- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087452587
感想・レビュー・書評
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〜結婚と家族の問題に向き合う二人の出した答えは〜
寂れた津雲神社商店街に住んでいる明里と、時計職人の秀司の周りに起こる、少し不思議なストーリー「思い出のとき修理します」シリーズ第三弾。
今作では、結婚を考える上で誰もが向き合う、結婚と家族の問題が起こります。
家族に対する価値観がズレることで苦しみ、想いがすれ違う、商店街を訪れる人たち。
そんな人たちの悩みに接しながら自身の、家族との向き合い方を考えた二人は、また一つ階段を上がっていきます。
同じ悩みを持つ人には、苦しみを解きほぐしてくれるきっかけの一冊になるかもしれませんね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆっくりと進む時が
一方で時間を引き戻しながら流れていく。
嫌な部分も含めて今の自分を作り上げている。
だからこそ人は一緒にいることができる。 -
恋愛もおりまぜつつ、人とのかかわりが感じられて、人間関係っていろいろと大変だよねと思う。
結婚って二人だけじゃないもんね~。わかるわかる。しかし、骨董屋の娘さんちょいとびっくりですね。 -
シリーズ第3弾。今回も秀司のもとへ持ち込まれた時計にまつわる4つのお話。
友達、父娘、恋人、姉弟。時計を修理することで、すれ違い、かけ違えてしまった過去を修復し、再び時を刻み始める。どれもラストはほろ苦い感じ。過ぎてしまった時間を取り戻すことはできないけれど、立ち戻って新しい未来を作っていくことはできる。
そして今回は明里に恋敵が出現し、明里自身の実父の存在も明らかに。ひとり悶々と悩む明里がもどかしくもあるけれど、少しずつ前に進んでいく2人の関係が微笑ましくもある。 -
読んでいるとほっとできる作品です。時計の豆知識が増えました。これからも続くみたいなので楽しみにしています。
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ここのところ著者の新作を3本まとめて読んだ。読むほうも大変だったけど、書くほうも大変だっただろうな・・・。
著者の「伯爵と妖精」シリーズが好きで、その延長線で大人向けに書かれた本も読んでいる。特に素直にラブラブなふたりが主人公のこのシリーズは好き。
大人向けに書かれた本でも特に違和感なく読めているのは、恋人同士の距離感のつめ方、の描き方が自然だからかも。 -
穏やかに交際を続ける明里と秀司。ある日「秀司の時計店を女が手伝っている」と教えられた明里は、店で骨董店の娘・郁実と出会う。東京での仕事を辞めて帰ってきたという彼女は、商店街のお祭り準備で秀司が不在がちの今だけ、店番をしているのだという。自分と境遇の似た彼女に共感を覚えつつも、秀司との関係に少しだけ不安を感じて…。切なく温かく、心を癒やす連作短編集、シリーズ第3弾。
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【最終レビュー】
予約著書・1ヶ月弱待ち。図書館貸出。シリーズ・第3弾。
今日、読み終わりました。
まずは、今までのシリーズの著書以上に
『一段、ハードルが高かった』です。
昔ながらの趣ある時計の数々(鳩時計・懐中時計等)を手にし、さ迷いながら、時計屋を訪れる
『様々な形での「複雑な人間関係(家族間・恋人)」』
を抱えこんだ、老若男女達のエピソードを通じ
小さな「一歩」となるまでの「時計と共に淡く流れる時間」の中
登場人物それぞれが、どう自分と対峙しつつ
《自分と見つめ合う作業》をしていくことの《意味合い》
を描いています。
スッキリしたハッピーエンドではなく
『不思議に、自然と、さらり描かれていく心地よさ』
『一人一人それぞれの「痛いぐらいのありったけの想い」』
より丁寧に、抱えている心理を捉えつつ描くことで、内容そのものの〈深み〉が、更に加わっていました。
ふと、自分に置き換えつつ、所々で、自分の中で当てはまってるなといった内容も書かれてたりと。
この著書からも
自分の背中を、そっと『押されてる』かのように。
今、こうしてレビューを書きつつ、そう、率直に感じながら… -
二人の関係性がゆっくりでも前に進んでいくのが見ていて幸せな気持ちになるし、応援したくなった。
今回も時計にまつわる人間模様がとても温かくて、ほっこりできる。
2015.2.3