- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087460865
感想・レビュー・書評
-
読み出したら止まらない、ヤバイ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
水滸伝の章ごとに主人公が変わる形式を残しつつ、全体として一本通った物語として再構成されているのを感じる。
北方水滸伝では宋江や晁蓋が最初から同士となっているのが原典とは異なるが、この辺りは史実で水滸伝のモデルとなった賊に属していた人物で構成されているのでないかと思う。 -
名作と言われる、北方謙三の水滸伝。全19巻についにチャレンジする。12世紀の北宋末期。乱れた国を憂い、政府を倒そうと立ち上がる者たち。まずはいろんな人物が出てきて途中で覚えきれなくなりそうにもなるが、さすがの北方謙三。キャラが立っています。「史記」も抜群に面白かったので、これから19巻まで楽しみ。
-
ワクワクの始まりのお話し
-
おもしろい!
腐敗した国家対英雄達って構図は王道って感じですね。
しかも時代は中世!最高ですね!ワクワクします。
原典も読んだことないので、この先どうなるのか楽しみです。(まあざっくりとは知っているんですが)
ただ登場人物が多いですね、、まだ一巻しか読んでないのにこの人誰だっけ?ってなったりしました。
北方水滸伝を読了したら原典も読んでみようかな。 -
面白い!の一言。
社会人になってからこんなに長いシリーズものを読み切ることができて、自分で驚いた。展開が早いからか。読書習慣を取り戻すきっかけになった作品。
まず3巻まで読んでほしい。その先はもう止まらない。
北方謙三氏の作品は、よくハードボイルドと評される。ハードボイルドとは何なのかあまりよくわかっていないが、北方水滸伝は「ヒロイックな死に方」の見本市のような作品だと思う。泣かせに来ているな、というところで悔しいくらい泣けてしまう。
キャラクターが魅力的だ。誰もが認める英雄のようなキャラクターばかりではない。評価を得られずふてくされていたり、不器用ながらも自分なりの精一杯を尽くす姿。そんな姿に自分を重ね、また涙してしまう。
梁山泊は猛烈なホモソーシャルで、男尊女卑なのは否めない(活躍する女もいるにはいるが、女が憧れるような種類の女ではない。まぁ北方氏にその種のコンプライアンスは期待できないだろう…)。
男たちは「志」で連帯し、「志」の違いでぶつかり合い、「志」と心中する。こんなにも皆を惹きつけ、あるいは呪縛する「志」とは何なのか。意外とはっきり描かれてはいない。腐った世の中を正す、ということなのだろうが、それだけなのか。各々が思い描く「腐った世の中」の具体像は結構違っているのかもしれない。
梁山泊と青蓮寺の謀略の戦いはスリリングだ。
食事シーンは凄い。ワイルドですごく美味しそう。梁山泊グルメが食べられるカフェでもできないものか。
北方氏独特の贅肉をとことんまで削ぎ落とした文体にもしびれる。あまりに惚れたので、文庫1冊ぶん写経したことがあるくらいだ。
一文が短く、読点が多い。風景描写はほとんどなく、たまにごくわずかに入る描写も、狙いすまして巧み。
カメラワークの緩急はすごい。群像劇のようにサクサク話が進むうち、いきなりはっとするほど登場人物の一人に寄り、心のうちが描かれる(と思ったら死ぬ)。一瞬のどアップは鮮やかに胸を打つ。
2020年にWOWOWでの実写プロジェクトが発表されたが、その後音沙汰がない。頓挫してしまったのだろうか。
https://www.wowow.co.jp/suikoden/
実現をずっと待っている。 -
こういうのでええんや、のオンパレードの作品。
熱くて勢いがあって、それぞれの人物の生き様が描かれていてとっても面白い。
梁山泊、英傑が揃うなんてもう、それだけで少年漫画的な熱さの集合体だし、今後が楽しみ。
19巻と長いかもだけど、地道に追っていきたいと思った。 -
朝廷の役人が腐敗し、民間で義侠心を持った英雄が活躍した。とはいえ、義侠心を持った英雄も普段は山賊であり、民間の旅人を苦しめる存在であった。生活者にとっては否定すべき存在になるか。
-
「三体」をおすすめしてくれた人が「水滸伝も面白い」と言っていたので読みました。
「坂の上の雲」を挫折したので、歴史小説ましてや中国の人名がややこしそうだったので、読み切る自信はなかったのですが、「坂の上の雲」の3倍くらい読みやすくて感情移入できる物語でした(「坂の上の雲」と比較してすみません)。
もともと「幻想水滸伝」というゲームにハマっていたことがあり、だいぶ昔にプレイしていたのでググってみました。108人の仲間を集める冒険をするというゲームの世界観を思い出し、そのままちょっとファンタジーな気分で水滸伝の小説を読みました笑
印象に残ったところ
史進が王進と別れるシーン、もっと学びたい、修行したいと行った史進の王進が
「別れもまた修行だ」
と言ったところ。まさに悲しみや寂しさから切り替えて前にすすむのを「修行」と表現するにふさわしいと感じました。
この物語は、腐った世の中を変えたいという想いを胸に、漢たちが立ち上がりますが特に魯智深のセリフによってこの国の悲惨さがよくわかります。
「罪もない人間が首をはねられる。それがめずしくもないと言うこの世のなかを、俺は糺たい。」
「それが、この国だ、林冲。下っ端の役人まで腐っているが、悲しい腐り方なのだ」
至極まっとうな捉え方なのですが、なぜここまで人・国が腐ってしまうのか。という悲しい気持ちと共に、魯智深の志にとても好感を持ちました。