ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.78
  • (2154)
  • (1999)
  • (2968)
  • (292)
  • (75)
本棚登録 : 18939
感想 : 2161
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036168

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 高校生の頃に読んで好きだった記憶があり再読したのだが、主人公の特別意識が凄くて疲れてしまった。
    真っ当な事を主張してはいるし、ハッとする部分もあるのだけれど……。
    好みの問題。

  • 私が高校生の時にハマっていた一冊。そろそろ読み返してみようかな、、、

  • 彼の「いい顔をしていて女にもてる男を無条件に尊敬する。」という考えにはあまり賛同できなかったが、学校をはじめとした社会の中で普通だとされている価値観にぶつかっていく主人公はかっこいいと思った。
    私の周りには彼や彼のクラスメートのようにしっかりと自分の意志を強く持っている人達が少ない(と感じる)ので、面白い仲間に囲まれている彼が少し羨ましい。
    彼がこれから高校を卒業して成長していくと常識を押し付けられたり大人から理不尽な扱いをされることがさらに増えると思うが、信念を折らずにこのまままっすぐ生きてほしい。
    彼や彼の周りの人々の生活を通して改めて自分と向き合える小説だった。

  • 17歳の高校生時田秀美。勉強はできないがショット・バーで働く年上の彼女はいる。周囲となじめず悩みながらそれでも自分を貫きながら生き成長していく。型にはめようとする教師を見て自分を反省、支える母と祖父も個性的でいいなあ。傑作!

  • 大人も読むべき高校生青春小説
    真理をつく言葉の数々にハッとさせられる…

  • 毎年夏になると、「新潮文庫の100冊」というフェアをやっているが、僕が中学生のころ、その中に必ず入っていたのがこの本だった。その当時にこの小説を読んでいたら、大人もタジタジとなる主人公・時田秀美に、憧れを抱いていたかもしれない。大人となったいまでは、それが生意気で気に食わなかったりするが、でもやっぱり子供だと思って微笑ましくもなる。
    新潮社の人たちがこの本を選んだ気持ちはなんとなくわかる気がする。常識に縛られるな。周囲に流されるような大人になるな。そう言いたかったのかもしれない。けれど、作者はどうも逆のようだ。彼女はきっと、大人たちにこそこの本を読んでもらいたかったのだ。子供を見くびってはいけない。彼らは大人たちが思っているほど子供ではないし、大人たちが思っている以上に大人のことを見ている。そんな声が聞こえてくるのである。

  • ワクワクして読んだ割には、途中なんだかぼーっと読み勧めたところもある。
    結構ひねくれたというか、なかなか一緒にいたらめんどくさそうな主人公は小説であんまり好きじゃないタイプ。
    どこにでもいそうな人、あんまり決定力がない人が主人公のほうが私は好きみたい。

    作者の本、いろいろ読んでみたかったけどそこまでこの本は好きになれなかったな。

  • 人生で大切なものはなんなのか。
    読むたび勇気がもらえる一冊です。
    大好きな本です。

  • “世の中の仕組みは心身ともに、健康な人間にとても都合よく出来てる。健康な人間ばかりだと、社会は滑らかに動いていくだろう。便利なことだ。でも、決して、そうならないんだな。世の中には生活するためだけになら、必要ないものがたくさんあるだろう。いわゆる芸術と言うジャンルもそのひとつだな。無駄なことだよ。でも、その無駄がなかったら、どれほどつまらないことだろう。そしてね、その無駄は、なんと不健全な精神から生まれることが多いのである。”

    ”ぼくには、何故多くの主婦たちが、これらの番組に夢中になるか解るような気がする。ここに取り上げられる話題と来たら、すべてが本当は自分の価値観でどうにでもなることだからだ。けれど、自分の確固たる価値を持つのは難しい。多くの人々は、それが本当に正しいものであり得るのか不安に思っている。そこに、他人の言葉が与えられることで、彼らは、ある種の道標を与えられる安心を得るのだ。“

    “先生、三角形の3つの角を足すと百八十度になるでしょ。まっすぐてす。痛い角が三つ集まると真っ直ぐになれるんです。六つ集まったら、三百六十度になるんだ。まん丸です。もう痛い角は失くなってしまうんです。ぼく赤間さんとかは、もう一個目の角を持ってるんだ。他の人よか早く、まっすぐやまん丸になれるんです。まん丸ってすごいです。だって、地球だって本当は丸いんだぜ

    ぼくたちは、角を持ってるって言いたかっただけなんだ。分度器でちゃんと計んなくたって、その内、まっすぐまん丸になって、それが失くなっちゃうって言うことを知らせたかっただけなんだ。”

  • 私が文学に本格的に目覚めた青春の一冊にして、田舎の抑圧地獄から連れ出してくれた救いの一冊。
    この本がなければ私は小説を書くどころか読むこともあまりなかっただろう。

全2161件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山田詠美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×