津軽 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 276
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006048

感想・レビュー・書評

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  • 太宰作品中最も好きな作品。太宰にもこんな小説が書けるんだ、と目から鱗。

  • ‪太宰の故郷である青森県の津軽半島を旅して回る物語。津軽の人々の温かさ、太宰治の人間味、そしてたまに感じる哀愁。水のゆらめきに似た機微のある平穏さを与えてくれる作品です。

  • 青空文庫でたまに読む。

    太宰作品の中で一番好き。
    彼のエッセイ的な気安い描写が楽しめる。

    もう一度文庫を片手に当地を歩いて回りたいが、
    過去に実際に津軽を旅できたのは幸せだった。
    本州の袋小路というものは、まったく彼の書いたその通りであった。

  • 収録内容は以下の通り。

    筆者口絵
    本編
    渡部芳紀: 注解
    亀井勝一郎: 解説

    筆者による郷土愛や郷愁が強く感ぜられると共に、筆者の良心、あるいは筆者が言うところの「自然の情」がよく描かれている。
    自身を内外両方から捉えようとした結果に思える。

    カバー装幀は唐仁原教久。

  • 人のつながりを軸に、昭和の津軽を描いた風土記であり、太宰が自らのルーツを確認する私小説。
    現代に生きる私の個性、ともすれば現代では没個性かとも思われる人格上のニヒリズムやナルシシズムを簡単に告白してしまうのは相変わらず。ただ、いつもは見えてこない、おそらく意図的に記述を避けられている部分、太宰の人への執着や素直さが垣間見えて、面白かった。
    私も青森が好きだ。港町というのもあるし、太宰が言うように、旅行者に不親切で、そこが逆に構われていない感じがして心地いい。
    ただ、それもあくまで現代の、それも既に観光地化した「風景」を見ての感想である。ここでもまた、当時の津軽が生きる姿に思いを馳せるばかりだ。

  • 太宰作品を大して知らないので深い考察等はできないが、現代に比べてまだまだ前時代的とされていた津軽の様子が見てとれた。太宰の郷土愛をひしひしと感じられる。

  • やっぱり太宰はいいですね。これは太宰が地元津軽を紹介しているような特にひねりのない単純で平和な話ですが、見栄っ張りだったり、他人にしっとしちゃったりする自分の悪い癖やダサいところなんかも書いちゃえるのが素敵ですし共感しました。有名なセリフですが、大人とは、裏切られた青年の姿であるというのが、最近友人に裏切られた(と、私は感じている)私に響きました。全体的にはほっこりするし太宰という人をより知れるゆったりしたお話です。

  • 太宰本人の郷土旅行記。
    ストーリーがあるわけではないので、太宰治という人間、あるいは青森の地理・歴史に興味がなければ、あまりおもしろいくはないかもしれない。

    が、終盤、乳母の「たけ」の名が登場するあたりから急激に引き込まれる。
    最終的に、たけに自分のルーツを発見する。
    温かい気持ちが湧いてくた。

    僕もこんな旅にあこがれる。
    と言っても、結婚後は故郷の近くに居を構えたので望郷の念すらわかないのだが。

  • 津軽という土地の情景が人情とともに目の前に広がる、大好きな作品。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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