ZOO 1 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087460377

感想・レビュー・書評

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  • デビュー作以来の乙一でした。
    「夏と…」はあまり好みではなかったですが、この短編集は面白かったです。

    特に陽だまりの詩はこんなのも書けるのか。とギャップに驚愕しました。

    特にseven roomsと陽だまりの詩がお気に入りです。

  • p.194
    "愛と死は別のものではなく同じものの表と裏だった。"

    全話良い。
    物悲しく不気味で先がない。

  • 学生時代に読んで以来、定期的に読んでます。
    内容は全部わかってるのにそれでもまた読みたくなる…。
    sevenroomを初めて読んだ時は、初めて周りの音が聞こえなくなるほどドキドキして熱中してしまいました。
    乙一さんの作品の中で1番好きです。

  • 「つまり俺は自分で自分のことを知らないふりをしているだけなのだ」


    初の乙一さん。
    前から気になってはいたけどなかなか手が出なかったのを、友だちにすすめられて読んでみた。

    『カザリとヨーコ』
    1作目からかなりヘビー。この結末には希望があるって思ってもいいものだろうか。

    『SEVEN ROOMS』
    読後感がなんとも…。私にも弟がいるから余計にいろいろ考えてしまった。私もこのお姉ちゃんと同じようにできるのだろうか。

    『SO-far そ・ふぁー』
    悲しい。子どもが達観しているだけに、かわいそうなのは両親、特にお父さんだと思う。

    『陽だまりの詩』
    一番好き。なんとなく展開は読めたけど、この短編集の中で唯一の優しいお話。

    『ZOO』
    途中までは、悲しくもおかしいブラックユーモアな感じがしていたけど、最後で印象が変わった。主人公はやっと救われたんだと思う。

    これは確かにジャンル分けができない、と思いながら最後まで読んだ。
    なるほどこれが乙一ワールドなのか…。私が今まで読んでこなかったタイプの作家さんかもしれない。
    『ZOO 2』があるみたいなので気になるけど、読むかどうかは微妙なところ。


    2021.11.1 読了

  • ラノベ?と思うほど読みやすくてびっくりした。短文ですらすら読み進めてしまって気づいたら読書が終わってた。ほんとに分類するのはむずかしい。このあとどうなったんだろうか、と先を考えさせられてしまう、これこそ本読みの醍醐味だなーと思った。もう一度読みたい。そして、誰かとどうだろうって語り合いたくなるお話。日常とかけ離れているようで、日常に潜む何かを訴えかけるような作品でした。乙一さんの作品は初めてだったので感銘を受けました。

  • どろどろとしたグロテスクなものからヒューマンドラマまで幅広いジャンルの小説が詰め込まれていて、読後はぐちゃぐちゃとした不思議な感情になった。ネガティブな感情を引き出すのが上手い。

  • 表題作含む5作の短編集。
    映像化もされており、描写も細かく短編が苦手な私でも読みやすかった。

    【カザリとヨーコ】
    “ママが私を殺すとしたら” 私はこの書き出しを読んでこの本を買うと決めた。
    一卵性双生児のカザリとヨーコ。しかし母親に愛され友達にも恵まれたカザリとは反対に母親にはモノのように扱われ友達がいなかったヨーコ。
    映像でも観たが、カザリの本質が見えるシーンが怖かった。母親よりも怪物なのかもしれない。
    ラストのヨーコにすら救いを用意しない乙一さん。しんどい...

    【SEVEN ROOMS】
    突如、監禁された姉弟。
    最初はどちらも子供で喧嘩してしまうが、日が経つごとに自分たちの置かれている状況を把握しようと奮闘する姿はもう大人より大人だった。
    ラストの姉弟の決断には心打たれた。
    動機や犯人についてはほとんど書かれていないのに、得体の知れない大きい恐怖に呑み込まれそうになる。

    【SO-far そ・ふぁー】
    父の世界では母が死に、母の世界では父が死に、僕と2人で過ごしているという。しかし僕はどちらも見えるし話せる。両親の世界を、そして3人でいる僕の世界をどうにか繋ぎ止めようとするもだんだんと崩れていく。
    設定は掴みやすいが、先が読めずでどんどんページをめくってしまう。面白い。その分ラストの衝撃が大きかった。

    【陽だまりの詩】
    ZOO1の中で最も切ないと感じた作品。
    ある男性の世話役として作られた女性型のアンドロイド。
    最初は感情などなく命じられたこともするだけの日々。だが、男性と暮らすうちに草木や動物に対しての感情が芽生え始める。
    そしてある日男性から「あと1週間で僕は死ぬ」と告げられる。その間にあったうさぎとの関係、また男性の迫り来る時間の中で「死」とは何なのか?を学んでいく姿は切なく、人間らしさすらあった。
    重たいテーマですが、悲しくも綺麗な作品。

    【ZOO】
    表題作。
    読了後の感想としては一言、狂ってる、のみ。
    ある男性の彼女が殺され、毎日死体の写真が郵便受けに入れられている。一体彼女は誰に殺され、どこにいるのか、どこからどこまでが真実なのか。ZOOとは。あらゆる疑問とともに進んでいくスピード感あふれる作品だった。

  • こええええ。

  • 「カザリとヨーコ」★ ★
    恐怖感はありましたが、瓜二つの双子の姉妹ということでオチが読めてしまいました。

    「SEVEN ROOMS」★ ★ ★ ★
    閉塞された部屋と次々とわかる法則性により、死が迫ってくるという恐怖が引き立てられています。
    助かるために知恵を絞る展開も面白かったです。

    「SO-far」★ ★
    両親の不仲が幼い子供に悪影響を与えることを表した話だと思います。

    「陽だまりの詩」★ ★ ★ ★
    ロボットの少女に感情が育まれていく描写が丁寧で良かったです。
    男の正体と本心を聞けたことで、少女が男に感謝するシーンは感動しました。

    「ZOO」★
    茶番のような話であったし、序盤でそのことが明かされるのでそこまで面白くは感じなかったです。

  • 特にseven roomが面白かったです
    少し切なさが残りました

  • 乙一さんの短編集。
    それぞれの話が全く違う趣向が凝らしてあるのは面白い。
    少しグロめ。
    カザリとヨーコ 双子の虐待子と愛玩子の話。スズキさんの犬との出会いは、まさに運命の転機だったんだな。彼女はかわいそうな境遇だったけど、本を読むようになってよかったなと思った。
    陽だまりの詩 一番美しい話だったと思う。
    表題のZOOは、読みながら終始「は?」と思っていた。
    理解はできないけど、現実でも一つの変化が耐えられないくらい予定を立てたい人はいそうだなと思った。

  • カザリとヨーコで衝撃を受けた。
    SEVEN ROOMSが特に面白かった。
    細かい設定が書かれていないのにどんどん本の世界に引き込まれていった。

  • 全編において(主に肉親への)愛憎を描いたものに感じた。【カザリとヨーコ】一番恐ろしいのは周囲の「それが当然だ」という認識かもしれない。 【SEVEN ROOMS】ぼくが非常に淡々としているので逆になんか怪しい気がしてくる(?)【SO-far そ・ふぁー】最後の一文の為にそうしている。そうせざるを得ない?本当に?【陽だまりの詩】明確なことがわかるのは残酷かな、人生の愛憎をなぞる。【ZOO】作中では映画「ZOO」にしか言及がないが、内容が映画「メメント」に酷似していてうーん…と感じてしまった。「茶番」である。

  • 怖すぎ。
    なんか病んでしまいそう、おばけとかの怖さじゃなくて人間の怖さだから余計身近に感じて。

  • 天才、乙一氏の短編集。特にSEVEN ROOMSがいい。圧倒的な描写力でのめり込み感がハンパない。読後にあの部屋の匂いまで感じていたことに驚く。匂いまで感じるほどの没入感でいえば帚木蓬生さんのヒトラーの防具に並ぶ。

    出来ることなら「乙一」としての作家活動をガンガンやってほしい。百瀬こっち向かしとる場合ちゃうて。

  • 久しぶりに読み返してみた。
    SEVEN ROOMSが展開の気になるいい作品。来るべき死からどうやって逃れるのかって考え、絶望の中から活路を見出す展開がいい。
    この作品のなかではやはり、陽だまりの詩が1番好きかも。
    詩と死が掛け合わせられていて死というものにすごくフォーカスが当てられている

  • 初の乙一作品。短編集であり非常に読み易い。少し設定の不明な部分もあると言えばあるが、短編にそこまで求めるもんじゃない。
    『陽だまりの詩』はとても温かい話だった。感情があるから人間は厄介でもあり感情があるから人間は強いんだ。

  • 乙一短編集、特に印象に残らず、これで乙一の平凡なイメージを定着させたわ

  • 読みやすくて すぐに読み終わった。「ある愛の詩」が一番良かった。全体的に暗い感じで 不思議な世界観。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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