- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001500
感想・レビュー・書評
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心がざわざわして死に近くなっていたような時に先生から教えてもらい、初めてちゃんと読んだ村上春樹の本。
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押し付けがましくなくて好き
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本編に通ずる地震とはなにを表しているのだろう
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1日で一気読み。すらすら読めました。阪神淡路大震災がどの物語にも背景として描かれる短編集です。地震という突発的な災害にふとした気づきや教訓教示みたいなものが春樹さんにあったのでしょうか。でも、それほどには地震そのものには深く触れられていません。
いくつかの物語の中ではタイランドが一番良かった。
“石をかかえて生きている” それは心の重荷のことなのか?ずっとこだわり続けている過去に起こったうらみつらみごとに束縛され生き苦しくなっているということなのだろうか。
蜂蜜パイがその次。高槻という友人はほかの小説にも出てくる村上節(ぶし)のような気もした。
「ノルウェイの森」はこの本よりもずっと前に書かれたものというのが少し意外な気もする。村上ワールドというやつですか。よく意味の分からないところがありました。そういうところは深く考えずに読み進みました。 -
コレはイマイチピンとこなかったなぁ…
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面白かった。村上春樹はよく長編を連作にして上梓しがちだが、こういう短編集も綺麗にまとまっていて良いと思った。文章の空気感、曖昧だが確かな形容、やはり村上春樹の書く文章は美しい。特に好きだったのは、『かえるくん、東京を救う』と『蜂蜜パイ』。
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東日本大震災のあった3月ということもあり、地震に関連したこの短編集を読み直してみた。最初に読んだ時は、本書辺りで変質していった著者の小説に戸惑った記憶があるが、今読むとすんなりと受け入れられた。「蜂蜜パイ」は素晴らしいし、「アイロンのある風景」や「タイランド」もいい。
自分のなかの、あるいは他人の、喪失(過失)や欠落(不可能性)にきちんと向き合うという行為は、勇気と忍耐のいることだと思う。