町奉行日記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134307

感想・レビュー・書評

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  • 久々に読んだけれど、やはり良い。
    物語の面白さを存分に味合わせてくれる。
    読み終えたあとの、時に複雑な感慨深さ。

  • 山本さんのBESTとは言いませんが、なかなか良い本です。
    特に10の短編が発表順に並んでいるのが興味深い。戦前の如何にも青少年向けの作品から、円熟期にかかる昭和30年過ぎまで、周五郎さんの成長ぶりがよく分かります。
    本当に山本さんは成長し続けた作家さんで、短編の出だしを少し読むと何時頃の作品か判ります。例えば勧善懲悪を描く場合、初期は言葉で直接に声高な善を主張し、少しするとストーリの中で明快な勧善懲悪を描きます。そして最後には、時に悪が跋扈し善が虐げられるままで物語は終わり、余韻の中で「それでも善が・・」と語っているようる作品集です。また「滑稽もの」が多いのも特徴的です。
    新潮文庫の周五郎さんの歴史・時代小説はあと1冊でコンプリートです。

  • 短篇集。特に「町奉行日記」は隆慶一郎っぽくて良い



  • レビューを参考に順不同に読んで行く。たしかに表題作は豪快さも加わり痛快な感じ、引き際も良い。
    わたくしです…パンチ足りず。
    婿と娘を取り持つ父の話はそういう恩の売り方?とちょっとうがった見方も。

  • このなかの「わたくしです物語」が好きなのよ。大笑いしたのよ。周五郎天才!!

  • 「きかせられないラジオ」村山アナ推薦の「わたくしです物語」目当てに購入。この話も面白かったけど、他の短篇も楽しい。「土佐の国柱」表題作「町奉行日記」がお気に入り。これが昭和27年の作品とは!

  • 藤沢周平の方が好きだな…。

  • この短編集、やたらと「汚れ役を自ら買って出る」
    登場人物がでてくる話が多い。

    追い腹のための手段、藩の政治を良くする為、
    息子夫婦の仲の為…。
    理由は様々だけれども、汚れ役を自覚しつつも
    その姿勢を突き通す人々には感動せざるを得ない。

    「わたくしです物語」…他人の責任を負うのは果たして
    相手のためになるのかといわれたら微妙。
    解説見て初めて登場人物の名前のもじりに気付く。

    「修業綺譚」…女の人って怖いね。新しい形のSM(笑)

    「町奉行日記」…主人公は町奉行という役職に就きながらも
    治安の悪い城下町の郊外へと遊びに向かい、
    奉行所に一度も通うことなく結果的に家臣の悪習を正す。
    これぞ大衆文学って感じの話で好き。

  • 平成22年12月16日読了。

  • 07.7.9

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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