすい。文章自体が読みやすいのはそもそも作者さんが文章がうまいからなのかな。

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