- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094514285
作品紹介・あらすじ
アニメ化決定の「飛空士」シリーズ最新刊!
『たとえ敵味方に分かれようと、我々は憎み合うことはない。友情は永遠だ』
澄み切った三月の青空へ、幾百の真っ白な帽子が投げ上げられた。
四回生のバルタザール、かぐらのふたりがエアハント士官学校を卒業し、「エリアドールの七人」はついに離ればなれに……。
三回生となった清顕(きよあき)は、模擬空戦を経てイリアとの距離を少しずつ縮めていたが、ミオとは会話をすれば喧嘩……という状態。久々に索敵訓練でペアになったものの、敵機と遭遇した際の判断ミスで被弾、樹海に降下し負傷してしまう。
意識を失った清顕を前に、ミオはひとり重大な決心をするが……。
一方、エアハント島にはイリアと清顕の宿敵・カーナシオンが襲来!
正規飛空士の不足により、直訴したふたりは初陣を飾ることに……!
七人の主人公が織りなす、恋と空戦の物語。
祖国のため、家族のため、愛する人のため。7人はそれぞれの空で戦う――。
【編集担当からのおすすめ情報】
2011年に劇場アニメ化された『とある飛空士への追憶』に続き、『とある飛空士への恋歌』もアニメ化決定! 詳しくは、ガガガ文庫公式サイトや、ガガガ文庫折り込み小冊子「ガ報」での続報をお待ちください!
感想・レビュー・書評
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ミオ〜!
ああ、これはつらい。
なんちゅう物語を紡いでくれるのか。
作者恐るべし。
家族を守る為にスパイ行為を受け入れざるおえなくなったミオ。
その罪悪感から仲間からも距離を置き続ける。
そんなミオの境遇にこの巻はずっとシリアスで沈んだものになった。
唯一温かかったのは清顕とミオが不時着した場面かな。
なぜなら、その時だけはミオは自分がしたい事を、清顕を死なせない為にできる事を、進んで選択できたから。
けれどそんなミオに、さらにつらい出来事が、それまでの世界の崩壊が追いかけてくる。
この怒涛の展開は、いや、すごいなあ。
そしてラストの清顕との別れの場面の悲痛さ。
自分の想いと全く逆の事を口にするミオの辛さに胸が痛くなる。
この先ミオにはどんな前途が待ち受けているのだろうか。
祈りたくなる。
それにしてもハチドリは意外と仲間想いなんだな。
ツンデレの系統かも(笑)
あと、清顕の初体験は、いやまあ死に直面して子孫を残そうとする本能だから(爆)
でも、爆発しろ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とある飛空士シリーズ最終章、ブクログ上で刺激を受けてやっぱり読むことにした。追憶、夜想曲とコンプリート、恋歌は斜め読み的にあらすじだけは把握、アニメも視聴。追憶~夜想曲において、世界観、作者の文体、読後押し寄せる様々な思いの濁流にはすっかり魅せられており、海猫をはじめとした過去のキャラがどうかかわっていくのか?も楽しみ。
第1巻~3巻「第一部 エアハント士官学校」
主な登場人物が7人の男女、肌、髪、瞳の色がそれぞれ異なる若者達の出会いから彼等の絆を主に描いている。序盤にて7人のうち2名が裏切り者として示唆されるが、それが誰なのか?は伏せられており、さらに亡国のお姫様の存在までおり、ミステリ的要素も効果的。
第1巻では彼等7人の駆る飛行艇の、敵中翔破がメイン。これにより「エリアドールの7人」と呼称されることとなる。飛行~戦闘シーンはサスペンスフルな展開、裏切り者の伏線、撃墜王の父親を持つ二人の因縁、賑やかでありつつもハッピーエンド。そしてシリーズを通しての誓約が登場する、
第2巻、彼等が暮らすこととなりエアハント士官学校での日常がメイン、因縁の二人の模擬空戦、裏切り者は誰なのか?ミスリードも含めて読ませてくれる。
第3巻、そして裏切り者2名、お姫様の正体が明かされる。ラストは彼等のホーム士官学校の崩壊、そして辛い別れとなる。これにてエリアドールの7人は6人となる。
第1部を通して、7人のキャラ立ち、それぞれにのしかかる天命、それぞれが誰に偏ることなく描かれており、誰にでも感情移入は容易いと思う。今までの犬村作品においては最もラノベっぽさを感じた。(恋歌もそうだったかもしれないが?)しかしながら根底にはシリーズを通しての戦争があり、これから辛い展開になっていくのだろう。欝展開は好むところである、最終的には誰かが命を落とすのか?まだまだ先だろうが、とりあえず読むのを止められない面白さだった。
中盤において清顕は二人のヒロインの間でユラユラしちゃって、だらしないように見えるがあの気持ちは十分理解できた。ミオは作者曰くの、最薄幸ヒロインとのことであるが今後どのような動きを見せてくれるのか?他作品のキャラはどうなるのだろ?最も期待するのはレヴァーム皇国海猫の登場である。海猫最強!!!! -
終わり方がずるい。次の巻が気になってしょうがない!!
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安定して面白い。
三巻目にして、物語が大きく動く。
このまま最終巻まで書き続けて欲しいと思う。 -
怒涛の乱高下。そして急転直下。喜怒哀楽が混沌としている第三巻。
運命は残酷だ。無力に流されていく。気を保て。陽はまた昇ると信じて。 -
一体どんだけヒロインに過酷な運命を背負わせれば気がすむのか……もはやミオが可哀想すぎて読むのがつらい!
毎度の事ながら“ずるい"終わらせ方で締めてくるのでやはり面白いですね。
あ、恋歌のほうもアニメ化だそうで。原作ファンだけに期待半分不安半分といったところですが、竹達&悠木コンビは俺得すぎる。 -
「ヒロインを不幸のどん底に落とすことにかけては定評がある」と著者自ら煽っていたので、ある程度覚悟を決めてから読んだものの、足らなかったっぽい… 特に前半が辛かった。後半はある程度予想の範囲内だったし、むしろ、今後の転換の布石をばらまいているように感じる。なんだかんだいっていつも窮地に陥った仲間を救っているツンデレがカギとなりそうだけど、そう単純には展開しなさそうな予感。
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手加減無しの無慈悲さは読んでて辛いのですが嫌な感じはしないです。それよりも主役が多すぎて誰に感情移入して良いかわからない感じがしました、淡々と俯瞰で読み進めるのが正解なのかもしれませんがワクワクしてこその読み物であるべきかな、と。