細雪(中) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005133

感想・レビュー・書評

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  • 『細雪』は、谷崎潤一郎の長編小説である。
    昭和の戦前~戦中にかけての、大阪の名家に生まれた四姉妹を中心とした人間模様が、美しく鮮やかな筆致で描かれている。
    谷崎文学はしばしば「悪魔的」だと言われるが、この小説の中にもそういったエッセンスが多分に含まれており、女性の持つ可憐さと狡猾さが絶妙に織り込まれている。
    谷崎文学の特徴として、内面描写もさることながら、外面の描写も見事だという点が挙げられる。姉妹が纏う着物などは、その華やかさが文字から浮かび上がってくるかのように描かれ、彼の「美」に対するこだわりが窺える。
    会話文で用いられている大阪弁も生き生きとした印象を与える。『陰翳礼讃』で、彼は「大阪弁が日本で最も美しい方言」だと述べていたが、その彼の心意気が十分に発揮された小説となっている、と感じた。

  • 2010年最後の本

  • 板倉を信用していいのかどうなのか、半信半疑のまま終わってしまった。

  • 中巻では、先進的な末っ子の妙子を中心に様々な物語が展開してきい目が離せない。次女の幸子は本家と妙子に挟まれ、いつも悩ませさせていて一番大変そう。三女の雪子はまだお嫁に行けない。続きがめちゃ気になる!

  • 上巻では想像もしなかった壮絶な話です。
    一人一人個性がたっていておもしろいです。

  • 河口湖、京都などを舞台とした作品です。

  • 今回は妙子のお話でした。
    姉妹4人の性格がよくわかってくるようになり、ますます面白みがわきました。
    板倉との恋の行方に、最後は切なくなりました。

  • 昔読んだ印象だと、たいした事件はなくて、お花見とかお出かけとかのんびりと華やかで楽しいことばかりのような気がしていたが、水害とか人の死とか、いろいろ事件があってびっくり。それでもなんだか淡々としている感じ。板倉が脱疽になって死ぬところがものすごくこわかった。この時代に病気になるのはこわいー、とか思った。

  • またおもしろかったな~。
    今度は雪子の見合い話ではなく、四女妙子の話がメイン。
    水害の話ではドキドキして、板倉の病気のところでもまたドキドキ。

    この時代は女性が仕事も持つことは「職業婦人なんて!」といわれるようなことだったんだなぁ。
    それとも、上流階級の人たちの間でだけ?
    現代の私から見ると、妙子の考えることはとても素敵なことのように思えるけど。

    この物語、関西弁なのも手伝って、私の印象では「姉妹の仲がよい、山崎豊子の「女系家族」」。という感じです。
    決して姉妹間でいがみあってないのが、この話のよいところ。

  • 次第に四姉妹の性格も色濃くでてきて、ますます面白くなった中巻。
    次女に軸があり、三女を隠れたヒロインにしている気があるが、この巻は末娘の妙子の印象が強い。当時の美徳とされていた様々なことに反発する四女に共感もしつつ、自分はわりにその美徳を美しいと思うことを再確認。ほんの何十年かしか離れていないのに、世の中の価値観の変化のスピードには改めて驚かされる。

    Nov 2010

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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