文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101010182

感想・レビュー・書評

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  • 夢十夜の中では第一夜が一番好きです

    小説、というよりはお洒落な日記のように感じました

  • 飼った文鳥が、不注意により死んだみたいな話がなんでこんなに上手くかけるんだろうという、漱石のセンスにはもはや脱帽である。

  • これ以上無いってぐらいの美しさと、ユーモア。
    草枕と比べると、老いているせいか程良い脱力感がある。
    それでも漱石さんは、やっぱりお洒落な人だなと思う。

  • 失礼ながらその他の作品は皆様のレビューにお任せいたしまして。

    表題作である『夢十夜』。
    中でも第一夜については
    事前に話は聞いていたので流れも落ちも知っていたにも関わらず

    しかもたった四頁足らずだと言うのに、涙が止まらなくなりました。

    切なさと暖かさと妖しさ。

    そして【夢】が与えるあの何とも言えぬ空虚感。

    まるで自分がその夢を見たような気持ちにさえなりました。

    【I LOVE YOU 】を 【月が綺麗ですね】と訳したと言われる夏目漱石氏。

    自分なら何が良いかなと思案した事がありますが、
    これを読むと【100年待っています】と訳しても良いかしらなどと思ってしまいました。


    何にしてもロマンチック。

  • 最初は読みづらいけど、こういう文体・漢字の使い方に久しぶりに触れるとすごく新鮮。

    (2016.07.23再読)
    表題の2作が秀作です。小品として綺麗なまとまりのあるお話でした。
    夏目漱石さんの魅力がつまった一冊です。

  • 『文鳥』
     鳥籠に入れた自分の手の無骨さを厭う描写がたいへんかわいかったです先生。
     かわいいし、好きだけど、上手に継続して世話してやれない。私が恐れて動物を飼わない理由が、実体験として書いてあって、あー、やっぱそうだよねーってなった。
    『夢十夜』
     とりとめもない夢の話。美しさに酔わされたり、「なんじゃこりゃー!」って思ってから「なんだってそうか、夢か……」って思わされたり。第二夜、六夜、七夜が好き。
    『永日小品』
     いくつかのお話で「吾輩は猫である」を思い出して、ちょっとほっこりした。霧がおもしろかった。
    『思い出す事など』
     今の世で力強いように広められてるニーチェさんが「弱い男であった」と哀れまれていて、なんだかせつない。敵だと思っていた社会の優しかったこととか、人からの手紙に励まされたこととか、一回死んだ事とか。興味深く読めた。
     七(自然における生死の些事なこと) 十七(余は一度死んだ) 十九(見舞いのこと) 二三(社会にいるぎこちなさ) 二五(子供の無邪気)が好き。

     全体として、やっぱり漱石だなぁと思わされる、とんとんと歩いて行くような文が読んでて心地よかった。

  • 文鳥さんしんじゃった!?

  • 第一夜から一気に引き込まれた。
    美しい、という形容詞はこの話のためにあるんじゃないか。
    ・・・というくらいの強烈な美である。

    個人的には第六夜の運慶が仁王を彫る話と、
    第七夜の船から海に飛び込む話が好き。

  • 夢十夜の内容が朧げになったので再読するつもりが、「文鳥」の軽やかで仔細、かつふくよかな表現、刻々と変化する心の機微への洞察力を楽しんだ。
    こんな時間の流れの中に何もかもを眺める事ができたら、それはどんな日常だろうかと、憧れのように思う。
    そして変に胸がいっぱいになった。

  • 4/13
    夢と現実、小説と随筆のあいだ。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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