瑠璃でもなく、玻璃でもなく (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466966

感想・レビュー・書評

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  • 「恋愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである」という冒頭の言葉に全てが集約されているように思います。

    37歳の朔也と妻の英利子34歳、そして朔也の不倫相手26歳の美月。
    恋愛と結婚と仕事、女の幸せは何なのかを改めて問われるような話でした。

    結局、欲しいものを手に入れられたとしても、おときばなしのように「めでたし、めでたし」とそこで終わることなんてないわけで、またそこから始まるんだということと、どう折り合いをつけて幸せを見つけていくか、っていうことなのかもしれません。

    隣の芝が青く見えるのも、自分が持っていないものを羨む気持ちも確かにあるけれど、外に目を向けるばかりではなく、自分と向き合って、足ることを知る人になりたいと思います。

    ストーリーを楽しむというよりは、教訓という感じで解説まで読み返したい本でした。
    どんなステージが待っていても、自分の足でちゃんとそこに立つこと。自分の幸せは自分で決めること。

  •  『恋愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである』という言葉は名言だと思う。
     未婚の美月と専業主婦の英利子、それぞれが今の恋愛と夫婦関係、自分の生き方に思い悩み、苦しみながらも、前を向いて歩いていく姿は、途中重苦しい場面はもちろんあるが、一生懸命で、未来を感じる読後感は爽やかだった。
     どちらが幸せとは言えないと思うが、個人的には自分自身で生きていくことに生きがいをみつけた英利子が、輝いて見えた。

  • 共感できるような言葉(部分)もあるが、全体のストーリー的にはスッキリしない感じ。(既婚者からすると、特に。)

    たまに、『ある程度年齢のいった人が書いた感』が出ていて、ちょっと残念。

  • 学生と既婚者にはお勧めできないが(そして、前者と後者にお勧めできない理由は異なるが)、恋愛と結婚の違いとか、結婚とは何かとか、考えたい人は読むと良いと思う。

  • 妻と愛人、そんなドロドロ間違いなしのテーマなのに、読み終わった後の爽快感がすごい色々な選択肢があって、女ってすごく幸せ!妻と愛人どっちが幸せでどっちが不幸か、そんな単純じゃなくて、たぶんどっちも幸せになれる気がして、女ってすごく楽しい!

  • 「例愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである」中扉裏の一文が、私たちの戦いに終わりがないことを示している。そして、勝ち目がないことも。

    「女は、負けの恋愛をしちゃいけないと思う」マリが語る。「女の人は結婚で人生が変わる確率が凄く高い」順子が語る。周りからも、自分自身でも、追い込まれてゆくだけだ。

    「欲しいのは確かなもの。確かな約束、確かな成就、確かな未来」美月が答える。そして、私たちは知っている。確かなものなど、どこにもないことを。”確かなもの”を見つけても、いつの間にかそれは砂上の楼閣に変わってしまうことを。

    ない物ねだりかもしれない。隣の芝生は青く見える、なのかもしれない。”自分”が揺らぐのかもしれない。”安定”と”変化のなさ”に捕まったのかもしれない。そして、”もし”という選択肢が、よぎっているのかもしれない。そして、抜け出せない”自分”に

    人生のゴール、完結は、結局ないのかもしれない。確かなものがないのと同じ。確かなものがなくても、自分を信じられれば…、と。終わりがなくても、勝ち目がなくても、信じられるものがあれば…、と。

  • 恋愛は不安との戦いであり、結婚は不満との戦いである。

    不倫中の独身OLと専業主婦。
    既婚者との恋愛に将来が見えない不安と、毎日が単調でつまらない不満。

    ないものねだりの二人の心は、痛いほどによくわかります。
    不倫する女と不倫される女。
    どっちが悪いとかじゃなくて、二人とも自分の人生に向き合って生きている。
    女性の生き方について考えさせられる一冊です。

  • 瑠璃も玻璃もガラスであり光に当てればキラキラ光る。
    でも大切なのは自分で輝こうとする力

  • はじめての唯川さん。(多分)
    結婚と恋と仕事と女友達。何が幸せかってほんと分かんないものだなと思ったり。女ならなおさら。
    不倫の末にハッピーエンドがあるなんて少し釈然としない気持ちもあるけど、まあ現実そういうものなんだろうなと。

    英莉子の生き方には勇気をもらえた気がする。

  • 慰謝料2万1千円がかっこいい。

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