東京物語

著者 :
  • 集英社
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087745191

感想・レビュー・書評

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  • 79~89年を描いた話。
    良くも悪くも勢いのある話であった。

    確かに、バブルというと広告代理店が頭に浮かぶ。

  • 2000年代に書かれたほぼ1980年代の物語。
    結構楽しく読めた。
    名古屋がソウルとオリンピックを争って敗けたことは知らなかった。
    タイトルがもひとつだと思う。

  • 主人公は駆け出しのコピーライターの田村久雄。

    短編綴りになっており、ジョン・レノンが射殺された日や、ベルリンの壁崩壊の時に、田村がどんな様子で東京を感じ、生きていたかを綴っている。

    80年代を主軸にバブルで盛り上がる中、若者の感受性や、価値観を描いています。

    ストーリーとしては波があるわけでもないですが、面白く読了しました。

  • 世の中がバブルへ向けて大きく舵を切り始める1980年代が時代背景。田舎がいやで親の反対を押し切って上京してきた主人公久雄の20代を浪人、大学中退を経て、コピーライターとして一人前に成長していく様を6篇の短編にてつなぐ。単純なストーリではあるが、読み応えはあり。ジョンレノン殺害、ベルリンの壁崩壊など、各編ごとに象徴的な出来事をうまーく絡めてその時々の主人公の心の揺れを繊細かつ大胆なタッチにて書き込む。アンド泣きと笑いを絶妙なタイミングで織り込む事で、物語に強いリズムが生まれてくるのであろう。さすが奥田作品!!バブルを経験した人はタイムスリップでき、知らない人は仮想体験できるすばらしい出来栄えです。初夏にもってこいの爽やかな気分に浸れますよ~。

  • 2015.1.2読了
    きっと一度読んでるな。一生懸命は一生懸命なんだけど、調子に乗っていたり、勘違いしていて、でも憎めない。私の上京は歳をとってからだったけど、あの日のあの感じを思い出したな。(図書館)

  • 読み始めは短編集なので、どうかなと思っていたが、なかなかおもしろかった。ハラハラドキドキ感はないが、若い久雄に共感するところもある。

    以下、ネタばれ。

    6つのストーリーの短編集だが、すべての主人公は田村久雄。名古屋から東京に出てきた若者。
    「あの日、聴いた歌 1980/12/9」
    ジョン・レノンが殺害された日。大学を中退し、コピーライターとして働き始め、やりがいを感じている。
    「春本番 1978/4/4」
    大学入試に失敗し、予備校に入学するため両親に反対されつつも東京住まいを始める。キャンディーズが後楽園球場で解散コンサートをする日に、孤独に耐えかね、友人を探し回る。
    「レモン 1979/6/2」
    大学に入学し、演劇部に入部する。江夏卓が阪神戦で初登板をする日。演劇部の同級生とのいざこざから恋の予感。
    「名古屋オリンピック 1981/9/30」
    仕事が充実してきて、部下(同い年と1歳年下)ができ、仕事にできなさに怒りながら、自分のことも考える。上司とは何だ?部下を育てるには?
    「彼女のハイヒール 1985/1/15」
    2年前に会社から独立し、フリーのコピーライターとして仕事をしている。母親が上京し、食事に誘われるが実はお見合いだった。相手も名古屋出身の同い年の洋子。お互いにいやいながらデートをするうちにうち解け、恋の予感?
    「バチュラー・パーティー 1989/11/10)
    恋人の恵理子と週末を一緒に過ごしている。仕事は仲間数人と会社を立ち上げ、いなやクライアントに引きづり回される。お金のためだから。友人の結婚前のパーティーにも遅れてしまう。恵理子も会場で待っていて1週間早いバースデープレセントを渡される。1週間早い意味を聞かされ、幸せな気分になる。ベルリンの壁が崩壊した日、青春から人生への一歩を踏み出す。

  • 年代や年齢での差をはかる気はないけれど、いわゆるバブル期を過ごしてきた人たちは、なにか違う。その人に染みついた空気なり空間の記録は、飲み屋で聞いた話のよう。

  • 年代が、ほぼ近い。懐かしい。

  • 80年代、バブルの頃の東京を舞台にした青春の物語。
    世代的に同じなのでとてもなつかしく読みました。

  • 自分の知っている場所が小説にでてくるだけで嬉しい。
    自分の知っている人がテレビにでてくるだけで嬉しいのと一緒で。

    名古屋オリンピックです。バブルです。
    私はあまり知らないはずの時代でも、まるで一度経験したかのように
    誰かの人生を生きる。

    こういう経験って、まさに読書の醍醐味。
    タイトル同じの映画東京物語を見たときに、東京って、日本ってこういう感じだったんだ。と信じられない思いで学習するのとは違い、少し覚えている。少し私に近い時代。

    最近忙しくて旅行に行けない人。タイムスリップにオススメです。

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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