- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101001555
感想・レビュー・書評
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読み終わって謎が多いけど、面白かったしまぁいっかってなった。
ナカタさんが入り口を開けたのはナカタさんのためだったんだろうか。
あと田村カフカ、大人過ぎ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村上春樹の小説は、ほかの作者の小説よりもファンタジーの世界にどっぷり浸かれる感じがする。
ここまでの経験はできないと思うが、ひとり旅をして、旅先で出会う人と交流して、、みたいな、特別な経験をしてみたいと思った。 -
前巻のP.312〜P.314の想像力に関する大島さんの考えがとても印象に残った。最近の行き過ぎたジェンダー問題に当てはまることだと感じた。
至る所に心に残る言葉があった。 -
“世界でいちばんタフな15歳の少年”カフカと、不思議な宿命を背負ったナカタさん、それぞれのやるべき事を果たすための旅。
結局、難しい用語や芸術、音楽の知識は分からないままでしたが…それでもカフカ少年やナカタさんと一緒に旅をしたように感じ、この読書を終えたら2人のように生きるべき世界でやることをやらなくてはな…と少し励まされました。
ナカタさん亡くなっちゃったの寂しいです。ホシノ青年と会ってからはとても楽しそうだったので尚更です。
佐伯さんも死ぬ理由が分からなかったし、ナカタさんが猫と話せなくなる理由も分からないし、ジョニーウォーカーの笛結局何?!などなど不明点は多々ありますが、無理に解き明かさずに数年後また再読したいです。 -
村上春樹の代表的な長編小説。
主人公である15歳の少年、田村カフカが家出をして高松の私設図書館に行き着くところからストーリーが始まる。彼はそこで個性的な登場人物たちと出会い、多くのことを経験することで人間として成長していく。
また同時並行で文盲の老人、ナカタさんの物語も進行していく。ナカタさんは東京で猫攫いの犯人と対峙し、犯人を刺し殺した後、何かに導かれるように西へと向かう。
正直、読んでいて楽しい爽快感のある小説ではまったくない。全体的に陰鬱でよく分からない表現が多いし、結局答え合わせもないまま物語は終わる。まさに村上春樹の世界を体現した小説である。
それでも読み進めてしまうのは出てくるキャラクターにやけに生々しい魅力があるからだ。彼らに触れ、言動を目にすることで彼らの行先を追わずには得られなくなる。
この小説で村上春樹が言いたいことを邪推してみる。
個人的には「ドラマツルギー」がこの小説の主なテーマのひとつかと思う。
これは作中にも簡単に紹介される通り、「人は自らの「役割」を認知し、その「役割」を演じることによってコミュニケーションを成立させ、社会を成り立たせているとする考え方」である。ゴッフマンによってはじめに提唱されたこの考えは、「もし物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない」というチェーホフによって簡潔に表現される。
村上春樹はこのドラマツルギーという概念を拡大解釈してこの小説を創り上げたのではないかと考える。
この小説には無駄な人・事物が一切登場しない。本質的に虚構とはそういうものではあるが、それがあまりにも顕著なのである。
そこに偶発性はまったくなく、徹底された必然性によって彼らは自らの役割を果たしていく。さらにいえばその言動には意志すら介在しないし、それを隠すこともない。
恐ろしいまでに徹底されたドラマツルギーがこの小説の大きな表現だと感じた。
そして彼らが役割を果たした先に何があるかというと、カフカ少年を「愛の世界」に引き戻すことを達成する。
彼は幼少期に母親に捨てられた経験から、誰にも心を一切開くことができなくなるほどのトラウマを抱えていた。それが旅の先に出会った人々によって癒され、人に愛され人を愛することができるように変わっていく。
最後の一文に表されるように、彼は「世界の一部」になることができたのだと思う。
カジュアルさとは無縁な、鉛のように重くて鈍い村上春樹の小説がたまに読みたくなる。
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初の村上春樹作品です。上巻はあるシーンが受け容れられないので評価ナシです。
もっとナルシシズム溢れる作品なのかと思って敬遠していたけど、普通に面白く読めました。
ナカタさんと星野青年のコンビ最高です。主人公のストーリーよりもむしろそちらに惹かれました。星野青年が最後の方仙人ぽくなっちゃうのは残念な感じもするけれど、それもまたヨシ! -
物語に乗せた、芸術性溢れる哲学書のよう。
村上春樹さんにハマりたての私が言うのもなんですが、
作家というのは寄せ付ける人を選べる職業だなと。
発信する質が良いほど
ついてくる人の質も良いし、
相乗効果となる。
村上春樹さんの唯一無二の世界観と
溢れる文才、芸術性が詰まった作品だと思います。
村上春樹さんくらいになると
読了後も残る謎までも
味になりますよね。
作家の創造性として評価してしまう。
戦略でしょうか。笑
考察を読んで、メタファーについて、納得しました。
深すぎる!!!