短編少女 (集英社文庫)

  • 集英社
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本棚登録 : 636
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087455731

作品紹介・あらすじ

人気作家が「少女」をキーワードに紡いだ短編9本を収録したアンソロジー。少女の微妙な心情や確かな成長が感じられることはもちろん、各作家の個性も楽しむことができる贅沢な1冊。(解説/大森望)

感想・レビュー・書評

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  • 人気作家陣が「少女」をキーワードに紡いだ短編作品9編。
    「少女」集もなかなかの作家陣。
    三浦しをん「てっぺん信号」
    これは、等身大女子高生。元気な高齢者に元気をもらう。
    荻原浩「空は今日のスカイ」
    家庭に不満を持つ小3少女と8歳男子。二人の一晩の家出。気持ちは、大人に伝わらない。
    道尾秀介「やさしい風の道」
    道尾さんっぽい。少年が生まれる前に亡くなった姉と、引越した生まれた家への旅。
    中島京子「モーガン」
    中高一貫女子達のちょこっと百合。
    中田永一「宗像くんと万年筆」
    メアリースーからですね。友人の万年筆を盗んだ疑いをかけられた小学生女子。彼女を救う宗像くん。
    加藤千恵「haircut17」
    中途半端な17歳。髪と共に優柔不断から脱却しようね。さすが歌人。切り取り方が上手い。
    橋本紡「薄荷」
    中学時代の天才で天然な少年への想いと今の幸せ。
    薄荷(ハッカ)が、青春を凝縮した感じが良い。
    島本理生「きよしこの夜」
    これも少年の方が印象に残ってしまう。
    村山由佳「イエスタデイズ」
    日々仕事に真摯に生きる女性。恋も仕事も思うようにはいかない。なんとアパートの隣の部屋に、子供の頃懐いていた年下の男子が越してきていた。
    たまたま隣に住むんかーい。

    どれも、ちょこっと胸が苦しくなるように良さがあるんだけど、男子達の方が印象に残ってしまう作品が多かったかな。

    • おびのりさん
      まだ借りてないけど、学校まで登録すると、可愛いよね。どう?
      まだ借りてないけど、学校まで登録すると、可愛いよね。どう?
      2023/11/22
    • おびのりさん
      これは、短編学校から登録するとよかったんだね。
      まあ、いいか。
      これは、短編学校から登録するとよかったんだね。
      まあ、いいか。
      2023/11/22
    • みんみんさん
      2人が立つ丘のもっと先に学校?かな…
      いいねぇ〜♪
      2人が立つ丘のもっと先に学校?かな…
      いいねぇ〜♪
      2023/11/22
  • GW休暇って法事で帰省していることが多いけど、今年のようにそれがなかったら結構ゆったり過ぎていくな。
    出掛けてもお金が減るばかりなので、良い天気にもかかわらず、家で寝そべって本読みに精出せば、サクサクと頁は進んでいく。
    さて、この本は“少女”をテーマにした短編集。なかなか興味深い執筆陣に惹かれて買ってみた。
    ともすれば短いお話=薄味になってしまいがちのところ、この本にはそこで終わらない余韻というか後日譚を想起させるようなお話ばかりで、短編集の割にはなかなか良かった。
    好みとしては中田永一、村山由佳だが、道尾秀介、中島京子、私の苦手な三浦しをんも捨てがたく。

  • 読んでいて、懐かしい気持ちになる作品が多く、読みやすかった。暗い描写ではないが、「死」が絡んだ話が多かった。特に印象的なのは

    モーガン
    最初と、全く同じ文章が、最後に現れて、え?と思いながら読み進めたら、思いもよらない展開だった。便宜上一緒に居るだけだと思っていた友達は、本当の友達だった。モーガンの死がそうさせたのか。

    薄荷
    ナラオカジという男の子に惹かれてしまいました!中学校ではとても成績が良く、だからこそ、高校には行かずに、予備校に通って大検を早々にとってしまい、バイトをしている。そのような進路を決めた彼、とてもかっこいい!と思いました。

  • 読んでみて思った。「短編少女」と言いつつ、7割方は「短編少年」である。オトコだけで物語を完結させることはできても、オンナだけで物語を作るは難しいのか。

  • 図書館で。
    初っ端の「元気な訳あるかー!」には笑わせてもらいました。
    空はスカイ、は終わりが大分不穏。というか子供視点の軽い話かと思ったら結構不穏な話だったな、そういえば。
    モーガンは、モーガン・フリーマンだったとは。そういうオチにしなくても…とちょっと切ない感じ。

    少女も色々大変そうだなぁ、うん。変な感想(笑)

  • こういうのに描かれるリアル男子って全然魅力的に感じない。女の子も誰も魅力的とは思わない。それなのに恋愛が成立してる不思議。作者は魅力的かどうかを意識して書いてるのかなといつも思う。そこかリアルなのだろうとは思うけど誰も応援したくならないというか。少女たちのリアルな感情(劣等感、嫉妬、焦り、自意識過剰)を描いた作品。読むと苦しくなる感じ。全体的に、恋愛絡みの焦燥感や劣等感に悩む少女らが一歩前進する、……かもしれない、……したいとは思ってる、みたいな読み手にその後を想像させる結末。全体的に不完全燃焼な感じ。

    三浦しおん/てっぺん信号
    中田永一/宗像くんと万年筆事件
    加藤千恵/ヘアーカット17
    橋本紡/薄荷
    島本理生/きよしこの夜
    村山由佳/イエスタデイズ


    あの日、君とgirls。いつか、君へgirls。の再編。あの日、君とboys。いつか、君へboys。もある。道尾さんの以前読んだ本が不気味で苦手だったので読み飛ばしてしまったけれど、鏡の話、という連作短編集からの一編だそう。それとは別に中田さんらのヘアリー•スーを殺して、というアンソロジー(!)がすごく気になる。今度読もう。

  • 2018/5 13冊目(通算84冊目)色々な作家の方の短編集。過去刊行された短編集からの再編集の為、既に読んだことのあるものが見受けられたのが残念な点。それでも、再読ながら村山由佳さんの短編は「これから何かが始まりそうな」ラストで希望が持てる点がよかった。(この方は自分の感性に合うのかなとも思う)その他には、加藤千恵さん、サスペンス風だった中田永一さんの短編が良かったかな。感想はこんなところです。

  • 『宗像くんと万年筆事件』が特に面白かった。短編集なので1話が短くて読み足りないけど、初見の作家さんが多かったので読んで良かった。

  • 2017年4月集英社文庫刊。少女をテーマにした、9編のアンソロジー。2008年6月〜2012年5月に雑誌等に発表された作品を収録。中田永一さんの「宗像くんと万年筆事件」が秀逸。謎解きに拍手。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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