- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001500
感想・レビュー・書評
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短編はとてもおもしろいと思う。
村上春樹のよさが端的に表れていて
1番気に入ったのはタイランド、たぶん3回は読んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神戸の震災に影響を受けた6編からなる短編集。
深い闇の中に光を放つ6つの黙示録。
後半の3作、「タイランド」「かえるくん、東京を救う」「糖蜜パイ」が好きです。 -
かえるくんの話が一番好きです。
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カフカ、世界の終り、ノルウェイの森と読んで、
四作目の村上ワールド。短編はお初。
あまりに世界が深くて、メッセージがすごくて、体力がいるわ…と、
勢いのあるときじゃないと無理!なのですが。
現在思い切り忙しく疲れているのに、なんとなく今読みたい、
と思って読んでみました。
びゅん!とワールドに突っ込めて、びゅん!と戻ってこれる。
短くても村上ワールドは村上ワールドだった。すごい。
これから、若干疲れているけれどワールドに行きたいぜ、
というときは、まだ読んでいない短編を読ませて頂きたい。
帯に「カエルくん」が大絶賛されていると書かれていて、
やや先入観も持ちつつ読み始めた途端、
「これ、私の一番好きなやつだわ…」と思った。
後は一作目の最後の場面に強烈に痺れました。
思いつくがままの感想、おーわり。-
「びゅん!と戻ってこれる。」
そうですね!
長編は、じんわり沁みてきますが、手放せなくなるのは、どちらも同じです。「びゅん!と戻ってこれる。」
そうですね!
長編は、じんわり沁みてきますが、手放せなくなるのは、どちらも同じです。2014/03/18
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短編集だけど、どれも阪神淡路大震災が
少しずつ織り込まれていました。
でも、それに対しての強い思いというより
ふと接するようなイメージ。
悶々とした中で、ふれあいがある。
不思議な世界観が村上さんらしい。
蜂蜜パイが好きでした。 -
今回この短編集を再読したのは震災がきっかけでした。
「地震のあとで」の地震とは阪神大震災のことなのですが、なにかいまの日本の状況に通じるものがあるに違いないと思ったのです。
前回はただ不思議な話として読み飛ばしていた「タイランド」。心に傷を抱えた女医が学会で訪れたタイで、占い師に「あなたの身体のなかには白くて堅い石が入っている」と言われます。
占い師は続けて、お前はいずれある夢を見るだろうと彼女に告げます。その夢とは緑の蛇の夢であり、その蛇を捕まえて離さないようにすれば蛇がその石を飲み込んでくれるというのです。
個人的にゲーテ、ミヒャエル・エンデ、フィリップ・K・ディック、村上春樹は一本の線で結ぶことのできる作家たちだと思っているのですが、ゲーテの作品に「緑の蛇と百合姫のメルヒェン」というものがあります。エンデはこの作品を「ミヒャエル・エンデが読んだ本」でお気に入りとして挙げ、ゲーテ研究家としても知られるルドルフ・シュタイナーは人間の自己形成を象徴を用いて表現した作品として、ゲーテの著作のなかでも最重要のものとしています。
二つの作品で蛇が果たす役割には明らかに共通するものがあり、興味深いと感じた次第。 -
私にとって、とても大切な本。
タイランドでミニットが、かえるくんでかえるくんが言ったことはそれぞれ頭に染み込んでいて、ふとしたときに蘇る。
例えばある意味で一心同体となってしまうこと、死に向かう準備、心にある石。例えば真の恐怖は自身の想像力であること。迷いなく想像力のスイッチを切ること。
知らず知らず私自身の糧になっていることに気づく。 -
今回の震災のあとでどうしても読みたくなって再読。
前回よりもずっと物語を近くに感じた。こんなにも登場人物がみなぞっとするほど孤独で、心に石を抱えて生きていたとは。
しかしそこにも希望がみえるからこそ、読んでいる私も再生できる。
私の好きな村上春樹とは少し違うけれど、それとは別に大切なものになりました。 -
村上春樹の短編は格別。かえるくん東京を救う、蜂蜜パイとか。長編も好きだけれど、短編はわかりやすくってわりと完結していてまた違う良さがあるな。村上氏、はじめての三人称。