嫉妬の香り (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 711
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087476965

感想・レビュー・書評

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  • この人の本、とってもわかりやすい表現で、私には最適です~
    官能小説かと思っちゃったけど、すごくよかった。
    いいな。
    ↓大好きなトコ↓
    愛が何かはまだわからない。けれど私はこう考える。
    他人を信用できない私が、もしも誰かを信じることができるようになるとしたなら、それが愛ろうと思うのだ。
    そして、その人に嫉妬しないならそれは愛かもしれない。
    本当に愛しているなら、嫉妬することはないように思う。

    ステキな考えだと思います。
    愛に定義はないんですな。

  • 「嫉妬の香り」というタイトルが内容に直結していた。
    素敵な描写やメモしたくなる文章が多かった(というか沢山メモした)

    ただ、携帯小説のような表現もあり満点ではない。

  • 誰かを信じ愛すれば嫉妬しなくなると
    ほーほーほー、なるほど

  • けっこう泣いた。

  • 哀しい。人を愛するのと、ただ好きなのと、違いってなんだろ。って思った。
    嫉妬をするのは相手を愛しているからなのか、それとも相手を信用していないからなのか。自分を守りたいからなのか。

    話の中で一貫して香りが存在していて、2人の女性の香りが対照的なのにも関わらず、主人公が各々の香りに溺れていくところがよかったかな。

  • 「嫉妬」というキーワードにスポットを充てた小説。恋愛小説は腐るほどあるけれど、嫉妬の感情を下地に物語が進んでいく小説は今まで読んだことがなかった。
    「嫉妬」の持つエネルギーって計り知れないよね。恋人への嫉妬から殺人にまで繋がることもあるんだから。脳内が描き出す凶器だよ。

    本書を読んで、男ってどうしてこうもだらしないんだろうと、強く、強く感じた。愛だとか嫉妬だとか理由をつけても実際のところ果てることなき肉欲に自ら跪いているだけなんだろう。決して同じ土俵で語ることのできない欲求、倫理観などの狭間で苦悩し、物凄くシリアスになるくせに、一瞬の快楽や動物的本能に屈してしまう。

    それに対して、女は強い。
    本書でのミノリと早紀もそうだが、終わった恋を糧にすることができる。そして、喪失感に勝てる力強さを兼ね備えている女の人は多い。fairy taleな恋愛にのめり込んでいるかと思えば、簡単に決断して一歩を踏み出すことができる。天真爛漫でいながら独立して生命力がある。そして、何故か分からないが男はそういう女を追い求めてしまう。母性で溢れた女よりも、本書でのミノリや早紀のようなある種身勝手とも取れる女に惹かれていく。溺れていく。男女の不可思議ってここを基準に語られてると思うんだ。

    何度も登場するジャルダン・バガテールの香水をぜひとも嗅いでみたい。
    それにしても、本書の早紀のようなお姉さまに声と香りの両面から誘いをかけられてしまったらひとたまりもないだろうな。若者なら誰もが一度は憧れちゃうシチュエーションw

    みなさん、恋愛中の嫉妬にはくれぐれもご注意を!

  • 描写が細かすぎて飽きちゃった…
    期待して読んだせい?
    ちょっとガッカリ★
    もっとサクサク進んで欲しかったかな。

  • パリの日本人街のブックオフで買った思い出の品。
    気に入ったフレーズにチェックを入れるようにしてるのだが、チェックの多さに我ながら仰天してた作品。
    さすが辻さん

  • バンコク、タイなどを舞台とした作品です。

  • 愛に甘え、愛ゆえの嫉妬に翻弄された2人と2人の物語。


    2001年にテレビ朝日系で深夜ドラマとしてやっていたものの原作です。
    「嫉妬の香りは麝香の香り」というコピーと、テツシ役の堺雅人のダメやさ男っぷりが忘れられず、本屋でタイトルをみて思わず購入。

    小説を読んでいてもテツシは完全に堺雅人に被った(笑)


    辻仁成さんの小説はこれが初めてでしたが、文体の艶っぽさと物語の構成がくせになりそうです。

    しばらくして再読する予定。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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