民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論

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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798129

感想・レビュー・書評

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  • 【読者】 机上ではなく実体的な経済についての見地を得たい方

    【目的】 心理経済学の考え方をもとに、日本の経済を上向かせるための大前流のヒントを与える

    【一押】 変化を続ける海外市場の動向と今後注目すべき国がわかってくる。政治においても企業においても個人においても、目的を持つことの重要性が理解できる

    【概要】 カネはあるのにモノを買わないという現代の日本経済を上向かせるには、「神の見えざる手」のようなマクロ経済学を起点とした考え方ではなく、人々の消費に対する心理的な動きである「民の見えざる手」を考慮する必要がある。本書はその「民の見えざる手」を分析し、大きく分けて以下3種の需要を解説している。
    ①企業が見えていないだけですぐそこにある需要・・・単身世帯の需要、機能でなく価値に対する需要
    ②日本の外に存在する「新興国&途上国」需要・・・重要なお客様としての中国市場、コストが安く内需が拡大するインドネシア市場、原子力で協働できるロシア市場、ビジネス新大陸といえる東欧市場
    ③規制緩和によって生まれる大規模都市開発という潜在需要・・・市街化調整区域の緩和、湾岸部再開発、容積率の大幅緩和
    さらに今後20年で日本が再度成長していくための人材力と政策への提言をする。

    【感想】 日本がどうしていくべきかが説得力を持って書かれている。全てを肯定するわけではないが、大前氏のような広い視座を持つことが重要だと感じた。印象に残った意見としては、政治のリーダーには経営でリーダーシップをとった人物がなるべきというものである。日本の現状を見るにこの意見には賛成できる。ただ経済成長より福祉政策が重視される日本では、そうした人物が現れにくいのかもしれない。

  • 価格と価値を混同しない
    加ト吉 留学生を採用し、教育して現地のリーダーとする
    インドネシア 官僚の給料を3倍にした 腐敗が減った
    市街化調整区域、湾岸100万都市構想、容積率緩和、すべてのルールは住民が決める
    韓国 国をあげてIT、英語を強化

  • 政官による経済対策の行き詰まりの問題点を示すと同時に、国民がグッドライフを目指すことにより、増税なく景気も拡大するなどの処方箋や国際社会で通用する人材に必要な教育のあり方などの主張が分かりやすい。
    世界に目を開くこと、本質を問うこと、疑問を持ち、考えることの大切さを改めて感じさせられた。
    11-12

  • ・”座して死を待つ”
    ・消費者の間に心の余裕がない
    ・牛丼と高級旅館
    ・単身者向けのサービス 未婚化・晩婚化・熟年離婚・死別
    ・フルフィネントサービス
    ・超一品.com
    ・韓国の少子化は日本より進んでいる

  • 消費を抑える人にいかに使おうと思わせるか、考え方も参考になる。
    IT、英語、問題解決力をいまからでも磨き上げないとな。

  • 凍てついた消費者の心理を溶かし、縮み志向の企業を転換させるビジネスチャンスはどこにあるのか。経済を膨らませるのは、個人の欲望にある。「国が富む」とは「充実した毎日を送っている」「人生が楽しい」と思えるようなグッドライフを追求することである。大前氏の「いつまでも夢を忘れずにいる」という提言は、今まさにこの国に必要とされている活力源である。

  • インドネシアやルーマニアの情勢なんかを踏まえての提言は他の本であまり見ないのでおもしろかった。それ以外は拝金主義で思いつきレベルの話を自分の立場からのみで言っているような感が否めない。確かにそんな甘ちゃんじゃあ生き残れないのかもしれないが、こんなに偉そうに語られると心に響かない。

    冷静に読めば現状打破のヒントとなるのだろうけど。

  • 「お金の流れが変わった!」での氏の訴えをもう少し深く理解したく手にとってみた一冊。おもしろかった。

    いかに日本の国際競争力(国、個人共に)が低下しているかがよくわかる。近年の著書で再三訴えられていることではあるが、韓国、中国、台湾、シンガポール辺りの成長度合いは本当に半端ないと感じる。日本の国力低下は現在進行形であり、このままいくとイタリアのような形に帰結するのは間違いないかと。

    それはそれでいいと思うが、やはり最小不幸社会(あえて菅総理を引用)を実現するためには何かしらメスを入れて、状況打開を図らなければいけない。それが本書を読んでの素直な感想。民の見えざる手というか、国富論の色合いが強かった。

    個人的ハイライトは第五章の人材育成のパート。「ちんたら教育」という言葉を見てあまりの的の的確さにふいてしまった。

    実際企業内部から自社をみていても感じるが、リーダーシップと能力を兼ね揃えた人材育成は急務だと思う。うちは(今のところ)割と国際競争力を持った大企業であると思うけれども、凄いと思う人はいるもののカリスマと思える人が見当たらないのが実情。

    まずは国としてしっかりとした人材ビジョンを持って、官民交えての人材の成長が必要だと強く感じた。

  • 最近読んだ柳井さんとの対談本とは違って、この本は話の流れも論理的ですっと頭に入ってきた。特に経済活性化の策としての、新興国&途上国市場の話と規制撤廃の話はとても面白かった。大前イストの知人に言わせるとこれまでの大前さんの主張の総ざらい本だそうだが、最近の著書を読んでない自分にとってはとても新鮮だった。

  • 世界が見える。これから何をすれば良いのか?が見えてくるような気がする。問題解決能力の重要性を痛感。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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