- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087480948
感想・レビュー・書評
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南北朝、義良親王(のちの後村上天皇)を奉じて北に下った、北畠顕家の物語。短い生涯を彗星の如く生きた人。南北朝、よく分からないわって人でも、これだけでも読む価値はあると思う。とても面白いです。
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なかなかまとまった時間が取れずに読み終わるのに2ヶ月近くもかかってしまいました。北畠顕家が、どうにもリアルでなく義務のようにナイトキャップ代わりにダラダラと読んでしまいました。本当にあんなすごい16歳が実在したのだろうか?
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2012年10月 12/85
2009年02月 6/19
たぶん、3回目くらいの読みなおし。北方南北朝シリーズの2作目、北畠顕家の物語。基本のパターンは同じなのですが、毎回ハマるこの熱さ。
ゆるい日々に活を入れるドーピングみたいな感じ。 -
全1巻。
北方太平記。
こっち側にも漢が。
まぶしい。 -
参加しているSNS「やっぱり本を読む人々。」の100冊文庫企画にエントリーし、紹介文を書くために再読しました。下に前回が3回目の再読だとありますので、今回は4度目と言うことで。。
流石にストーリーはほぼ完全に覚えています。そして新鮮さは随分薄れています。それでも話の中にのめりこんで行けます。やはりこの作品は私に良く合った作品なのだと思います。
小説の最後に主人公が後醍醐天皇に対し諌奏文を送るシーンがありますが、今回改めて調べたらこれは史実なんですね。そしてその内容も小説の通り。若干21歳でそのようなことが出来た事から見て、実際の北畠顕家は本当に傑出した人間だったようです。
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02-75〜2002/09/18〜☆☆☆☆☆
歴史的事実だけを引き出して再構築したら、顕家像はひょっとしたら酷薄・独善的人間像になるかもしれません。しかし、そんな事は考えずに物語に没頭すれば、なんとも爽やかな作品です。
「切れ」のある文体と迫力ある戦闘シーン。そして格好良過ぎる主人公・顕家とそれを取り巻く登場人物たち。いやあ、歴史ハードボイルドとしか言いようが無いですね。
ストーリーそのものは北方さんの歴史ものデビュー作「武王の門」に良く似ています。武王の門が上下二巻なのに対し、この作品は一巻でその分凝縮された感があります。今回は多分三度目の再読ですが、それも釣り込まれて一気に読み通せました。初回の衝撃もあわせて最高評価にします。 -
オープニングは主人公、北畠顕家(きたばたけあきいえ)が陸奥守に任じられて若干16歳で
奥州入りするところから始まる。
安家太郎(秀通)が山の中からその行軍を見るところから始まり、次には親房(顕家の父)が
六の宮(義良親王、六歳)を膝に抱いて輿に乗り、その行軍の中からの風景だ。それを経て、漸く登場するのが顕家だ。
もーなんつーか、さすが、としか言いようのない初っ端から引き込まれまくりのストーリィで。
時代は南北朝時代、わずか4歳で従五位下になり凄まじい勢いで朝廷に登り詰めた顕家くんの、
21歳で終える生涯を詰め込んだ一冊だ。
学問に秀でたところがあり、後醍醐帝にそれを見込まれたのか、陸奥守に任じられたのだが――それまで
朝廷人だった顕家に、武人になれ、と言うようなもので、しかしやっぱり只者ではない顕家くん。
新陸奥守を警戒していた安家一族を筆頭に陸奥を素早く治めてしまわれる。
ただの若輩者、と侮るものなど1年も経たないうちにいなくなる。
顕家くんがしでかした歴史の事実は、まぁ年表見るかこの本を読んでくれ、と言うのが早いのだけれど!!
あ――くそ、叫びたい!!
クタバレ足利直義!!(尊氏の弟)
こいつがこいつが大塔宮を・・・・!! と本を引きちぎりたくなるほどの怒りでした。
本当は、足利の棟梁である尊氏を憎むべきなんだろうけれども・・・なんだろうな?
他の本を読んでいるからかもしれないが、どうしても・・・尊氏くんは捻り潰したいほど憎くならない・・・
不思議だ。
顕家が素晴らしい人物なのは、集まる武将たちが命を懸けるところを見れば一目瞭然で。
さらに顕家の最後は八万の軍勢に百騎足らずの自軍で打ち向かうもので、そのとき21歳。
その若さは、若さゆえ、誰もの心をひきつけたし、周囲への目の配りようもまた信頼を大きくさせるもので。
尊氏が顕家を脅威と感じるのも無理はない。
顕家の人生は、まさに公家ゆえにさらに出来る人物ゆえに、時代に振り回された、とも言える。
けれど私の心を捕らえ打ち振るわせるのは、彼が自分の人生を自分に悔いなし、と生き延びたと分かるからで。
この読みにくい漢字の人物は、一生私の頭から消えることのない存在になってしまわれた・・・
北方さんの時代小説を、ここから入れたことに秋野は感無量でございます。 -
「お待ちいたします。安家利通は、命の続くかぎり、北畠顕家様をお待ちいたします」人を星に例えるならば、北畠顕家はまさにそんな人だった。夢を託す、夢を見る、夢を追う・・・こういう話好き。顕家なら私もついていく。若くして完全無欠の人っていうのは、命数を与えてもらえないんでしょうかね。
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公家でしかも年少の北畠顕家は、まさに蘭稜王のイメージそのまんま。美少年のイメージが強かったですが、本書ではなんとも男らしいです。