サラバ! (上)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863926

感想・レビュー・書評

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  • 「あんたは生まれる前からもう愛されてるって思った。」

    第152回直木賞受賞作。

    圷歩(あくつ あゆむ)少年を通して西加奈子の半生が描かれているような物語。

    イラン、大阪、エジプト、大阪。
    男の子が主人公のためか、西加奈子の独特なジュクジュク感はそこまで発揮されておらず、読みやすい。

    メイドのバツール
    大阪のドン・コルレオーネ 矢田のおばちゃん
    独身の夏枝おばさん
    たはらえいじ
    牧田さん
    向井さん
    ヤコブ
    須玖…
    どの人物の物語も欠かすことができないが、特に印象的な人物たち。

    「今俺がおる世界以外にも、世界があるって思える。」

  • 姉の幼少期の奇行は発達障害によるものだったんじゃないかな。自分で制御できることではないことと、母親の気の強い性格もあり、二人はぶつかり合い続ける。ただ、この物語の主人公は歩で、家族や環境をうまくかわして、更に容姿に恵まれていたこともあり、内的に満たされていたかどうかは別として、まあまあ楽しく過ごしていたように思われる。
    ヤコブとの繋がりは、異国人、同性、友達、恋人、家族、どのような関係性とも違う、人と人との深い結びつきを感じた。

  • 主人公男の子の半生(生まれて高校生まで)
    上だけでなんともいえないけど
    波乱万丈な男の子の自伝ってかんじで
    つまらなくはない(おもしろい)けど
    そこまでなにか感じるものがあるわけではなく
    後半どうなるのかな?

    インドでの親友ヤコブがかっこいい
    高校での親友の子もかっこいい
    主人公がちょっとホモっぽい(わけではないけど)のがおもしろい^^


    男の子目線だけど、いろいろ観察眼というか内面描写や周りの人の心理状態も推測ではあるけど丁寧で、(そりゃ作家が書いてるフィクションだからそりゃそうなんだけど)
    自分の自分なりに波乱万丈(でもないか)なこれまでの人生をこういう風に小説にできたら面白いのにな、って思った。

    自分の人生って親や兄弟やともだちが場面場面ではいっしょにすごしたりしてるけど
    本当にほんとに自分の経験してきたことや感じたことは自分しかわからないわけで
    それが本になったらおもしろいな~~って思った

    でも実際書こうとしてもなんにも覚えてないからかけないんだけど><

    後半に期待

  • 読書日数10日

    一人の少年の半生記。生まれた時から高校2年生までのことが綴られている。

    イランで生まれた主人公(歩)が姉の貴子と母に翻弄されながらも「いかに自分が目立たなくいい人でいられるか」ということ、そして「自分という気配を殺して生きる」ということに執念を燃やすような行動をとり続けることで、様々なことに巻き込まれながらも、それなりに懸命に生きていく姿が、描かれている。

    日本では破天荒な姉だったが、エジプトでの初恋をきっかけに母親とも反りがあい、しばらくはうまく時が流れていたが、父親の浮気(だと思うが)がもとで、離婚をすることになっていく。

    そんな中で、主人公が出会った一人のエジプト人「ヤコプ」と交わす「サラバ」という言葉。

    この言葉を心で唱えていれば、つながっていられるという、小学生ではなかなかそう言った感情にならないのではと思うことを主人公は、この壮絶な環境に必死で適応しようとしてそうなったのだと思う。

    そんななかでの姉の「宗教家」としての活動、母の色恋沙汰、そして高校生になった自分がどう言ったことを思い青春時代を過ごしていくのか。

    楽しみに読みたい

  • 上巻を読む限り、何が面白いのかようわからん。ある人のコメントを読んでみたら、まず上巻を読んでみて判断してほしい的なことがかいてあったので、上巻を読んでみたが、上巻だけではなぜ直木賞なのか、ほめる人がたくさんいるのか全くわからない。
    自分を押し出し過ぎて(極度のKY)の姉、空気を読み過ぎて自分がない弟。主人公である歩は空気をよんでうまく立ち回る。長身で二枚目、かつ出しゃばらない。男からも女からもモテモテである。そんな歩は、非常識でどこに対してもぶつかり続ける姉を嫌い続ける。家族を避けて東京に出てくる歩は、ライターとしても成功して、美人の彼女もいて、モテモテで、最高の人生のスタートって感じである。不幸のどん底の姉と比べて、幸福の絶頂の弟。
    下巻で何が起こるのか、楽しみな感じを残して上巻は終わるのである。

  • 下巻の途中くらいから面白くなってきた。歪な家族とアイデンティティ形成の物語。

  • 主人公の歩君の誕生から高校時代までの出来事のお話。語り手は歩君。家庭環境は複雑で、こういう環境で形成された歩君の性格に不穏さを感じる。
    でも、主人公の考えの中に、自分を見せられているようで、微妙な気持ちが残った。
    そして、何年かぶりに日本に帰国し、町中の親切な案内を見た母親の「これでは自分で考える暇がない。日本人は退化してしまうんじゃないか」と
    言う言葉にドキッとした。生きていく上での何かを引き替えにしているのかも知れないと思うと怖くなる。まぁ、便利な方を選択しちゃうと思うけど(^_^;)
    下巻は劇的な変化がありそうなので、期待して読みたい。

  • 順番予約を間違えて下巻を先に読んでしまったのだけれども上巻を読んで改めて言い小説だなあと思いました。

  • 27.7.15読了
    やっと上巻読めた!一気読みしたかったので時間が作れるまで我慢した!

    西加奈子さんの作品に高頻度で登場するエキセントリックな(そして一番魅力的な)登場人物。今作では姉ちゃんかな。自己顕示欲の塊。

    よーし下巻も読むぞー。早く続きを知りたいのに読み終わりたくない。勿体なくて。
    なんて幸せな贅沢。

  • 圷(今橋)歩の半生の半分ぐらい(高校生)まで。

    長い。だらだら長くて飽き飽きしつつも読み進めてしまうのはどうしてでしょう。
    どうなるのか分からないので下巻も読みます。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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