- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094082173
感想・レビュー・書評
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これを読んだ時、私は、泣いてしまいました。
これは、皆さんにお薦めする本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大好きだった妻の澪が亡くなって1年、身体にさまざまな不具合を抱えた巧は、町の小さな司法書士事務所に勤めながら、6歳になる一人息子の佑司とひっそりと暮らしていた。再び巡ってきた雨の季節の週末、いつもどおりの散歩に出かけた町はずれの森で、この父と子二人に奇跡が訪れる。
悲しい未来を知りながら、それでも愛しい存在に向かって発せられる言葉。その深く、強く、優しい決意に、きっと心打たれるはずです。
紹介文より -
雨と自然の中での
巧たち三人の生活が
鮮やかだった。
澪からの手紙の最後に1Pが切なくて
鳥肌が立った。
2009/10/13 -
姉に勧められて読んだ本です。
1年前に亡くなったはずの澪が、息子佑司に残した絵本通り雨の季節に帰ってくるが、澪は過去の記憶は無くなっている…
とても切ないけど、とても感動する本でした。
もっと相手のことを思いやることが大切なんだと思いました。 -
この作品は最愛の妻をなくした家族の心温まるけど切ない物語です。死んだ妻は梅雨の時期だけ戻ってくるしかし、それを過ぎるとまたいなくなってしまう。一緒にいる時間はとても幸せだが、いなくなったときの辛さを考えると会わないほうがいいのかな?とかも考えますが、やっぱり大好きな人には少しでも会いたいものですよね!とても泣けました。
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映画にもドラマにもなった物語です。
映画もドラマも見ていたので、本を読んでても想像がしやすかったです。
自分の未来を知っていても、選択を変えなかったのは大事な人を守りたかったから
なのかなと思いました。 -
泣きたくなったら読む本。
何度読んでも泣けます。
奇跡とか、現実味帯びてないとか、信じる信じないとか、
そういうことを抜きにして、
『家族』っていいなって思います。
出会うべくして出会う人。
そんな人との出会いを大切にしたいって。 -
脳内に分泌される化学物質の異常から、記憶力が弱い、乗物に乗れない、映画館にも入れない、遠くに行けないなどの様々な障害を持つシングル・ファザー巧が、「雨の季節に戻ってくる」という言葉を残して亡くなった愛する妻に雨の季節に6週間だけ再会し、愛し合うという哀しい純愛の物語。
評価は、いろいろあるけど、大好きな物語だ。主人公、巧の語り口は、まるで、サン=テクジュベリーの「星の王子さま」のように優しく、無邪気で、気取らない知恵をもっている。サン=テウジュベリーが『子供であることをやめたと思い込んでいる』大人に対して物語を語ったとすると、市川拓司は、無欲で、正直に、一生懸命生きている普通の人々の素晴らしさを語ったんだろうな。
21世紀は物質文明の時代で、物質文明は合理主義と個人主義を生み出し、僕たちは常に損得を意識し、他人との差異が気になってしょうがない。そんな人々の間では愛の飢えはあっても、真の愛なんてないのかもしれない。普段の生活で忘れている『普通である』こと、『欲張らない』こと、の中に真の幸福があるようなことを気付かせてくれる小説です。映画同様、少し切なくて、心が温かくなります。「I am Sam」なんかの映画が好きな人は、間違いなく気に入るだろう。 -
どうしたら、こんなふうに人を愛せるのか。
結末を知っているのに、澪は会いにゆくのです。 -
荒唐無稽な話なんだけど、それはさておいて心に沁みる作品。なんたってそれぞれの健気さが胸に来るんです。物語が進んでいく中よりも最後の澪の手紙が泣けるかな。素直に読んで感動するのがいい作品なんじゃないかと。