こころ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.89
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本棚登録 : 3905
感想 : 380
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087520095

感想・レビュー・書評

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  • 読んだ方がいい本ということで紹介されていたので全く無知のまま読み進めていきました。読み進めるのが怖くなりました。(上)で挙げられた先生に対する疑問、(中)での自身の境遇、(下)での先生の自白。私にとって難しい表現が多かったこともあり、途中で嫌になってしまうだろうと感じていたのですが、早く読み進めたいという気持ちと、しかし読み進めるごとに怖くなる。それぞれのこころが入り混じったなんとも言えない感覚になりました。もっと夏目漱石の本を読みたいと思いました。

  • 過去の後悔を背負って苦しみながら生きていくというのは、この物語ほどでも無いにしろ誰にでも当てはまるものだと思え、改めて自分の生き方の不器用なところに自身で少し寛容になれた。よく「こころ」は読むたびに違う捉え方や気づきがあって面白いと言われてるけど、高校や大学でさらっと読んだときに比べて、遥かに考えさせられるところが多く、ハイカロリーでした。また数年後に読んでみたい。

  • 文豪・名作、判断するのはあなたです。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 2014.10.15読了。

  • Kというイニシャルだったね♪(あがた森魚)現代も国や文化を問わず著名な表現者が自死を選ぶ、ということで知識人の苦悩というのは今も変わることのない非常に個人的な問題なのだなと思った次第です。他人の心を知り得ないことへの苦悩。これでドツボにはまってしまうと、自殺のリスクも高まるのではないでしょうか。そしてこの頃の学生のやることのなさったら、小津安二郎スクリーンの物語とも似てるようにも思うのですが、そんなことはないでしょうか?一行ずつなめるように読みたくなる、文章きれいですねやはり。

  • 「私」は、鎌倉の海で出会った「先生」の不思議な人柄に強く惹かれ、関心を持つ。
    「先生」が、恋人を得る為親友を裏切り、自殺に追い込んだ過去は、その遺書によって明らかにされてゆく。
    近代知識人の苦悩を透徹した文章で描いた著者の代表作。

  • かつて叔父に騙されて、財産を取られた先生が、今度は自分が抜けがけでお嬢さんと結婚を決めてしまい、その結果Kが自殺するという騙す側になってしまった物語。先生の苦悩がしっかりと記述されている。

  • 奥さんとお嬢さんはKから打ち明けられていたが、それを惚けて先生に嘘をついた。・・・・・・と、まぁなっていたらこれはもうオカルトだ。死んだ先生さぞかし怒りに狂うだろう。又死にきれづ何処かでご存命なら、なお可笑しい。

    もう3回目の読みだが、そして「愛読書は?」と聞かれると「こころ」と応え続けて来たのだが、もう「こころ」と言いにくくなった。いや!面白くないと云うのではない。年齢に伴う読解力の差異か。私の「こころ」から純真さが欠けたのか?切なさが愚かさに変化した今度の再読でした。そうだ財産相続はちゃんとしておけと先生がおっしゃっていたぞ。私もそろそろ遺言書をしたためておかなくては・・・・・あぁ忙しい。
    恋愛、友情物語として読んだ学生のころ、人間の業を悲しく描いた物語に変貌した今回・・・・

  • これは恋の物語では無く人間の心の物語。まさに題名の通りなのだなと思った。
    恋を知らない私の心では、きっとまだ理解できていない部分が多いのかと思う。誰かに恋をしてから、もう一度読み直したい。

  •  言わずと知れた名著だが、ちゃんと読んだことがなかったので、思い立って昨年購入。しかし、いざ手を付けてみたものの何度も遺書の途中で挫折してきた。そのたび最初から読み直していたから列車に乗りこむまでの印象が強い強い。だからというわけでもないが、先生と僕の問答は含蓄があって面白い。
     列車の辺りが山場かな、なんたって高校の教科書でとうにネタバレしちゃってるし。などと大きな期待をせずに読み進めたのだが、むしろネタバレそのものよりも、そこに至るまでのKとのやりとり、その後の先生の心情が変化していく描写が非常に興味深―い。
     Kは一見強情で芯の通った人間に見えるが、その実素直で、心の弱さを学問で隠しているように見える。それに対し先生は、そんなKに劣等感を抱きながらその素直さを利用する狡猾さを持っているようでいて、結局己が生み出した罪悪感に人知れず苛まれていくことになる。
     このふたりは、共に「淋しみ」とうまく付き合うことのできなかった不器用な人だったのだと、そんなことを思う。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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