灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 595
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094512915

感想・レビュー・書評

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  • 最高に素晴らしかったです。さすが田中ロミオ作品には一作も外れがありません、凄まじい。

    本書のテーマは「空気」、前半の、どちらかというと小早川さんを愛でることに徹する展開にやや不完全燃焼を感じていたものの、事件が起きてからの緊張感は半端ではありません。

    集団の空気、話を学級の空気に限ってもこれをテーマにした作品は数多ありますが、このような書き方は本当に心が抉られて、強く気持ちが動かされました。天晴!

    最後のオチに関しては、空気に対してこう振る舞った結果、本来こういう世界が見えているはずであるという理想という感じでしょうか。現実はこうは上手くは行かないよと言われるかもしれませんが、こうも客観的事実としてあからさまではなくても、実際自分の心の持ちようではそのような世界に入っていけるし、精神充足度もこれに近いものになっていると私は確信しています。

    激ヤバ鬼マスト!!

  • 人間関係も勉強もそつなくこなす主人公。
    何不自由ない学園生活に水を差したのはガチガチに規律を守ることをモットーとするクラス代表小早川さんだった。

    簡単に感想を言うと

    『小早川さん最強!』

    といったところかな(笑)
    最後の展開のみ不満だったけど、それ以外の展開はありえる学園生活っぽくて面白かった!
    最近の学園ものって異能だとか特殊な環境だったりが多かったのでこなんな構成・設定はなかなかありですね。

    まぁ、なんにせよ完全なジャケ買い(メガネ+黒髪+髪結い女子)だったんでここまで楽しめれば大満足です!

  • AURAに続いてですが前作に比べればリアリティに満ちた本作。ただ細部まで描写が行き届いているかは...
    ブログのくだりや仲違いの間のこと、もう少し肉付けしてほしかった。

  • アウラと主人公とヒロインの関係は似ている。抱えているものは少し柔らかくなった感じで、その分小早川さんが可愛い。

  • 灼熱の小早川さん。

  • これがライトノベルか~というのがこの本を読んでいて抱いた感想。

    人類は衰退しました。

    と比べると力の入り用がやはり違う気がしている。

    この人にとってのその書きやすさみたいなのはこの本では制限されていたのかな?と思う。

    書きたいのを抑えて、抑えて、売れる書き方ができるかどうか試されているようなそんなイメージが読んでいて感じた。

  • 飯嶋くんが生徒会長と初めて話して、価値観が揺らぐシーンが良く出来ていると思います。

    「友だち」や「空気」ってテーマで書かせると、この人の文章は本当に面白い。ただ個人的には、AURAの方がより入り込めて楽しめたかな。テーマ少し違うけど。

  • ひたすら感心した。
    言の葉使い、凄いな。

  • さて、ロミオ氏の作品というわけでまた独自の世界観があるなぁと。
    主人公だけに見える、武器。
    それが熱意だったり、嫌味という圧力だったりしたわけですね。
    そういった意味で、
    最初の灼熱から始まり、最後の灼熱で終わる。
    そんな物語ですね。

    内容としましては、いうこと(マナー?)を聞かないクラスを
    どうにかして、良いクラスにしようとする物語。
    主人公は最初、聞かないクラスの一人であったが
    外から自分のクラスを眺め、ここは、井の中の蛙なんだなと。
    自分もヒロインと共に、クラスを良くしようと決意。
    しかしながら、うまくいかない。
    うまくいかないどころかだんだんとこじれていき、
    最終的には文化祭でうまくいくと思ったはずの恋愛も失敗。
    それから、生徒会選挙が始まるわけですが。
    一度こじれた中をうまく戻して、ヒロインを生徒会長にすべくやったたつもりが、
    失敗。
    そして、ヒロインの中が選挙に負けた途端に崩壊。
    自分を見失う状況になる。
    主人公は、壊れたクラスに一人立ち向かって……。
    そして、最後にはやっとヒロインも立ち直り、恋人になったという。

    話としては、失敗に失敗に失敗。
    そして、成功に思えてスタート地点に戻ってきたというもの。
    どうなってしまうのだろうかと、最後までドキドキしました。
    やはり、成功させるには失敗は大事ですね。
    それに加えて、成功を完全にさせる必要もないのだなと教えて頂きました。

  •  最初タイトルを見たときは「衝撃のアルベルトの親戚か?」と思ったけど、実際の内容は青春系ラブコメでした。それも、かなりリアルで痛々しい感じの。
     やる気もなく、自分勝手な連中が集まったクラス。それでも、目に見えない形で空気というものは存在していて、それが最悪な形でハマってしまったクラス。
    そんな中で孤立することを恐れず、ハッキリと物を言う小早川さんは、カッコイイと思う反面、無謀だと思った。そこが魅力で可愛いんだけど。
     特に、後半の小早川さんが折れてからの展開が、こう、ものすごく興奮してしまいましたね。これまでの硬い印象だからこそ、ゲスいとわかっていても、グッと来てしまった。それからの主人公の行動には痛々しかったけど、それを払拭するクライマックスシーン、ずっと我慢していた鬱憤を晴らす炎と氷の剣無双は、凄く爽快だった。
     だからこそ、もっとページを割いて描写して欲しかった。小早川さんが何を言ったのか、ここまでずっとリアルな世界を描いてきたのだから、読者にわかる形で見たかった。
     でもまぁ、報われる感じに終わってよかったよ、本当に。

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著者プロフィール

小説家・ゲームシナリオライター。代表作『CROSS†CHANNEL』『人類は衰退しました』『Rewrite』(竜騎士07、都乃河勇人との共著)『ミサイルとプランクトン』など多数。

「2016年 『アウトロー・ワンダーランド 1 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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