ZOO 1 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460377

感想・レビュー・書評

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  • 乙一の短編集。
    【カザリとヨーコ】
    救いようのない苦しみの中で一筋の光を見られるのは、救済とかではなくて普通に苦しみだからな?極限まで苦しんでその後に少し明るくなるのは、ただ単に緩急にやられてるだけで、総合的に見たら普通に苦しみです。
    【SEVEN ROOMS】
    こういう普通に生活してたのに急に死と隣り合わせになる展開が、本当に苦しすぎて嫌。1人やったらまだ耐えられた。兄弟っていうのが本当に無理。読み終わった後、心抉り取られすぎてしばらくため息しか出なかった。
    【SO-far そ・ふぁー】
    もし親になってもこれはしたらダメだと思った。短いし読み終わったあともう一回見たら、辻褄が合わせられて二度楽しい。いや楽しくないけど。
    【陽だまりの詩】
    黒乙一が蔓延る中、唯一の白乙一。展開はなんとなく読めたけど、それを越える文章表現の美しさに圧倒された。晴れの日に空を見たくなる。
    【ZOO】
    主人公は気が狂ってると思うけど、少し気持ちが分かる。短い時間だったら耐えられることも、数年続けたらしっかりと気が狂うんだなぁと思った。

  • 作中の
    時間の流れ
    淀みなく
    胸糞悪さも
    死と愛感じる

  • 物語って生み出すもの。

  • 乙一さんの『銃とチョコレート』を読んでから、他の作品にも触れてみたくなり、購入。
    愛好家の方からすれば周知の事実かもしれないが、こんなにとてつもなく恐ろしい物語を生み出してしまう人なのかと、衝撃が走った。
    作中の一本である『SEVEN ROOMS』はとびきり恐怖を感じた。「得体の知れない何者かに殺されてしまうのではないか」と考える登場人物の心理や末路があまりにも直接的なのだ。文字で読んでいるのにもかかわらず、思わず目を背けたいくらいだ。
    ただ、私が作中で一番気に入っている話は『陽だまりの詩』だ。ロボットが男性を埋葬するまでの過程を、ロボットの一人称で描かれた話である。ロボットが「死」という概念を、時間をかけて理解していく様子も、読んでいてしんみりさせられる。ただ、それ以上に私は、終盤の伏線回収という部分において、『陽だまりの詩』が飛び抜けて素晴らしいと感じた。ありきたりな言葉を使うとするなら、まさに意表を突かれると言ったところか。

  • 怖くて面白くて優しくて。とりあえず傑作でした!

  • 「SEVEN ROOMS」は特異な状況が抜群に描けていて、汚水から漂う腐臭に思わず顔をしかめてしまう。それなのに、様式的な淡々とした心理描写が均等を保ちながら、読む者を惹きつけてくれます。予想もしなかったラストが衝撃で、崇高すら感じさせる姉の決断。その救いのなさに何とも形容し難く、やるせない。紛れもないホラーなのに〈救い〉や〈癒し〉が混在して残る、残酷と慈悲を併せもった不思議な世界観。

  • カザリとヨーコとSEVEN ROOMSはページをめくるのが怖いって思いました。
    ドキドキとかではなく話が怖くてっではなくページをめくるのが怖い。
    いや、話自体も怖いんですが。
    でも、気になるからめくっちゃう。

    陽だまりの詩が切なくてとても好きです。


    余談ですが、初めて読むと思って手に取ったのですが、SEVEN ROOMSを読んでる最中に、これ読んだ事あるなあ…と気付きました。
    結末とかを覚えていた訳じゃないですが。
    すっかり忘れていましたが、そういえば昔乙一好きの友人に借りて読んだ事ありました。
    乙一の他の作品は読んだ記憶があるんですが、なんでこれは忘れていたのだろう…。

  • 自分を小説沼に追いやった元凶。
    当時まだ幼かった自分に衝撃だった。
    SEVEN ROOMSがすごく怖かった。

  • 世にも奇妙な物語的な短編集。
    死にまつわる話だけど、アプローチが全然異なりどれも面白かったです。
    ただ、入り込めなかったなあ…特に後半2作品…。
    陽だまりの詩とかは、良い感じな話にしたかったんだろうけど、1発で世界観に入り込めなかった…。
    個人的には、ソファが奇妙さとオチが好きでした。
    7roomも発想はあるようで無い感じ、救いようの無い話が良かったです笑

  • 小学生の時に読みました
    衝撃のカザリとヨーコ、なつかしい
    でもヨーコが少しずつ復讐?していく様が何となく快感で、前半とは別人かのように自立していく姿がかっこいいと思っていました
    セブンルームズも衝撃的で、、
    自分に置き換えて読むと胸糞悪く、絶望を感じてたのを覚えてる、、笑
    小学生ながらにすごいもの読んでたんだなあ

  • 怖いもの不気味なもの大好きな小学生の時に読んで衝撃を受けた。きょうだいのいる私にとってカザリとヨーコは妙にリアルに感じた。気味悪くて良い。

  • サクッと読めるけどインパクト強い短編ホラー集。17年前の作品とは思えない目新しさあり。

    映像化もされているようなので、こちらもチェックしよう。

  • 勝手にオチが気色悪い系の短篇集だと思ってたけど後半が微妙だった。陽だまりの詩は普通にいい話。前半の2話がよかった。双子のやつはなんとなく想定は着いたけどまあヨーコ良かったのではないか??おばあちゃんが裏ありそうだったけど普通の人だった。ソファーのやつがいちばんオチが面白かった。
    ZOO2もあるらしいから読みたい。

  • 色んな角度から乙一さんの世界観を感じることができて面白かった!
    昔映画を観たことがある気がする。

  • 久しぶりに乙一さんの作品を読みました。
    帯に書かれていた絶賛の評価に心が揺れて…

    ファンタジーホラーという表現がぴったりな短篇集。
    乙一さんの世界観というか、作風がぎっしり詰まっています。

    でも、怖いです。
    嫌いじゃないけど、当分積極的に読もうとは思わないでしょう。

  • 中学生振りの再読。
    セブンルームスだけ覚えていた。この作品は怪談レストランのリプレイという作品と同様に一生忘れることはないと思う。それくらい当時の自分は衝撃を受けた。
    今読むと、全てちゃんと面白い。著者の執筆時の年齢を考えると恐ろしい才能だと思う。

  • セブンルームズの衝撃が強すぎてずっと頭の片隅に残る

  • seven roomは面白かった。
    なんか、どこかで見たことあるような…
    ないような。
    全然、内容違うけど、映画cubeを
    思い出しました。

  • 全く異なった5つの設定は、どれも奇抜でおもしろいアイディアばかりだった。
    特に読んでいて惹き込まれたのは、『カザリとヨーコ』『SEVEN ROOMS』『ZOO』

  • なんか後味が悪い本。
    昔、漫画「悪魔の花嫁」っていうのがあったけどそれにぴったりな感じ。
    陽だまりの詩が好き。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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