分身 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.48
  • (682)
  • (1886)
  • (2763)
  • (333)
  • (71)
本棚登録 : 18515
感想 : 1240
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087485196

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  久しぶりに読むと安心の文体。まったく同じ容姿を持つ2人の少女・鞠子と双葉の出生の秘密と、それに絡む謎がラストに向けて鮮やかに解明されていく様は相変わらずお見事。
     現在では体外受精は一般的な不妊治療となったことで、「試験管ベビー」なんて言葉は死語となっている。フィクションに登場する研究者は基本的に、研究への欲望が抑えられないマッド・サイエンティストとして描かれるが、まともな研究者は少ないのか。本人たちはもちろんだが、鞠子のお母さんも本当に可哀想。父親の所業は気持ち悪すぎる。産まれてよかったか、なんて子どもに考えさせてはいけない。

  • 親子とは何か、少し考えさせられる内容でした。

    オチは想定内ですね。

  • 高一の娘に借りた
    面白かったけれど怖かった
    休みながらしか読めず、時間がかかった
    鞠子の父があまりにひどく、母が不憫すぎる
    幸せになれた人も、これから幸せになれそうな人もいないのがつらい
    終わり方もあまり好きではない
    次が気になる面白さは秀逸

  • ハッピーエンドではあるけど気になるところで突然終わった感じがする。鞠子と双葉のその後をもう少し描いて欲しかった。

  • 久々の東野圭吾作品。
    うーーん、まぁテンポ良くちゃちゃっと読めましたが、まぁ…総体的には普通?
    クローンとかなんか実際にももちろんありそうな話だけども、なんだか非現実な感じがなんともしっくりこなかったーーーー
    クローン。いや、意外とリアルにありそうな話なのかな?

  • 遠く離れているけど顔のそっくりな2人の女の子、それぞれの視点で進んでいくお話が2人の心情が同時進行でわかって面白かった☆ラストシーンがすごく好きです。

  • クローン技術を題材にした作品。

    まりことふたばが、自分がクローンなのでは?と気づき始め、その技術の成功例として、科学者たちに追われる。

    コピー元の晶子さんの、二人に対する嫌悪感はわかる気がする。

    自分自身を見る、目の当たりにさせられるのは不快だもの(*´・ε・*)

    ラストはまりこ父がカタをつける。

    自分自身、晶子さんが好きで、コピーが欲しくて妻に黙って産ませたなんて、鬼の所業すぎる。

    責任とって最後は、施設などを燃やすけど、それが冒頭のまりこの家の火災とがだぶりました。

    ふたりは最後に出会うけど、協力して強く幸せに生きていて欲しいです。

  • 筋は本のタイトルにあるとおりで、主人公の女性2人がクローンとして生まれた話。クローンであることは本の初っ端にわかるので、物語の進みがかなりじれったい。だんだんとわかってくるクローンの生まれた経緯は、ひねりなく面白くない。
    最後の最後に、クローンとして生まれた2人の気持ちが出てくるけど、それも詰め込まれた感。作者の言いたいことがそのまま陳腐な言葉になってしまってる感じで、軽い。自分の存在意義的なテーマだけど、これと言った特徴もない。


    ただ最後に2人が出会うシチュエーションは面白い。

  • 紹介文に、現代医学をテーマにしたサスペンス・そっくりな人間がいる…となれば、おおまかな内容は想像できると思います。
    特に奇をてらったストーリーではなく、展開を予想できるだけに「結末でどのように楽しませてくれるのか?」がポイントになるような作品だと思います。しかし、本作の結末について「随分と雑な作りで、何の余韻も残らない」と感じました。
    共感できる登場人物がおらず、お互いの関係性も希薄に描かれているので、結末以降の展開を想像させる要素が少な過ぎます。

  •  この作者さんのデビュー作。

     何処までどう話したらいいのかよくわからない。
     どうレビューを書こうにもネタバレにしかならないからとても書きにくい。

     主人公は氏家鞠子と小林双葉の二人。
     鞠子は、母親を自殺で亡くし、まったく母親とも父親とも似ていないこと、自分は母親に愛されてないんじゃないか、と日々不安に感じている。
     双葉は自分がバンドのボーカルとして、テレビに出たのとほぼ同時期に、母親をひき逃げ事件で失ってしまう。

     実はその二人はとてもそっくりで……という話でした。
     二人が自分の出生の秘密を確かめる為に動き出していろんなことに巻き込まれて行く……

     でね、ですね。
     物語は二人が再会するところで終わるんですよ。
     終わっちゃうの!!
     一番近しい親(と呼ぶべきなのかどうかはわからないけれど)を失った二人が最後に偶然に出会って、物語が終了。
     裏に隠されたものが全て明らかになったけれど、それから二人が未来をどうやって歩いて行ったのか、想像する余地すら与えてもらえないかのように、二人が再会したところで物語は終わる。
     そこが読みながら、二人が出会ったらどうするだろうって気になりながら読んでいたのに、そこが描かれずに終わった……。
     小説の在り方としてはこれでいいんだと思うし、こういうラストにしたい作者さんの気持ちも分かるんですが、思い切り感情移入しながら読んでた読者としては、途中でいきなりぽーんって手を離されて空中に放り出されてたたき落とされた感じがしました。

     なので、個人的にはかなり不完全燃焼。
     不完全燃焼覚悟で読むのであればオススメしますが。
    「あー! 面白かった!!」ってすっきりしたいのであれば他の話を読むことをオススメします……。
     読み終わったのに、読み終わった感がないです。

全1240件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×