午前0時の忘れもの (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087486766

感想・レビュー・書評

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  • とても面白かった。
    どうだったの?と聞かれて、この言葉がまず出てきました。

    1冊の本の中で、1つの物語のなかで、様々な年代の人生が書かれていて読めば読むほど話に引きずり込まれていく感覚でした。

    読んでいてあー、これはこうなんだろうなと憶測立てていたことも後でちゃんと伏線回収されていてスッキリした。

    なにか読みたい!と思ったときに、とりあえず1回読んでみて欲しいです。

  • 大切な人を失う辛さ
    生きることの美しさ
    誰かを心から愛することの美しさ

     人との出会い、別れ。生きていくこと。それら全てが儚く素晴らしいものであると教えられた。
     バス・ターミナルに集まった人たちの出会いは、とても美しかった。色々な奇跡が重なって彼らは巡り合ったのだ。
    「うまくやりゃ、一気に兄貴分だ。刑務所に入って、出て来たときにゃ、大勢出迎えが来るんだ」
    「そんなもんが何なのよ!出迎える人たちだって、みんないつかあんたを殺そうとするかもしれないのよ。それより、心から愛してくれる人が一人だけ待っててくれる方が、ずっとすばらしいじゃないの」
     みんなに認められようとしなくてよい。多くの人に尊敬されようとする必要もない。誰か一人、一人でよいから自分のことを心から愛し、想い続けてくれる人がいるだけで、幸せでいられるのだと教えられた台詞だった。
     しかし、恵と淳には本当に感動した恵と同世代の私、もし一緒に行って(逝って)ほしいと言われたとき、どうするだろうか。私に心から愛する人ができて、将来を捧げてよいと思える人が死んだとき、それこそ文字通り自分の将来を捧げて一緒に死ぬことができるだろうか。私には、さっぱり分からない。それでも、淳の葛藤は本当によく分かる。ひとりぼっちで寂しい。恋人に一緒に来てほしい。だが、彼女の人生を捧げさせるのは絶対に嫌だ。そんな葛藤は本当に苦しいものだろうが、それは愛ゆえなのだ。愛があるから、悩みもがき続ける。とても儚く美しいではないか。
     貢と法子は、命をかけた愛を教えてくれた。誰かに自分の命、人生を捧げて、守り、支え合いながら一生を共にすることがいかに素晴らしいものかを私に教えてくれた。
     これほどまでに美しい奇跡なら、起こってもおかしくないと思えた。もはや、当然とさえ感じてしまう。儚くもあるが、美しくもある。皆が幸せになれる。このような奇跡が、誰かを心から愛している人々に起こることを心から願っている。
     赤川 次郎先生、これほどまでに儚くも美しい、小説を書いてくださり、本当にありがとうございます。後半は涙が邪魔で本が読めませんでした。

  • 赤川さんの作品で、感動した作品は初めてでした。

    亡くなって、遠くに行ってしまった大切な人と、午前0時にくるバスで一度だけ会えるとしたら、自分だったら何を伝えるだろうと考えながら、読んでいました。

    心温まるストーリーでした。
    身近な人との関係を普段から大切にしたいと思わせてくれる作品でした!

  • 中学生の頃、赤川次郎さんが周りで流行ってたけど、赤川さん作品を今になり初めて読んだ私。昨日までは湊かなえさん世界に入り浸ってたので、後味スッキリいいお話だった。ファンタジーもいいなと、ふわふわしながら読めました。想像力を掻き立てられますね。
    ただ、セリフが多くないですか?登場人物たちの、雑談のような部分。誰か同感してくれる方!いや、それは話の大事なものを表すのに必要なのかもしれないな?と思いつつ、くどくて飛ばし飛ばし呼んでしまったところが多かったです。

  • まあ普通かな。感動はするけど。

  • 微妙。登場人物が多すぎてごちゃごちゃになる。
    まあ面白いけど、内容の前後がかみ合わない気がする。

  • いつ死ぬかは誰にもわからないし、自分の大切な人が明日も生きていてくれている保証はないという当たり前のことだが忘れがちなことを再度実感した。

    死んだ人が舞い戻ってくるようなお話は暗い話になりがちな印象だったが、コミカルな部分も合わさり最後まで温かみを感じる作品だった。

    おっちょこちょいな沙由利さんが自分と重なりちょっと悲しかった、、笑

  • 良くない意味で、現実味がなく、私には響かなかった。

  • □ 2147.
    〈読破期間〉
    2021/7/15~2021/7/21

  • 読み易いというか読み進めてしまう感じで一気読みしました。上手くまとまった内容で良い作品だと思います。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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