希望病棟 (小学館文庫 か 46-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068368

感想・レビュー・書評

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  • 前作の「後悔病院」からの続きの話しで
    今回は後輩の医師。黒田摩周湖と2人の患者が
    メインで書かれていました。
    今回は病院を退院してからの話しが長く
    私生活に悩みを抱える2人が病気を乗り越え
    生き直す話しは色々考えさせられました。
    そして不思議な聴診器の過去の話しはビックリ!
    まさかそこに繋がってたのか!って感じでした。
    ただ終わり方と全体的な内容は1作目の方が
    個人的には好きでした。

  • 面白かった~~!!
    いつもどおりの一気読み。「後悔病棟」の続きではなるけど「後悔病棟」を読んでなくても全然楽しめる。

    でも「後悔病棟」のあの雰囲気を味わってからの本作やとこのオチに非常に救われるなあ。

    ほんま、タイトル通りの本。
    自分自身で世界なんか変えられるんやなって久しぶりに思えて、スカッとした。

    自分の力で変えられる範囲の世界に生きていられるのも幸せなことなんやなあ。

    いや違うな、自分の力で変えられないことは寿命だけなのかもな…?

    著者の別タイトルも読もう。楽しかった。

  • なんと希望の持てる作品⭐ 読みも止まらなかったけど応援したくなる気持ちがむくむく湧いてきた。不幸な境遇なんてなんでもないと思わせてくれるよ~

  • 患者2人と主治医、3人の視点で物語が進みます。

    不思議な聴診器のおかげで
    患者の悩みや思いがわかる。
    だけど、それが全ての解決になるわけではなく、
    それぞれが生き直すかのように自分の力で
    やりたいことを必死にやり遂げていく。

    何も考えずに流されるように生きていてはいけないな、と感じました。

  • 後悔病棟の続編。前回と同様に、患者の過去が見える不思議な聴診器を手にした、コミュニケーションが苦手な女医の話。
    前回の終わりと始まりが少し重なっている。
    今回は子供の頃に捨てられ養護施設で育った女子校生と、若い頃に子供を捨ててしまった代議士の妻の2人の話が、癌の治験を通して入り混じる。
    貧困者の生きづらさがテーマになっているようだ。
    前回の後悔病棟の方が話に引き込まれる。
    2人のこれからと、周囲の人達がこの先どうなっていくのかが気になるところ。
    不思議な聴診器を手にした女医は少し成長して、聴診器は次の医師へと渡っていく。
    もしかしたら、次に聴診器を手にした医師の話が続くのかもしれない。

  • 「後悔病棟」続編。
    今回は不思議な聴診器の力云々より、病気を克服した女性二人のそれからの生き様のお話が焦点。
    小説なので、小説やし…小説て分かってるけど、今回はちょっと都合よく行き過ぎかな?(;´∀`)特に貴子のお姑さんのラストはちょいと苦しい。夜の仕事の話も少ししつこい。あと、最後の方に出てきた夏野くん。なぜこんな無理矢理な登場の仕方?普通に教室で話して出会うとかでいいのでは…。

    ただ、読んでいてやっぱり人生の節々で出会う人って大事だよなぁ‥と思いました。友達、職場の人、近所の人、親、親戚もだけど、自分がどんなに強い信念を持っていても出会う人によっては良い影響もそうでない影響も受けるわけで…。当たり前だけど。
    皆が後悔のない良い人生を歩めればいいのにね。

  • 希望病棟
    垣谷美雨さん

    病気の話と思いきや、
    貧困、貧富の差。将来の不安。
    奨学金を借りても、
    返済がキツい。
    不公平な現実。

    垣谷美雨さんの小説。
    自分と重ねることが多いけれど、
    今回は、考えさせられた。
    自分の暮らしに、感謝しました。

  • 20210721 再読
    20210331 読了

  • 友達が貸してくれたので、前作も読んでおらず題名だけで医療モノかと思って読んでいたら、病気をきっかけに今までの生き方を見直して生きていく話で垣谷先生らしい話でした。現代社会の問題点がズバッと書かれていて共感できることが多かったです。

  • +++
    神田川病院に赴任した女医の黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、中庭で拾った聴診器を使うと患者の“心の声”が聞こえてきた。児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。摩周湖の勧めで治験を受けた二人は快方に向かい、生き直すチャンスを得る。“従順な妻”として我慢を強いられてきた貴子は、驚きの行動に出て…!?孤独と生きづらさを抱えてきた二人はどのような道を歩むのか。共感の嵐を呼んだヒューマン・ドラマ『後悔病棟』に続く感動の長編。
    +++

    神田川病院に赴任した医師の黒田摩周湖は、幼いころから両親が忙しかったせいで親との交流をほとんど知らずに育ったせいか、人とのコミュニケーションが苦手で、あれこれと考えすぎるせいで思ったことを言葉にできずに誤解されることが多かった。
    ある日、中庭に落ちている聴診器を拾うと、先輩のルミ子に、自分で使えばいいと言われ、使い始める。すると、聴診器を患者の胸に当てた途端に患者の心の声が聞こえるようになったのだった。それから少しずつ自信を取り戻した摩周湖は、患者たちの気持ちに寄り添い、時にはちょっとしたアドバイスをして勇気を与えたりもするようになる。癌患者の高校生・桜子と、議員の妻の貴子は、それぞれ前向きに生きることができるようになる。
    摩周湖自身も、心の持ちようが変化し、幼いころの母親の立場にも思いを致すことができるようになって、胸のなかが穏やかになるのだった。さらには、母の思わぬ告白によって、より理解し合うこともできた。気の持ちようの大切さと、自分の人生を切り拓く思いの強さを感じさせられる一冊だった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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