ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036168

感想・レビュー・書評

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  • 勉強ができないとは頭が悪い.何かしら学習障害があるのだろうとタイトルを見たときに思ったが違う捉え方だった。
    主人公は先生の『生徒はこうあるべき』と誘導的なやり方に違和感を感じ鋭く言い返す。どんなときも自分の言葉で感じたままに発言ができる。
    誰もがそうしたいと思うができない事をやっている主人公はなぜ勉強ができないと自身を評価するのか。

    勉強ができない=先生、目上の人に対して忖度できない人間と捉えると、ピッタリだった。

    日本の学校は社会の秩序を守り、忖度できる人間を育てる教育をしている。そういう場所で彼は勉強ができないという意味ではないかと思った。

  • おもろかった。

    大文豪が射精を繰り返してたら、果たして文学は生まれていたのだろうか。

    パワーワードすぎる。

    個人的には避妊具を落として先生に詰められるくだりがほんまに好きやった。おもろすぎる。

  • 新潮文庫文庫の100冊で見かけて。
    割と古い作品だった。斬新な語り口で恒久的なテーマを扱っている感じでしょうか。
    若者に読んで欲しい。

  • 山田詠美さん初挑戦!テンポが良くて、そして面白かったです。
    主人公の秀美くんは、私が高校生だった時と比べてしまうと、自分より遥かに大人びていてカッコいいなぁと思ってしまいました。でもそんな人でも私にはないことで悩んだりしながら、がむしゃらに生きているというのを知ることができました。桜井先生みたいな先生は、そうした秀美に対しても一定の理解を持っており、私が思うこんな先生いたら〜のまんま理想系でした。

  • 何目線で感想書いたらいいんだろう‥。
    自分が同い年の時に主人公のような子がいたら‥?
    たぶん仲良くなってないだろうな‥。

    今の自分だったら‥?
    一緒にいて面白いとは思うけど、ずっとは疲れちゃうかもしれないな‥

    どちらかというと、主人公のお母さんがカッコいい!って思っちゃった。素敵な大人女子!
    おじいちゃんもサイコーです!

    みんなに読んでもらいたい本の一つ!!

  • 新潮文庫の100冊にいつも入ってるなぁ、という程度の認識で手にとった。
    時代の古さは感じるものの、主人公とその周りの家族が魅力的である。そしてメモしたくなる、覚えておきたいフレーズも多々あり。

    すべてに、丸をつけよ。とりあえずは、そこから始めるのだ。そこからやがて生まれて行く沢山のばつを、ぼくは、ゆっくりと選び取って行くのだ。

    秀美くんから見て、私はつまらない大人かもしれない。これまでの人生で色々経験して、身を守るために厚着しながら、濃くなった色眼鏡をかけて生きてるけれど、もう少し身軽になろうと思えた。

  • この本10代の頃から読みたかったのに、図書館にこの本なかったんだよ。今でも読みたいのに図書館でも書店でも見つけられない本の一つ。

    余談だけど、みつからない本のもう一つは村上龍の限りなく透明に近いブルーとかいうタイトルの本。探し物は見つからない これ真理ってやつ

    • 雨宮さん
      りまさん、こちらこそよろしくお願いします。
      コリン
      りまさん、こちらこそよろしくお願いします。
      コリン
      2021/01/31
    • 雨宮さん
      りまのさんでしたね。ごめんなさい。
      りまのさんでしたね。ごめんなさい。
      2021/01/31
    • りまのさん
      りまでいいですよ♪
      そう呼ぶ人もいます ☆☆☆
      りまでいいですよ♪
      そう呼ぶ人もいます ☆☆☆
      2021/01/31
  • 高校生、時田秀美くんの生活と意見。
    自分の頭で考え、自分がどういう人間か理解している。
    高校生にして年上の女性、桃子さんと付き合っている。
    いい顔をしていて、女にもてる男がかっこいい、と考える。
    そして、学校に代表される世間の常識に距離を置き、頭だけ発達した人とは一線を画す。

    この連作小説で面白いのは、そのかっこいい秀美さえ、相対化されてしまうこと。
    例えば、学校の男子生徒の憧れる美少女の山野舞子。
    彼女は好かれるためのあらゆる努力を自然に見せかける達人である。
    秀美は彼女のこういうところに違和感を覚えているのだが、彼女から自分を特別だと思っているだろう、と喝破される。
    母親仁子、恋人の桃子からも、しばしばやり込められる。

    否定的に描かれる学校的価値観だが、そこにいる教師たちにも櫻井先生のような味わいのある人が配される。
    「眠れる分度器」では、小学生時代の秀美が反発する担任の奥村さえ、仁子により他の面が引き出されていく。
    疎ましい世間でも、うまくやり過ごす懐の深さが感じられる。

  • 仁子さーん!いや、仁子様!大好きです。
    私の推しは仁子様です。
    本当に素敵な本だった。

    秀美くんの頭の中に住み着きたい!きっと、毎日いろんな刺激が降ってきて、沢山たっくさん頭を悩まして、考えるのは、一生飽きないだろうなぁ。私も、おかしいことにおかしいと気づいて、通り過ぎずに自分の頭で考えられる人間になりたい。

    考える人って素敵だな。人間って、考えれば考えるほど、深くなって、味が出てくるのかも。噛めば噛むほど味がでてくる。鯣と同じ。私も、鯣みたいな女性になりたいな。噛む前はなんだこれは。食べてみたら、止まらんやん。これと同じ。初めて見たときは、変な人。(いやこれは少し寂しいな) 話してみたら、楽しいやん。話せば話すほど、あの人と話したくてたまらない、あの人の感じたことを教えて欲しい。そんな風な人に憧れるなぁ。スルメ系女子。あ、薬味女子も憧れてます。あとシュークリームもね。

    登場する人物が、文句なしでみんな素敵。特にみんなタイプの違う女性達が、思春期の憧れる対象が多い私を、どきどきさせる。
    ・ふんわりとした容姿とは反してどっしりと落ち着いていて、ロマンチックな感性をもつ女性(桃子さん)。
    ・男子にモテたい!一心で努力する、手を決して抜かない自分を磨き続ける姿は、寧ろ健気で、きっとすごく輝いていて可愛い。潔もよく、女友達はいらないと明言するところも自分を持っていて素敵、私も全力でファンクラブに加盟したい、男子にモテモテで女子にはモテない女の子(真理ちゃん)
    ・綺麗な顔立ちに、物をはっきり言いその痛快感といえば清々しい。学級委員タイプのしっかり者、額が綺麗な女の子。
    ・学年3大美女、丁寧に作り込まれた、天然美少女
    ・強くて格好良い、それでいて感情表現が豊かでお茶目な女性(仁子さん)
    みんな素敵だなぁ…理想の女性像がどんどん増えていって、よくばり状態。なかでも、仁子さんが1番好き。私、大人になったら仁子様になりたい!

    登場人物のたった1つの共通点は、みんな確固たる自分を持っていること。決して相手の都合を見計らって、自分をぶらしたりしない。
    そんな中で、どこかふわふわ漂って定まらない秀美は、まさに思春期そのものなのかな。自分をぶらさないという点で、ガリ勉くんも、素敵。

    この本から吸収したいことが多すぎて再読。心に残したいフレーズのオンパレード。みんな個性豊かで魅力的。

    女性の姿の描写が好き。みんな違った個性を持っていて、その人を鮮明に想像できる。
    会話が素敵。こんな、小説になるような会話できるようになりたい。感性と協調性を高めなければ。「〜だわ」「〜かしら」。品のある口調に、憧れてしまう。使いたいなぁなんて、関西ではできないかなぁ笑

    素敵な"女性"になりたいと思うようになった。日常の些細なことに気がついて感動できるようになった。本を閉じ通学電車を降りると、街の明かりがピカピカと眩しいほどに。毎日がキラキラ楽しくなる。確実に感性は磨かれていってる。えいみーのお話のおかげで私の人生の彩度は上ります。

    仁子さんのように、誰かの人生に色を落とすような人間になりたい。味と深みのある人間になりたいな。

    "女"を全うしたい。せっかく、二分の一で女の子に生まれたんだから。今から心臓が止まるまで、ずっと女であり続けたい。お母さんになったから、おばあさんになったから、と言って、女を捨てるようには決してならない。

    小説の主人公みたいな人生にしたい。日常茶飯事を、非日常な茶飯事にしたい。"私"の人生は、始まったばっかりだ。

    タイトルは、「僕は勉強ができない」確かに秀美くんは勉強はできないかもしれない。私は毎日、何時間も時間をかけて、一生懸命勉強している。偏差値もそれなりだ。でも私は秀美くんは秀美くんには、敵いっこないなぁ。私なんかよりずっと、偏差値とは無関係の勉強家だから。しかもそれが、すごく格好良い。その点で私は、秀美くんの塵にも及ばないよなぁ。秀美くんみたいに、考える人になりたい。

    "この本に影響されました"と自信を持って言えるような女になる。

  • 前半、自分がそうだったからかこういうひねた高校生はあまり好きになれない。読むのがちょっとおっくうでもある感じ。
    ところが中盤、そんな彼の素直で純真な感情が出てくると、それは自分とは全く違う方向のひねかたで、彼がだんだん好きになってくる。と同時に自分のかさかさの高校時代が虚無に感じてくる。
    そして番外編。素敵な彼とそして母親、祖父。この作品を見事にしめくくる展開におどろいた。もう一度最初から読み直したくなる。
    私なんかとは違う、素晴らしい彼の成人後の話を読みたい。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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