逆説の日本史 25: 明治風雲編 日英同盟と黄禍論の謎

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093801171

作品紹介・あらすじ

大英帝国は、なぜ日本と同盟を結んだのか?

『週刊ポスト』誌上で、じつに四半世紀以上にわたり連載中の、作家・井沢元彦氏による歴史ノンフィクションの金字塔『逆説の日本史』。前巻より1年半ぶりの刊行となる最新刊25巻では、西洋近代化の流れのなかで進んだ「文化大改革」と、大英帝国との同盟を実現しながらロシアとの開戦へ傾いていった明治政府の動きについて詳述しています。
第一章では、文学、国語、唱歌といった日本語の「改造」計画について考察します。初代文部大臣・森有礼が推し進めた「日本語を廃止し、英語を国語化する」という驚くべきアイデアは、なぜ闇に葬られたのか? 政府が「唱歌」に込めた隠された意図とは何だったのか?
第二章のテーマは、明治になって急速に進んだ、演劇と芸術の変革です。とくに、川上音二郎が実践者となった「演劇改良運動」、そして彼の妻「マダム貞奴」に代表される女優の復活について焦点を当てています。
第三章では、誇り高き大英帝国が「栄光ある孤立」を捨てて極東の小国・日本と同盟を結んだ真意とその影響。さらに、ヨーロッパを席巻した「黄禍論」について解説します。
歴史を俯瞰する“井沢史観”の真髄が盛り込まれた、渾身の一冊です。

感想・レビュー・書評

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  •  本巻は、半分以上を急激な国際化の中での日本語のあり方や演劇、歌舞伎、落語等の明治文化に紙面を費やしている。歴史を語る上で文化面を見なければ当時の人々の価値観を理解できないことなどは分かるが、一般の歴史と離れて演劇等の興味を持てない分野を読み進めるのは苦行であった。
     文化面以外については、日露戦争前夜の記述が主であったが、近代日本史の分岐点となった日清日露両戦争や勃発までの国際関係や背景について、一般に知られている以外の記述がいくつかあり、太平洋戦争に至るまでの大局的な近代史の理解に役立った。

  • 心の中で飽きているのはわかっていても25巻にもなると、つい惰性になってしまう。最初のころのワクワク感はもはやない。やはり水は淀むのだと改めて思った。

  • このシリーズは 私の目を 覚まさせてくれました。

    日本史は どちらかというと つまらない。

    でも このシリーズに 出合って もう一度 じっくり 向合ってみようと思いました。

    今回は 日英同盟。

    なぜに イギリスが 日本と 同盟を結んだか。

    分かりました。

    週刊ポストで 読むと なるほどと思うんですが。

    こうして 本となり 

    続けて 読むと もっと 深く わかります。

    このシリーズで 私は 信長が 好きになりました。

    昔は 家康のほうが 数倍も 好きでしたが。

    今は はっきり言えます。 

    歴史上では 信長が 最高です。

    完結したら また 最初から 読んでみたいと思います。

    まだ 完結は 遠いですが。

  • このシリーズも25巻目。近代に入って進みが遅くなったが、本書もいつの時点をテーマにしているのか見失ってしまうくらい行ったり、来たり。
    あちこちで井沢節炸裂で、もういいんじゃないか、と思える場面も散見される。
    それでも今から振り返って後知恵でどうなのかではなく、その時々の常識ではこうだったのではないか、という視点は本書のオリジナル。こうやって楽しみながら通史をじっくり読めるのはありがたい。

  • ここまで全巻読んできていますので敬意を表して読みましたが、いやー、前からクドイですが、さらにクドくなっており、ちょっと行き過ぎの感がありますね〜
    呉座勇一さんに批判されたので反論しているのですが、まあ、お互いそこまでムキにならなくても…と読んでいて思ってしまいます。さすがに…
    まあ、演劇や落語など、これまで知らなかったことを知り得、相変わらず色々と興味深く、それなりに楽しく読みましたが。

  • 文化史のウエイトが大きく、あまり興味がなかったので読み飛ばした。

  • 今回は、明治風雲編日英同盟と黄禍論の謎。 というタイトル。 
    内容としては、明治初期の『文化改革』(日本語、演劇芸術)。
    日露戦争への道。(日英同盟)といったところ。 
    明治編に入ってから、内容の半分以上が日本歴史学会・朱子学批判になっている。 
    まぁ、言いたいことは判りますがちょっと粘着しすぎではないかと・・・。 
    結局、日英同盟と黄禍論は本書の1/3しか割かれていないぞ。 
    正直、惰性で毎年読んでます。 

  • 大津事件が後に与えた影響の大きさ,日英同盟の意義など,歴史的事実としては知っている出来事の有機的な繋がりが分かるので,非常に勉強になります。

    近現代史は知識が薄いので,これからも楽しみにしています。

  • 毎巻そうだが、新たに知ることも多く興味深く読むことができた。
    しかし、本巻も含め、ちょっと脱線が多すぎませんか?日本歴史学会の欠陥については、もう幾度となく読んでますので…

  • シリーズ25作目にして日露戦争直前まで到達。20年ぶりぐらいに読むのを再開した。通説や権威にケンカを売る独自の見解は相変わらず。言霊、怨霊、宗教をキーワードに立てられているロジックは一定の説得力あるが、筆が脱線するため論理がわかりにくい。
    第二章「演劇そして芸術一般改革」は飛ばした。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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