モンスターU子の嘘 (小学館文庫 お 32-3)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060300

感想・レビュー・書評

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  • 女とはなんだろう
    自分をよく理解している女はとても強い

    仕事でも生活でも物事をきちんと理解しているということはとても強い

    詩子は女だからではなく自分を理解して有効活用しているのだなと…
    自分に足りない部分だと反省

  • 3分の1ぐらい読んだあたりから(末永さんのお別れの会あたりからかな?)めっちゃおもしろくて一気に読み進めたけど、最後まで謎は解けないのかと、ものすごくもどかしい読後感。美奈子さんが詩子になびいた経緯とか、それを知った蒲田とのやりとりとかをもっと見たかったな。みんな被害者のようでいて、そうでもなかったり。めっちゃ被害受けた人もいるけど、あまりクローズアップされずに終わって。 詩子になびかず、詩子に警戒されてるぐらいの玉村さんが好き。魔性の魅力を持つ詩子さんに巻き込まれていく人間模様は読んでてとってもおもしろかった。もっと関係者の話が聞きたい、これで終わらせるのもったいないと、想像力に欠けるましまろさんは思いました。内容とか登場人物が濃いだけに物足りない。まだ読みたい。

  • これ好き。定期的に読み返したくなる。

  •  フリーライターの蒲田が、親友を死に追いやった悪女・詩子の正体を取材によって突き止めようと足掻くが、いつの間にか詩子の奇妙な魅力と術中に嵌ってゆく物語。

     そして、横領の罪で服役中の幸恵が、同じく服役中の詩子に、逃れる術もなく、絡め取られてゆく物語。

     全く救いのないストーリーだ。政財界の大物への取材によって、詩子の正体を暴こうと試みた蒲田も、結局は裏で繋がっている彼らに翻弄され、悪事や詩子の実像を暴くには到らない。夫を詩子に殺されたも同然の美奈子までも、新興宗教に洗脳されて終わる。

     元銀行員で、エリート意識の抜けない幸恵も、横領した金の弁済もあり、結局は出所後、詩子の元で働く事を選ばされる。
     もんのすごい悪事を働く詩子にビックリ!という物語ではないけれど、作中で熊沢が例えた様に、女郎蜘蛛の様にじわりじわりと狙った獲物を手中に収める詩子は薄気味悪く、何も解決しないラストには、苦い後味が残る。イヤミスを読んだ後のようだ。

     最後、詩子は幸恵と蒲田をくっつけようとしていたけれども、あの後どうなったんだろうと気になる。結局2人とも、もう詩子から逃れる術はなく、他の多くの人間達と同じ様に、死ぬまで搾取されるんだろうか。それとも、マユミや玉村の様に、なんとか「普通の」人生へと戻れるんだろうか。

     スペシャルドラマとして、豪華キャストで放送したら面白そうだなあと思う作品でした。

著者プロフィール

一九六五年、福岡県生まれ。女性誌のライターなどを経て、二〇〇六年に『きょうの私は、どうかしている』でデビュー。他の著書に『モンスターU子の噓』『花の命は短くて…』『帰ってきたエンジェルス』など。

「2020年 『咲ク・ララ・ファミリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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