- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094084672
感想・レビュー・書評
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タイムマシン的な作品です
引き込まれていきます詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議の国の安兵衛はないな。軽い
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最初の安兵衛の心細さ、主義を曲げるまでの想い、そして絶対に譲れないところ。ひろ子が安兵衛に感じているであろうことを同じように感じながらとても気持ちよく読みました。さらに自分としては、仕事をしている女性としてのひろ子にとって譲れない部分、越えてはいけない一線を守ってきた部分などに共感できる部分が多く、正論だとわかっていても安兵衛の言葉がとてもきつく思えるところがありました。ラストが優しいですね。ほっとしました。そして---私も皆さんと同じく、表紙に戻って 「?」でした。
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あっという間に読了☆続きが気になりすぎて、斜め読みし、そこからまた戻ってじっくり読んだにもかかわらず…です。 まずは安兵衞さんみたいなひとがわたしもほしい(笑)家事完璧、お菓子作り天才☆うらやましい‼ 最初も最後もあっさりきてあっさり帰ったなぁと思いましたが。 友也くんにはちょっと泣かされました。成長したんだね〜 続編もいつか読んでみたいです。
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もっとスイーツに特化したストーリーを期待したけど、具体的な描写はなく、タイムスリップに寄ったお話しでした。
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『ふしぎの国の安兵衛』改題
著者:荒木源、1964京都府出身、小説家、東京大学文学部仏文科卒
解説:末國善己、1968広島出身、文芸評論家、明治大学→専修大学大学院 -
シングルマザーの遊佐ひろ子は、ある日、侍の格好をした男と遭遇する。
男は180年前の江戸時代からやって来たと言う。
という、王道のSFもの。
しかし、内容としてはかなり社会風刺が効いている。
正社員、契約社員、派遣社員。雇用形態の不安定さによる未来への展望。
家事、育児、男性女性、主婦、主夫。
昨今では、女性の社会進出がごく自然に当たり前になってきているが、未だ男は外で稼ぎ、女は家を守るという旧態の考え方もなくなってはいない。
そんな中、儒教、主に朱子学が盛んであった江戸時代からやってきた男が平成の世でシングルマザーをする家にスーパー主夫として居候することに。
彼は江戸時代、旗本直参であったという。上様直属の部下であるが、その仕事内容は、天下泰平の世の故、ひがないちにちぶらぶらすること。給料である禄はもちろん支払われる。
現代の働くことの意義や仕事を通じて生きて行く中で、何が大切であるか。
さくっと読めるエンタメものだが、中々にはっとさせられる一冊でした。 -
奇をてらうのが小説ではない。読者が想像する通りに展開すると、「ヤッパリ・・・・」としたり顔になる。田中君とひろ子は結婚します。
「男は外、女は内」。解説の末國さんとは意を異にするが、私は、若いやつらよ今一度男女の「分」を考え直してごらんと提案してるのです。ひろ子が役職を辞したのはなぜだと思いますか?キャリア追求では家庭の平和は守れない、と考えたのでは無いでしょうか。
源さん、一所懸命(一生懸命でなく)に頑なに拘るのを止めたらいい作家になれるよ。最後に「江戸阜凛」、ホロリとしました。 -
保育園児の息子と二人暮らしのシングルマザーと、江戸時代からタイムスリップして来て家に置いて貰う恩義から家事一切を完璧にこなす侍との日常。更に、侍が始めたばかりの料理の才能でパティシエとしてのTV出演等時の人となり二人とすれ違い始める。和むけれどなあなあでなく、それでいてほっこりする結末もきれいだった。