- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101104300
感想・レビュー・書評
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最後に一石は投じていたが、ずっと腹立つ話で終わってしまった。これは小説で、かなり創作部分が多いことは分かっているが、創作でない部分が実際にあったことも明白で、そう云うことはたぶん今も続いているであろうと容易に推測できることが悲しい。現実も最後に快刀乱麻なんてことはないんだよなあ・・・
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沈まぬ太陽を読み終わった。
5年かかった。
冷静に考えると、かかり過ぎである。
しかし、自分がこの小説を読むにはまだ早過ぎたからこんなにも時間を要したとも言える。
いや、5年たった今もなお、まだこの物語の深みを読み取れていない気がする。
それ程までに、どうしようもないくらい重くつらい現実がそこには潜んでいるからなのだろう。
私が手にとるのが早過ぎたのだ。20代前半じゃあ、社会のしの字も分からないのだから。
恩地より行天の生き方に憧れるのは、やはり私の考えが浅いからだろうか。全く正反対の生き方で、白い巨塔でも似た関係を見て取れる。そして、やはり私は財前の生き方に目を奪われるのだ。この気持ちが、どう変わっていくのか確かめるために、やはりこの本はもう一度手に取らなくてはならない。 -
いや、もう少しスカッとして終わって欲しかった・・・。
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これが現実に基づく物語なのかと、読みすすめるたびに怒りを覚え、読み進めて残りページか少なくなるに連れ、悪辣な人々は果たして裁かれるのだろうかと不安いっぱいで読み進める。作者はあとがきで感情を、押し殺しながらも苦労を語っているが、この物語を執筆することがどれだけ大変なことかをおもいうかべ、畏敬の念を禁じ得ない。物語すべてを鵜呑みにはできないが、モデルである日航を始め、現在の航空業界がこのような悪しき過去を払拭出来ていることを切に願いたい。
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長かったこの本もようやく、終焉に。読後の寂寥感あり。
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最後、もう少し救われて欲しかった。
会社は大きくなりすぎると良くない。
不祥事もそうかもだけど、複雑になりすぎて
何やってんのかよく分からなくなる。 -
実話に基づくということが恐ろしいです。
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会長室編はどろどろの利権が絡む企業が腐敗した世界。
ある意味山崎豊子お得意といえる。
龍崎に壱岐正を重ねるのはよくない。
それにしても御巣鷹山が衝撃であった。第3巻につきます。 -
ついに終わった。結局腐敗しきった国民航空の体質を改善することはできず、国見会長の辞任、恩地に関しては大阪の遺族係りに戻ると思いきやナイロビの支店長に。かわいそすぎ。国見会長四面楚歌すぎ。そしてアカのレッテルをこんなにも引きずるだなんて。しかもアカじゃないし。もはや最終巻の途中から政治のやり取りが多くて、国民航空の体質改善どうなったって感じだったな。実際のJALもこれくらいひどかったのかな。ありえるけど。結局理念と行動力を伴った優秀なトップでも魑魅魍魎たちには為す術がなかったけど、内部告発して自殺した人間の方が効果あった気がする。最後東京地検特捜部の人が来て行天が連れてかれたとこで終わっちゃったけど。
本当人間こそがThe most dangerous animal in the world だな(笑)
山崎豊子の話って、まぁ社会派のリアルな話を題材にしているからハッピーエンドってわけにはいかないんだけど、優秀な理念のある人間が、結局ずる賢いくそみたいな人間にやられるみたいな構図が読んでいてもどかしい。正直者は馬鹿を見るみたいな感じ。ずるい人間って本当に腹立つね~。 -
フィクションの部分もあるのだろうが、この作品では日航は怒るだろうなあというのが正直な感想。
こういった作品の怖い所は、立場により言い分もあるだろうし、物事はそんなに単純ではないと思うが、それを極めて(わかりやすく)していること。
読者が、事件の裏側を作品が真実であると思いこむこともあるだろうと感じた。