- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094068368
感想・レビュー・書評
-
2020年刊。「後悔病棟」に続く作品。前作は後悔しつつも制限付きでやり直せる、的な設定で数話が並んだ。今回は希望を主題に登場人物を絞っている。希望を描く為に、設定がかなり重い! 登場人物が少ないので重さが織り成されて、更に重く、読む側の心にものしかかり、ちょっと苦痛…。これでもかと繰り返される苦悩表現は、正直、少し読み飛ばした。全体としては面白い。読後感は良く、楽しめた。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
続編とは知らずに、手にした本である。
末期癌に侵された2人の女性。
年齢も境遇も、全然違う2人!
その患者を受け持つ事になった女医の黒田摩周湖!
名前も、凄いが、設定も、拾った聴診器で、相手の思いや患者の考えが判ってしまうという。
児童養護施設で育った桜子。
回復すると共に、大学への思いが…
奨学金問題は、今、米国でも、問題になっており、バイデン大統領の才覚が、どこまて、可能にするのだろうか?と、この本を読みながら考えていた。
就職しても、返済で、底辺を生き抜かないと行けない境遇。
もう一人の代議士の妻の貴子は、夫や姑に不満がありながらも、自由に生きている。
生きるチャンスを二人はどう生きて行くのか!
貴子のビジネスも、そして、戸籍の無い子供の話も、この作者垣谷美雨氏の法律を熟読した背景が、よくわかる。
人生のリセットだけでなく、社会の問題点を指摘している。
何もかもが、この本のように、上手く行くわけではないけど、自分自身は、希望的観測で終わる小説が、好きである。 -
今回は治験により末期癌を克服した女性たちの話。病院の話と見せかけて、女性の貧困問題について描かれている話だった。
重い話も重くなりすぎず、軽く読めるのもこの作者さんならではだなと思った。 -
前回に引き続き面白い。聴診器がドクターの中でバトンのように巡る過程もおもしろいし、いつの間にやら前回の登場人物たちも成長してるのも面白い!!!笑
柿谷さんの本はどれもこれも割と身近で起きる出来事を拾って小説にしたものが多いので、ホントに世界観に引き込まれやすい。
ちょっと近所に出かける気持ちで柿谷ワールド入り込める。ちょっとしたトリップです。でも、日常にありそうな話すぎて、本を読んだのか誰かに聞いたのかわからなくなりそうなくらい身近な登場人物たち。笑
コミュニケーションがものすごいとれない人。
これも結構あるからね。
何考えてるんだろ?とか、実は?とかね。笑
こんなふうに腹の中の声が聞こえる聴診器があればわたしも今すぐ聞いてみたい腹が何人かおります。笑
そんな一冊。
ミステリーに疲れたら是非!読んで欲しい!!! -
後悔病棟の続編。ハッピーエンドはいいね。
-
前作の後悔病棟の続編との事で、同じように各患者の人生を書くのかなぁと思っていたが、よい意味で裏切られた。
前作と同じなら、ガン患者はみんな亡くなってしまうけど、こちらは二人の女性は治験によってガンを克服する。
普通ならそこで、良かった良かったと終わりなんだろうけど、ガンを克服しても以前と同じ生活が待っていて、そこに待ち構えている問題を解決していかなければならない。
ガンを経験して、その後の生き方を見直す。。。よくできたストーリーでした。 -
後悔病棟の続き。主役は医師の摩周湖。聴診器から聞こえる患者の心を聞いて、患者に接する応対に変化が生まれる、成長していく。最後は母親までその聴診器で成長できたことを知り、母娘が仲睦まじく終わる。ドラマにできる面白かった。
-
医療小説かと思いきや少し違った
摩周湖ちゃんと聴診器。
死を覚悟していたそれぞれ2人の女性が生を与えられ、改めて生き方を考える
桜子ちゃんも貴子さんも応援したくなる -
登場人物たちがみんな強くたくましい
ぼーっと生きている自分が恥ずかしい -
柿沼美雨の希望病棟を読みました。
主人公の黒田摩周湖は病院の庭で聴診器を拾います。
その聴診器は患者さんの心の声が聞こえました。
末期癌の元キャバクラ嬢の議員の奥さんや女子高生の心の声を聴いていて、患者さんに寄り添っていくのですが、なかなか面白かったです。