神々の山嶺 上 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087472226

感想・レビュー・書評

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  • なぜ人は山に登るのか?

    読みながら自分も孤高で山にいるようで酸欠になりそうなぐらい苦しい。

  • キツい登山にはあまり興味のない私。それだけに入り込めるかが不安だったけど、杞憂に終わりました。
    山にとり憑かれた「山屋」は、ロマンという言葉だけでは終われないものなんだな、と感じた。
    上巻で登場人物が揃い、物語が加速し始めた感じ。下巻が楽しみ。
    夢枕獏は陰陽師シリーズしか知らなかったけど、こんなに文体が違うんだ、と驚き。

  • 「ど真ん中ストレート」の山岳小説。エベレスト初登という、登山史上の大きな謎を追うミステリー小説でもある。

    人が初めて自然を征服していく過程、熱に浮かされたような時代の、もはや伝説化した登山家の情熱を追ううちに、いつしか現代の「普通の」山屋 − 国家の威信を負っているわけでもなく、山に人生を捧げられるわけでもない、中年に差し掛かり人生の諸問題に揺れる主人公 − が、生きた伝説に出会い、情熱を引き継いでいく物語が、全く背景の異なるエベレスト初登の物語と重なり、入れ子のように、相似形を描きながら

    なぜ山に登るのか

    と問い続ける。
    というよく練られた構図と展開、ネパールの歴史や国情を踏まえて描きこまれた風景、人物....なにより山!と登攀中の心理描写の美しさ、圧倒的なリアリティ。すべてが密教の曼荼羅のように、緻密に描きこまれている。すごい。
    その裏にある蓄積。
    あとがきを読んで納得…したので、これは先に読んではいけません。

    読み終えて、かつてフォーチュンクッキーから出てきた言葉を思い出した。

    The good life is a process, not a state of being. It is a direction not a destination.

    最後に後書きを。
    「書き残したことはありません。(中略)…もう、山の話は、二度と書けないだろう。これが、最初で最後だ。それだけのものを書いてしまったのである。これだけの山岳小説は、もう、おそらく出ないであろう。それに、誰でも書けるというものではない。どうだ、まいったか。」

    うーん、参りました。

  • お友達に薦められて読み始めました。男のロマンって感じですね。山に魅せられた羽生丈二に興味津津。下巻が楽しみです!

  • 羽生丈二。なんと不器用で、魅力的な男だろう。 なぜ山に登るのか?という問いにマロリーは「そこに山があるから」と答えたという有名な言葉があるが、「ここに俺がいるからだ」という羽生。
    誰もなし得ていないエベレスト登山に己の全てを注ぎ込む人生。少年から青年になり、年齢を重ねると共に社会に適合するようになっていく周囲の人々とは異なり、常に山だけを見据える。
    決してスマートな生き方ではないのに、小説の中の深町のようにいつのまにか引き込まれていく。

    酸素の薄い地点で高山病に苦しみ、意識が朦朧とする中で、とりとめもない考えががぐるぐる回る様子に、エベレスト登山のリアルさ、怖さを文字から感じた。

    なぜ山に登るのか?というのは、なぜ生きるのか?と同じだと言う。読みながら、自分にとっての目指すべき山嶺とは何だろうと考えていた。

    (補足)映像化もされているが、原作を読む方が断然オススメ。

  • おもしろい〜!上巻の前半がたまらないっ。下巻、またあの感じに戻ってほしい。ネパール行きたい。

  • 大好きな本

  • 下巻へ

  • なるほど山に登りたくなる本。

  • ★評価は読了後に。
    最近フランスでアニメ映画化された(?)らしいような話を聞き、手に取ってみました。思った以上に重厚さがありますが、一つだけ言えば、描く世界、というか設定・人物描写が狭いものになっているのかな?と。要は大風呂敷広げたエンターテイメントではなく、焦点を絞った日本の小説だなと感じます。
    ただなかなか面白いのは疑いなく、次、楽しみに進みます。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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