千年樹 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087465433

感想・レビュー・書評

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  • 昔からある巨大な楠の木の周りで起こってきた出来事が、過去と現在を組み合わせた短編で語られる。それぞれの短編同士もまた登場人物が繋がっていたりする。
    争い、貧しさ、虐め、恋愛。それらを覆う憎しみや哀しみ、愛しさ。
    樹齢千年といわれる巨樹が見てきた長い長い時代。
    そんな神木と呼ばれていた巨樹が人間の手によって最期を迎える。
    今後、巨樹を見る度にこの話を思い出しそうな気がする。

    2017.1.15

  • 特に「瓶詰の約束」が好きかな。

  • 短編集だけど、ほとんどが怖い話だった。
    でも、こういうパターンじゃない本の方がこの人の持ち味が出て好きだなぁ。

  • 樹齢千年とも言われるくすの木が見守ってきた人々の短編集。
    皆から親しまれているというよりも若干恐ろしがられ、おどろおどろしい木として扱われ、みんな近寄りたがらない。
    近寄ったら何か愉快ではないことに巻き込まれそうな、そんな存在としての位置を占めている。
    それぞれの話がもやもやしたものを抱えていて、さらなる悲劇が起こりそうな雰囲気を残して終わるのがちょっとやるせない。

  • 町のはずれの山の上に立つ巨木をめぐって長い時代をつなぎなら物語は作られていく。交錯するストーリーに混乱させられたり人間関係を見失いそうになりながら樹の魔力に引き寄せられる感じがした。最後まで読んでもう一度読み返して味わうべきかも知れない。

  • 樹齢千年と言われる大木と、その時代を共に生きた
    過去から現代までの人々の人生を描いた話。

    千年樹に呪いがあるという事?
    現代と過去とがシンクロする意図は?
    同じ幼稚園だった人物を現代でメインにする意図は?
    と疑問ばかり残った作品。

    ストーリーよりもアイデア先行で書かれたのでしょうか。
    登場人物と大木との繋がりの必要性が感じられないまま終了。

    救われない話が多いんだから、呪いとか恨みとかにして貰った方が納得がいく。

  • 1本の巨樹の周りで起こる胸が痛くなるドラマの数々でした。
    恐い夢をつぎつぎと見ているようでした。
    登場人物が多く、 「もしかしたら別の話と繋がりがあるかも」と気にしているとその話自体が味わえなくなるなと反省。
    再読するつもりで読み進めました。
    ハチの話が悲しくて苦しくなりました。

  • 木は、ただ見守る。

  • この人は最早、泣かせという点で浅田次郎を越えてしまったような気がする。本作では涙腺が緩みっぱなしだった。いじめや老人など現代の問題と、古い時代の生き様とを対比させているところも秀逸。普通の人びとが主人公であるところも感情移入しやすいと思う。

  • 諦めて途中で売った。
    好きなブロガーが、「これは怖い」といっていた章を読んで満足。
    怖い、かも。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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