神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

著者 : 村上春樹

• 新潮社 (2002年2月28日発売)

感想・レビュー・書評

[本屋のおっさんさんの感想 · 2023年3月9日]

阪神大震災の影が色濃い短編集。
飄々とした作品の中にも災厄が滲む。
かえるくん　よかった。

[秋桜さんの感想 · 2022年3月12日]

村上春樹はあまり好きじゃなかった〔自分に読み解く力が無い〕けれど、短編集はどれも良かった。

[だださんの感想 · 2022年1月25日]

身近な人から村上春樹さんが好きだという話を聞いたこと、現在1月でタイムリーであることから、
阪神淡路大震災を取り扱ったこの本を読みました。
ぼんやりとした、白昼夢のような本でした。
〝かえるくん、東京を救う”がいちばん好きです。
存在するのかしないのかわからない登場人物や出来事が起きて、読み終わった後も夢から覚めたような、ぼんやりとする余韻を私は感じます。

不思議な作家さんだなぁ。
また別の作品も読んでみたいと思います。

[koshiさんの感想 · 2021年10月7日]

カンガルー日和のあとに読んだから、登場人物が一人称(ぼく)ではなく名前を持った人たちだったり、各短編が"地震"というイベントや、他のキーワードで少しずつ結びついていたりと、ただぶつ切りの短編集というより、総合してまとまった作品になってるような印象を受けた。少し引っかかるようなロマンチックさみたいなものも一貫して書かれてあって、「らしさ」が感じられた。

[cocoさんの感想 · 2021年6月30日]

孤独を感じる短編集だった。

ハッとさせられたのは、人々は大地は動かない物だと思っているが、大地も動いているという旨の文章。
確かに私は大地は揺るぎない物だと思っていた気がする。

全ての物事は動いていて、希望も絶望も自分の意思とは無関係に起こりうることなのだと思う。

どうしようもできない人の孤独感に寄り添うような暖かさを感じた。

[わっかーさんの感想 · 2021年5月2日]

阪神・淡路大震災を起点に書かれた短編集。全ての作品の中に震災が散りばめられていたので、わかりやすく読めた。


｢UFOが釧路に降りる｣の最後の場面、持ってきた箱が自分の心の内だと言われた小村がザワついてるのを見て俺も心がざわついた。自分にとって大事な何かが無くなるってそういうことなのかな。咄嗟の焦り半端なかった。心がザワついたのは急に当事者になったからだろうか。

当事者性が心動かすために大事ということを学んだ。

[読み隊さんの感想 · 2023年6月9日]

2022年11月に公開された新海誠映画である「すずめの戸締まり」には、"みみず"が登場する。この"みみず"が、「神の子どもたちはみな踊る」に登場するのだと聞き(新海誠監督が、映画を観た視聴者が、大元はこの本ですか？と質問したことに答えたのだった気がするが、どこでそう聞いたから失念した)、この本を手に取った。いつ"みみず"が出てくるのかを期待しながら読んだ。"みみず"が出てこないところも全て面白かった。そして、そうか、新海監督もこれを読んだのだなと、ちょっと感慨に耽ったのだった。

[Hinata Sasakiさんの感想 · 2021年1月13日]

英語の先生に、「英訳版のAfter the quakeも一緒に読んで、そしたら英語の勉強にもなるから」と言われたけど、短編小説の読みやすさに負けて、全部日本語で読んでしまった本。

[たかおさんの感想 · 2020年12月29日]

村上春樹さんの短編集。６つの物語は直接的な繋がりはないが、どれも1995年の阪神淡路大震災を絡めている。
震災だからというメッセージはあまり感じ取れなかった。
感想を書くのは難しいが、どれも読みやすく世界観に入り込めた。
他の作品にも興味が湧いた。

[いなさんの感想 · 2020年11月24日]

『神の子どもはみな踊る』

非常に神秘的で村上らしい面白い作品だった。
読んでいくうちに主人公の気持ちに投影してしまう部分があったり、最後にグラウンドで「踊る」シーンでは不思議な感覚に陥る。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。