- Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091386823
作品紹介・あらすじ
チェロの音が紡ぐ、天才と凡才の物語
海難事故に遭い、暗い海原を漂い、死の淵にあった郁未。彼を岸まで導いたのは、鉄雄が弾くチェロの”音色”だった--。
鉄雄の家で暮らすようになった郁未に、鉄雄がチェロを教え始めたことで、少年たちの未来が大きく動き始めたーー!!
感想・レビュー・書評
-
やっと読めた
凄かった、の一言しか出ない
尾田栄一郎先生や藤田和日郎先生、または羽海野チカ先生、CLAMP先生とは違うのだけれど、確実に近しい怪物性が、穂積先生の中にはある
この先生は一体、どれだけの伸びしろがあるんだよ
『うせもの宿』で、限界を突破できる人だって確信を得る一方で、それは命そのものを削りそうだって危惧があった。なので、次回作を期待する一方で不安を覚えていた
この『僕のジョバンニ』を読んで、私は嬉しくなる一方で、背中が寒くなってしまった。穂積先生は、意識して、命を燃やしてイイ作品を描いてるんじゃないだろうか
読み手としちゃ、それは最低の行為だから止めろ、とは言えない。良い作品を読めなくなるのは辛いのだけど、極端な話、自分の命の使い方は自分だけが決めていい。自分が満足できる作品を完成させて逝く、そう決めてるなら、寿命を才能に放り込んで、より燃やす様を、こちらとしちゃ下唇を噛んで見てるしかない
もちろん、これはファン失格かもしれない。けど、もっと面白い漫画を描いてくれ、そう願うのが漫画読みの業だ
そんな穂積先生が、こんな歪んだファンに向けて描いた今作のテーマは、「才能」だろうか。『さよならソルシエ』も主題は「才能」だったが、こちらは、どちらかと言えば、持たざる者が持つ者に嫉妬する、そんな感じだった
この『僕のジョバンニ』にも、そんな雰囲気はあるものの、根本的なところは「天才の孤独」だろう
天才は孤独を覚えて苦しみ、それを昇華させて芸術を生み出す。しかし、それは普通の天才。バケモノ、そう評すべきタイプの天才は、自分が孤独である事に気付かず、または露にも止めない。認められない悔しさや寂しさ、と言った強い感情を、作品を生み出すのに必要とせず、「楽しい」だけで何でも出来てしまう。そして、そんな無邪気さで、普通の天才に更なる孤独を強いる
二人の天才、その間にある圧倒かつ絶望的な差もしくは壁
ありきたりな内容、そんな事は読んだら言えなくなる
この作品で穂積先生を知ったのなら、あまりの圧に吹っ飛ばされ、ファンにはなれない、と思っちゃうかもな
何せ、『式の前日』、『さよならソルシエ』、『うせもの宿』を読んで、拙いなりに感想を書かせてもらった私ですら、ガードも出来ず、打たれまくり、読み終わった後、立ち上がる事が出来なくなってしまったのだから
実際、代表作三つも未だに、私の急所をエグる実力がある。このシーンでKOされた、と身構えていても、他のシーンで顎をイイ角度で打たれてしまい、膝が笑ってしまう。そのダメージを見逃さず、穂積先生は畳みかけてくる
勝負所を見誤らない、そういうタイプっつーか、一握りの漫画家だけが持てる嗅覚があるのだろう、穂積先生には
正直、今後、どんな展開になっていくのか、全く想像できない。次巻を読むのが楽しみなような、怖いような
この台詞を引用に選んだのは、「救い」と「裏切り」、その二面性があったからだ。つくづく、言葉ってのは人の心に影響を齎す。相手を傷つける、と判った上で言葉をぶつける輩も最低だが、自分の言葉が相手の心を殺しかねない事を気付けないのも性質が悪い。まぁ、天才には、総じて、そういう凡人の心の痛みが理解できないって欠点があるからな、らしいっちゃらしいんだが詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一巻ラストから泣きそう
-
面白かった!
正直穂積さんって上手いけど物足りないって思ってたけど、これは一皮剥けるかな。
少年たちの才能物。
これが長編で続くといいな。 -
男の子2人の出会い。ジョバンニというと銀河鉄道の夜のジョバンニとカムパネルラの事だと思うんだけど、どちらが僕(カムパネルラ?)でどちらがジョバンニなんだろう。
-
相変わらずのミステリアス穂積さん。
ジョバンニということは、やはり思い出されるのはカムパネルラで、
「銀河鉄道の夜」で、あの結末…。ふたりはどうなっていくのでしょう。
で、どっちが「ジョバンニ」なのでしょう。
そして、実はこれも引っかかってるのでは…?と感じるのも穂積さん。
これからの展開に興味津々です。 -
穂積さんの新作はチェロにまつわるお話、ということを聞きつけて購入。
変な声出たね……\(^o^)/ホヒー -
音楽ジャンルの作品っていいよね。