短歌という爆弾: 今すぐ歌人になりたいあなたのために

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  • 小学館
3.60
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感想 : 35
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  • / ISBN・EAN: 9784093873123

感想・レビュー・書評

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  • 穂村弘さんのファンなので、図書館でこの本を、借りたのです。自分で短歌を、作る気なんて、さらさらなかったのです。でも、穂村さんの文章を、数ページ読んだだけで、短歌が作りたくなってしまいました。ほむほむマジックです。

    ひとつ 作ってみました。

    目をあけて この音じゃない ゆめをみる
    つめたいのバカ おきなさいミィ

    、、、下手くそですが、こんなのなら、いくつでも出来そう。もっといろんなの 作りたいです。



    ましろけの 瞳の涙 うそ、嘘よ 猫は泣かない
    ごめん嘘です

    、、、ああ、やはりネコの歌になってしまいました



    突然に 神なんですか イエスって 大人よあなた
    低い声好き


    、、、こう聞かれた時、 イエスは神の子、と 答えました。間違ってませんよね?



    ふらついた だきしめられて ゴメンなと
    つきとばされた そんな気がした


    、、、う〜ん、明るい歌、難しいですね…。



    いい匂い まぶしい光 桜草 昨日の夜は
    わからなかった


    、、、これって短歌になってるんでしょうか…?

    当たり前だが、厳しい修行が、待っている。
    ガンバレ私!負けるなファイト!

    りまのでした!



    • stardancerさん
      好みの本が重なっていたのでフォローさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします(^^♪ 穂村さん私も大好きです。
      好みの本が重なっていたのでフォローさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします(^^♪ 穂村さん私も大好きです。
      2021/02/07
    • りまのさん
      ありがとうございます♪嬉しいです ♡ どうぞよろしくお願いいたします!
      りまの
      ありがとうございます♪嬉しいです ♡ どうぞよろしくお願いいたします!
      りまの
      2021/02/07
  • 2000年発行の、穂村弘さんによる、歌人になるための指南書と呼ぶべき一冊です。

    まず、「想い」をいかにして短歌形式に込めるか、から始まり(「短歌はプロに訊け!」の出張版では、東直子さんの意見も読めて興味深い)、仲間を見つける方法(結社や同人誌等)、歌集の作り方に、歌会、批評会、青空朗読コンサートと、展開していきますが、私が心を揺さぶられたのは、それらとはまた別の観点で、二つありました。

    一つ目は、過去の様々な名歌に対する、穂村さんの分析が読めることで、これは贅沢だなあと感じ・・本来の趣旨は、これを読んで、如何に衝撃のある歌を作るかの勉強にすることだと思うのですが、私にとっては、興味ある歌人を知るきっかけにもなりました。

    いくつか挙げますと

    砂浜に二人で埋めた飛行機の折れた翼を忘れないでね 俵万智
    (お名前は有名で知っていたのですが、歌を知ったのは初めてでした)

    永遠(とこしえ)にまろぶことなき佳き独楽をわれ作らむと大木を伐る 石川啄木
    (歌集に未収録とのことですが、私的には、一握の砂より印象的でした)

    白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 若山牧水
    (穂村さんの分析で震えが走りました・・白鳥の白)

    かたむいているような気がする国道をしんしんとひとりひとりで歩く 早坂類
    (未体験でも、ぞくぞくするようなこの臨場感は何でしょう?)

    やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君 与謝野晶子
    (何も言うことはありません)

    さみだれにみだるるみどり原子力発電所は首都の中心に置け 塚本邦雄
    (同じく言うことはありません)

    「ロッカーを蹴るなら人の顔蹴れ」と生徒にさとす「ロッカーは蹴るな」 奥村晃作
    (こう言えば、どちらも蹴らないと思ったのだろうか。それとも本気で言っているのだろうか。本気だとしたら、その表現の仕方が怖い)

    海で洗ったひまわりを投げる 未発見ビタミン的な笑顔のひとに 穂村弘
    (神谷きよみさんに贈ったバースデイ短歌があまりに素敵で載せたかった)

    それから、二つ目は、穂村さんが短歌を作りたくなったエピソードを、本書で知ることが出来たことです。

    そして、それは穂村さん自身が如何にして、脆弱だと思っていた過剰な自意識に向き合ったのかを、知ることができたことでもあり、それは彼の人生のドキュメントを観ているようで、ここまで自らの内面を曝け出して、世界の不気味さの意味を探し続け、短歌の定型の鏡の中に、言葉という形で自分自身を見出した、穂村さんはやはり凄い方なんだなと、改めて実感いたしました。

    エッセイでは面白い人だと感じましたが、やはり、短歌の分析における歌人の想いの強さには、想像を絶するひたむきさがあり、それは、

    『ひとつの歌と出逢うことはひとつの魂との出逢いである』

    『ひとりの夢や絶望は真空を伝わって万人の心に届く』

    といった言葉からも、感じられました。


    ここで、最後に、他のレビュアーさんもされている、本書あるあるをひとつ。

    それは、「本書を読むと、短歌を作りたくなる!!」

    というわけで、私も作ってみました(^^;)
    どうか、大らかな気持ちでお詠み下さい・・


    蝉の低空逃避行 もしかして私から片想い持ってっちゃった?
    (近所のスーパーに歩いて行く途中で、アスファルトすれすれに飛んでいた蝉)

    しんにゅうしゃのみを照らすと思いきや 狗尾草をかき分ける猫
    (うちの玄関にある、何かが動くと灯りの点くセンサー)

    「資源循環の早い竹を使用しています」竹のこころはどこ?

    常に見逃す電球の直列接続片方消ゆその瞬間を

    蛍光灯の糸昇った先にある あたしの放した悪意どもが

    L⇔R 「Red & Blue 」より
    想いの地遠くなりけり宵闇に きみのまなざし黄昏に燃ゆ

    ひとひらの雪ひとひらの泪 ひとひらの君のみ胸に宿して

    失礼いたしました<(_ _)>

    • たださん
      5552さん、こんばんは!

      コメントありがとうございます(^_^)

      一度に何首もといっても、実は結構期間をかけてまして、本書を登録してか...
      5552さん、こんばんは!

      コメントありがとうございます(^_^)

      一度に何首もといっても、実は結構期間をかけてまして、本書を登録してから、なかなか感想が現れないのはそうした事情なので、正直、感想と共に、自分の歌をどうしようという悩みも大きかったです(^_^;)

      文章の息継ぎの仕方に個性があるとは、初めて言われましたが、個性があって素敵とは、とても嬉しいです(単に、文章構成の基本を知らないだけかもしれませんが)。
      ありがとうございます(^_^)

      蝉の歌、気になりますか?

      はい、そうです。片想いは消滅しました(^^;)

      私が奥手なのが、幸か不幸かは分かりませんが、これまで知らなかった、相手の新たな一面を知っていくにつれて・・・みたいな感じですかね。

      というわけで、「蝉よ持ってけ!」みたいな想いと、低空飛行が見るからに辛そうで、精神的に重いもの背負ってるのかなという妄想とで、作ってみました(^^;)

      5552さんの歌、ヒイヒイ言った末に、とんでもない歌が完成しそうな予感がしており、とても楽しみです。
      完成したら、是非教えて下さいね(^_^)
      2022/08/07
    • 5552さん
      たださん、お返事ありがとうございます。

      そうですかー。
      恋心が消滅しましたか…。
      お相手の方は惜しいことしましたね。

      たださ...
      たださん、お返事ありがとうございます。

      そうですかー。
      恋心が消滅しましたか…。
      お相手の方は惜しいことしましたね。

      たださんの片思いの行方を知ることができてよかったです。
      ザワザワが治まりました。
      教えてくださり、ありがとうございます。

      ひえー、ハードルあげないでくださいぃぃ。
      プロの方や他の方の才能あふれる短歌に触れると、自分の凡人さ、才能の無さが際立ちますね。当たり前ですけど。

      ほむほむはエッセイとか対談しか読んでなくて、歌人としての凄さにピンときてないところがあるので、いつか歌集をよんでみたいです。



      2022/08/08
    • たださん
      5552さん、返事のお返事ありがとうございます。

      ザワザワが治まって、ほっとしております(^_^)
      それから、慰めのお言葉、ありがとうござ...
      5552さん、返事のお返事ありがとうございます。

      ザワザワが治まって、ほっとしております(^_^)
      それから、慰めのお言葉、ありがとうございます。

      その影響なのか、最近、以前好きだった音楽を、また聴いたりしております(本もそうですが、音楽も慰めになるのですよ)。

      ほむほむの歌人としての凄さは、やはり、第一歌集の「シンジケート」が衝撃的で、若さ・怖さ・美しさ・切なさ、何でもありの素晴らしさだと思います。

      私は歌集~エッセイという流れで読みましたが、逆の順番だとあまりのギャップに驚かれるかもしれません。

      何やらハードルあげてしまったようで、ごめんなさい(^_^;)
      私も改めて、自分の感想を読んでみると、石川啄木や若山牧水等の名歌の後に自分の歌があって・・・思わず、「はぁー」とため息出ますね。当然ですけど。

      ただ、そんな時にこそ、本書を読んでみるのはいかがでしょう?

      本書には、穂村さんと神谷きよみさんとのメールのやり取りで、神谷さんが作った短歌を、穂村さんが添削するコーナーがあるのですが、神谷さんの歌が少しずつ直されていく過程は、私みたいな初心者にも分かりやすくて、お薦めですよ。

      また、感想でも少し書きましたが、穂村さんが他の歌人の名歌を分析しているコーナーを読まれると、歌人穂村弘さんの凄さを実感できますし、穂村さん自身の歌も自己分析しているので、併せてお薦めです(^_^)
      2022/08/08
  • その短歌が"良い短歌"と言われる理由をいろんな側面からロジカルに説明してくれている。入門書のような位置付けかなと思ったけど、思ってたより、深い。この人は普段、各作品や、あるいは日常を通して何を見てるんだろうと、"底の深さ"みたいなものを感じた。

  • 副題に―今すぐ歌人になりたいあなたのために―とあるが、これはもう全くの本気。いつもの穂村弘のエッセイとは違って本書は真剣に真面目に(彼のエッセイが不真面目だというのではないが)短歌を志す初心者のために書かれている。レッスンにはじまって発表の場や方法、そして具体例に即しての短歌作法講義が展開されて行く。これを読めば、誰もが今日から歌人になれるだろう。ただし、才能に恵まれ努力を傾ければだが。作例を見ると、プロの歌人のそれとアマチュアの歌との階梯は歴然としている。ここまで懇切丁寧なのだが、実は道は遠いのだ。

  • おや、これは文庫化されていないのか。この前に読んだ「短歌の友人」とちょっと似ている。同じ時期に書いてるからか。後半の読解のところはやっぱ難しい。でも前半は読みやすかった。私にも短歌作れるだろうか。入力と出力。共感と驚異。心を一点に張る。難しそうだ。短歌は字は少ないけど、読むのに時間がかかる。それは読み取ろうとしてるからだろうな。分からないなりに。何度も読み返したくなる感じ。

  • 導火線と終章に引用したい文章がたくさんあった。
    オノマトペがやはり好きだ。辞典ほしい。

  • エッセイとはちょっと…いやかなり違う穂村さん。この人はやはり短歌の本のほうがいいと思う。短歌って面白い!と多角度から思わせてくれる。技巧というよりも、みそひともじに込めたい、その人にしかない風景を揺り起し、誘ってくれる1冊でした。短歌関連、他の人のも、あれこれ読んでみたい。

  • 相互貸借。世界に向かう呪文について。
    ほむほむと東さん、好きです。超ビギナーの私はあと何首作ればマシになれるだろうか。

  • 短歌が人を感動させる要素
    共感と驚異

    砂浜に二人で埋めた飛行機の折れた翼を忘れないでね 俵万智
    桜貝vs折れた翼
    自分自身の体験とはかけ離れた一瞬の衝撃を通過することによって、より普遍的な共感の次元へ運ばれることになる
    「飛行機の折れた翼」は、あくまで共感へ向かうためのクビレとして機能しており、多くの俵作品同様に、ここに含まれる驚異の感覚は、それ自体の純度を追求されてはいないという点にも注意したい。つまり読者の想像力が全くついてこられないほど驚異的なものは初めから目指していないのだ。読者は、「え?飛行機の折れた翼?」という一瞬の驚きの後に、本来は空高く飛んでゆくはずのものが砂に埋められるという悲しみを読み取る。さらに「二葉で一対であるはずのものが欠けてしまう」といった二人の関係性の暗示をも感じ取るだろう。
    砂時計のクビレ
    麦わら帽子ではなく、麦わら帽子のへこみ
    砂ではなく、一握の砂

    愛情や善意や暖かさを肯定的に描いていて確かにいいものなんだけども、でもそれはやはり世界の半分に過ぎない。世界の半分だけしか初めから視野に置かない形で書いているということは、いくらそれが「愛情」や「善意」という一般的にいいとされている価値観であっても、詩として見たときは物足りなさを感じさせてしまう。

    オートマティックというのは自分で書いているつもりで実は何かに書かされている言葉で良くないということ。 慣用句

    意図的な作中データの欠落は、作品の詩的な喚起力を増す
    手をひいて登る階段なかばにて抱き上げたり夏雲の下

    暗示的な対象の把握は、ビジュアル的には曖昧ではっきりしないのだが、詩的な説得力という点では、クリアに示された<マンモス>の像よりも、むしろリアルであり得る

  • よく考えられた作り。構成(目次)は導火線、製造法、設置法、構造図。そう、短歌という爆弾のトリセツなのだ。

    製造法は『短歌はじめました。 百万人の短歌入門』と『短歌の作り方、教えてください』で見た形だから新鮮味はなかったけど、設置法と終章でほむほむが短歌の世界に入った経緯とか若い時の活動とかが分かって、すごーくおもしろかった!

    構造図は自慢の分析力が全開。たくさん短歌が紹介されているし、一読では理解しきれないから、短歌をつくっている人には参考書的にお手元に1冊どうぞ。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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